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コロナは日本の文化も奪っていくのか

北海道札幌市の隣接する当別町という町に『開拓ふくろふ乃湯』という温泉がありました。
山裾にある自然と一体となった素晴らしい名湯ではありますが、惜しまれつつも今月閉館となったそうです。

7年前に廃業寸前であった『開拓ふくろふ乃湯』を復活させたのが、この温泉の常連客とのこと。
この常連客が二代目として温泉経営を引き継ぎましたが、新型コロナウイルスの影響で閉館になったとのことです。

閉館の原因は、新型コロナウイルス感染対策を講じる上で、狭い館内では密を避けることができなかったことと、一人で切り盛りしている都合上、こまめな消毒作業ができないのが理由とのことです。

こんなにも素晴らしい名湯が閉館となってしまうのは大変残念なことです。

『温泉』は『日本の文化』そのものだと思います。古くは日本書紀の中にも温泉に関する記述があるとのことです。
鎌倉時代の元寇の折には、戦傷者の保養として利用され、戦国時代になっても数多くの戦国武将が合戦の最中に利用した温泉。

時代を経て、現在ではスパリゾートやスーパー銭湯などといった庶民的なものから、一泊数万円といった高級旅館など、形式を少しずつ変えながらも『温泉文化』は続き、今も多くの人たちを癒しています。

「田舎の温泉施設が一つ閉館しただけじゃないか」と思う方もいらっしゃるかと思います。
現在、「感染対策と経済の両立」が進められています。ですが、全国的に感染者が増加し、今日は過去最高の感染者数を記録しました。

温泉以外にも、飲食や観光などそれぞれの産業には文化があります。
国はGo To キャンペーンを推進していますが、感染が収束した状況下ではない現況で、気軽に外出や旅行に出かけることが難しいのが実情ではないでしょうか。

先日、ある報道番組を見ていたのですが、感染が増加していることについて街頭インタビューで「家族にうつすのが怖い」、「家に祖母がいるので、なるべく会話をしないようにしている」と答えていた方が印象的でした。

『人が動けばウイルスも動く』と例えていらっしゃる方もいます。
「産業や文化を守りたいけど、感染が怖い」と思う方も多いかと思います。僕もその一人です。

医療・治療薬体制などが整い、コロナが収束した暁には思いっきり産業・文化を応援、消費したいと考えています。
皆が思いっきり応援、消費できるまでは、国・自治体等の補償や支援が必要なんだと思います。あくまでも持論です。

こんなに魅力的な温泉を知らなかったことが只々残念であり、一度温泉に入ってみたかったという気持ちで今はいっぱいです。
『withコロナ』『コロナ共存時代』にいかにして日本の文化を守っていくか、人々の気持ちが落ち着いたら、しっかりと考えていく必要がありそうですよね。

最後に、北海道当別町という町に『開拓ふくろふ乃湯』という素晴らしい温泉があったんだということを、この記事を読んで下さった方の中で記憶に留めていただけると嬉しいです。
次回もよろしくお願いいたします。

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