【自粛期間を乗り越えよう】療育で実際に行ってるバランスボールを使った活動を紹介します。
作業療法士の春斗です。
コロナ禍になり、自宅で子どもの動きたい欲求を満たそうとトランポリンやジャングルジムを買った方も多いと思います。
今回はその中でもバランスボールに焦点を当ててお話をしていきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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【ヘッダー】
今回はあちゃげさん(@achage_maemuki)にご協力頂きました!ありがとうございます!
【本題】
バランスボールを用いることで”固有感覚”と”前庭感覚”に働きかけることができます。
感覚の話については以前の記事をご覧ください。
今回紹介するバランスボールを使った活動は、
①座って遊ぶ
②立って遊ぶ
③押し合いっこ
④追いかけっこ
⑤持ち上げる
⑥圧を加える
になります。
①座って遊ぶ
座って遊ぶのは”ジャンプ”と”前後左右に揺れる”の2種類です。
ジャンプは子供をバランスボールにのせ、大人が腰あたりを支えてその状態で上下に揺らします。
行う際はバランスボールを壁に押し当て、膝や体で押さえながら行うとやりやすいです。
10回数えて一回止めることで、始まりと終わりの概念を身につけることができ、繰り返し行いたい場合は要求の経験にもつながります。
慣れてきたら「10回目で高く跳ぶ」というのを取り入れていきます。
1〜9までは同じ強さでジャンプして、10回目だけタイミングよく力を入れることで「持続的に筋を使う→瞬発的に筋を使う」という風に切り替える練習になります。
これが後々「力の調整」に繋がってきます。
感覚は一定のリズムで取り入れ続けると最初は楽しかった刺激でも慣れてしまいまうので、10回目で高く持ち上げることで長く楽しむことができます。(逆に落ち着かせたいときは一定のリズムで行えるハンモックとかがいい)
前後左右に揺らすのは、体の軸を認識する、姿勢を保つために必要なお尻からの感覚入力、不安定な姿勢からの立ち直りを促すことができます。
右に傾けた時は右のお尻に体重が乗り、それを元に戻そうと左のお尻に重心を戻す必要があります。そして重心を戻すときに体幹筋の内腹斜筋と外腹斜筋も関与してきます。
このふたつの筋肉は回旋動作(体を捻る動作)にも関係してくるので、姿勢保持に置いて重要な働きを担ってきます。
前後左右に傾ける時は、「前〜」「後ろ〜」「横〜」といった風に方向を言語化しながら行うと、自分の動きと方向の言葉が学習しやすく、概念の獲得へと繋がってきます。
この積み重ねが十字、三角、四角、文字などの形を書けるようになるなど、認知面の発達へと広がっていきます。
②立って遊ぶ
座って遊ぶだけだと飽きてしまうと思うので、頃合いを見て立って行いましょう。
立って行うジャンプのやり方は、座って行うときとほとんど同じです。
立ってジャンプをすると足の裏から固有感覚が入力されますが、これがボディイメージを高める役割を持っています。
また、立ってジャンプするときは手を握って行うので、肩甲帯周囲の力や手掌全体の力を高めることができます。
理由はこちらから↓
筋緊張が低い場合、勢いよく引き上げたら手首や肩を痛がる可能性があるので様子を見ながら行って下さい。
普段療育で行う際は、座っての活動、立っての活動が終わった後ボールの上に寝転がり休憩の時間を作ります。
頑張りすぎてしまう子、休む概念が分からない子などにあえて休む時間を作っていきます。
休憩以外にも、バランスボールに寝転がることで「空間に対する自分の位置」を認識することもできます。
③押し合いっこ
これはイメージがしやすいと思います。
押し合いっこの概念が分からない場合は、転がし合うのでもOKです。
バランスボールを押すことで手掌面に圧が加わり、肩の支持性が高まります。また、足底、足趾で踏ん張るので体を支える力も高めることができます。
負けに対する気持ちの調整が苦手な場合、事前に気持ちの見通しを立てながら行うといいです。
④持ち上げる
壁伝いに上まで持ち上げ、可能であれば10秒ほど保持します。
(このときよく頭でも支えるので、手だけで支えるようにします)
目的は押し合いっこと同様、手掌面に圧を加えること、肩甲帯の安定性を高めることです。
これに加えて、持ち上げるときは右手と左手をうまいこと使い分けないといけません。
これが両手の協調動作になり、さらには体の軸を認識することにも繋がってきます。
⑤追いかけっこ
バランスボールを転がしながらの追いかけっこです。
走りながら相手を見るというので眼球運動や注意力、自分でボールを転がしながら追いかけるというので協調運動へと繋がってきます。
が、これはスペースがないと難しいのであまりおすすめしません。
ここまで色々なやり方と目的を書いてきましたが、何も考えずにボールをドンドン叩くだけでも楽しめたりするので(固有感覚が好きな子には良い)、家でやるときは「楽しく」「適度な負荷で(親も子もともに)」を意識して行って下さい。
「もう少し細かく教えて欲しい」「やってみたけど合ってるのか分からない」という場合は、動画を撮って送ってくださればサロン内で質問に答えます!
「こんな遊び方してるけど、何か意味がある?」というのでも大歓迎です。
何度も言いますが、くれぐれも無理のない範囲で行って下さい。
まだまだ自粛生活が続きますが、少しでもお役に立てれば幸いです。
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一緒に知識を身につけて、防御力を高めましょう。
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