「代わりに入った担当がいまいち・・」一回の療育で子どもと保護者の心を掴むために意識していること。
「今日は担当が体調不良で、、」
「担当が私用でお休みなんです、、」
という風に、何らかの事情により普段と違うスタッフに療育をしてもらったことがありますよね。
最近ではコロナが流行していることもあって、より担当の変更は多くなていると思います。
そんな代わりのスタッフが入った時、
「子どもの対応に慣れていなかった」
「やる気がない感じだった」
「子どもの行動に対して明らかに嫌そうな様子だった」
そんな風に感じたことはありませんか?
これは全て、支援者の問題です。
子どもの問題でも、保護者の問題でもありません。
僕は普段個別療育を中心に支援を提供させて頂いています。
作業療法士のスタッフが休みの時だけに限らず、理学療法士、言語聴覚士、保育士が休みの時は代わりに療育に入ることが多いです。(都合よく使われてる)
発達っ子は環境の変化が苦手な子が多いので、ちゃんと考えて療育を行わないとただ時間を過ごすだけとなってしまします。
最悪の場合、癇癪を引き起こすトリガーとなるため親が余計に疲弊してしまいます。
そこで今回、僕が代わりに療育に入る時どんなことを意識しているのかをお話しします。
「たかが1回、されど1回」
1回の療育で変化を生み出せなければ、100回療育を行なった所で変化は生まれません。
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【ヘッダー】
今回は小鉢さん(@58b131)にご協力頂きました!ありがとうございます!
【本題】
僕が代打で療育を行うときに意識しているのは
子ども
→「この先生の方が楽しい!」「なんかいつもより上手くいく!」「またこの先生と遊びたい!」
保護者
→「この先生の方が分かりやすい!」「いつもより子どもが伸び伸びとしている!」「この先も見てもらいたい!」
と思ってもらうことです。
たった一回で無理でしょ、、
そんな思ってもらえるなんて無理無理、、
と思いますか?
僕はそうは思いません。
現にこれまでやってきたからです。
「ただ子どもを楽しませるだけなら簡単じゃね?」
と思うかもしれませんが、そんな舐めてもらっては困ります!!
こちらとでプロですから!!
楽しませるためには、
「運動面」
「認知面」
「感覚面」
「コミュニケーション面(社会性)」
「遊びの発達段階」
と、普段の担当でなくてもその子の特徴を一瞬で捉え、限られた時間の中でプログラムを考えなければなりません。
この時に気をつけているのは、
「成功させようとしないこと」
です。
成功させようとするとその分期待も高まり、できなかった時の声かけが強くなったり、子どもも失敗体験から癇癪に繋がってしまう可能性もあります。
大事なのは、
「失敗しない確率を上げること」
です。
同じじゃね?
と思うかもしれませんが、「成功させること」と「失敗させないこと」では、課題設定が大きく変わってきます。
先ほども書きましたが、僕たちは子どもと接するプロです。
「たまたまできた」
「何となく子どもが楽しそう」
ではダメです。
子どもと対面した瞬間から療育は始まっています。
挨拶の仕方、部屋や椅子への誘導、活動やおもちゃを提供するタイミング、座った活動からするのか体を動かす活動からするのか、どの感覚を用いるのかなど、いくつもの要素を組み合わせて療育を行います。
療育終了時、保護者に対して
「なぜこの活動を提供したのか」
「なぜ上手くいったのか」
「なぜ上手くいかなかったのか」
を理論的に説明する必要があります。
そのためには一つ一つの関わりにこだわりや目的を持つことが必要不可欠です。
代打で療育に入る際、僕はいつも以上に保護者に対しては丁寧に説明をします。
通常担当している保護者の場合は一度に大量に情報を伝えると混乱させてしまったり不安にさせてしまう可能性もあるので、状況に合わせて伝える量や伝え方を工夫しますが、代打で入った場合はその1回しか担当できないので、必然と伝える量が増えてしまいます。
その結果、
「こんな丁寧に説明された事なかった!」
「このまま担当してくれたら良いのに!」
と言われることも増えました。
代打で入った子が翌年に担当になるというのはよくあるケースなので、早めに信頼関係を築いていて損はありません。
それ以上に嬉しいのが、その日担当した子どもが次の療育の時スタッフルームまで僕の姿を探しに来たり、担当に「春先生は?」と聞いたりすることです。
発達っ子と関係を作るのは難しいと思われがちだけど、ちゃんと向き合えば必ず応えてくれます。
僕もこれまでの療育人生で、子どもに背中を向けられたこと、提案したことを拒否されたこと、大号泣されたことと上手くいかないことの繰り返しです。
ですが、全ての支援を提供する上でしっかり課題と狙いを認識していれば、上手くいかなくてもその都度修正していくことができます。
そうやって日々実践と修正を繰り返しながら療育者は成長していく必要があると思っています。
勉強会や研修だけが学ぶ場ではなく、日々の関わりの中から得られるものはたくさんあります。
ありがたいことに最近は療育関係者から連絡を頂くことも増えてきています。
Twitterで発達に関する情報を収集しようとしている時点でだいぶ意識が高いと思いますが、これからも質の高い療育を提供しようとする支援者が増えると良いなあと本気で思っています。
オンラインサロンでは保護者だけでなく、支援者向けのコンテンツも準備してあるので、1人で悩んでいる方はぜひ覗いてみてください。
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