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家系図を書く嫁

先日、私の祖母が亡くなった。私はいわゆる「2世代家族」で祖父、祖母と同じ家屋で一緒に暮らしていた。小さな頃から母親は父親の会社の手伝いをしていたため祖母と一緒に時間を過ごすことが多かった。

家業は祖父が興し、父親が継ぎ、今後は弟が継ぐことになっている。祖父の妻である祖母は家業が成功するように尽力したであろうし、多くのお客さんや社員に囲まれていた。その祖母の葬儀となれば通常のお家のそれよりも大きくなることは想像に難くない。

経営者の妻になるということ、その後に待ち受けていることを実体験から書いているこのnoteだが、今日は私の弟の妻、嫁いでくれたお嫁さんの話になる。

冒頭にも述べたが、私の弟は今後いわゆる「経営者」になる人材。今はまさしく父親から代が変わろうとしている最中で、そのお嫁さんにも重責がのしかかっている。

祖母の葬儀ともなればそれは一大事で、父親はもとより母親が葬儀屋との打ち合わせに一分一秒を争う速さで対応していた。お嫁さんはもちろん、今後は母親の代わりに全てをこなさなければいけないことになるし、弔問に訪れる方々(親戚、顧客、会社関係の皆さん)の顔と名前が一致している必要があり、まだ嫁いで数年というのにそれを着物の喪服を着てこなさなければならない。まだ2歳と0歳の子供がいるというのに。

今回、弟とお嫁さんは「家系図」を作成していた。祖父・祖母の兄弟、その子供、祖母の実家、従兄弟。父親の兄弟や子供(私含め)、さらには私の嫁ぎ先に至るまでA4計二枚にわたって記されていた。嫌な話だがその中での力関係や誰に最初に話を通すべきか、なんていう会社の組織かと思われるような情報収集が必要で。年に1度お会いするかしないかという状況の中、お顔と名前を一致させるのはかなり難しい。

家系図を書くことになろうとは、彼女も思いもよらなかったと思う。経営者のお家に嫁ぐということはこういうことなのである。


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