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「犯罪者」太田愛 ネタバレあり

以前からあちこちで絶賛の声を見かけて、読みたいなーと思いつつ、シリーズを追うには(私にとっては)長すぎるという理由で先延ばしにしていましたが、この度やっとこ読みましたのでシェアさせてください!
Audibleを再開したこともあり、手が離せないときはAudibleで、じっくり読めるときは紙の本で‥という風に二刀流で読み進めたため、自分でもびっくりするスピードで読み終えました!
もちろんこの作品の面白さが第一の理由ではありますが♪

いつも通り、こちらではネタバレをガッツリしていくつもりなので、未読の方はぜひ読んでからお越しください!
めちゃくちゃ面白いので!!
例のごとく誤爆を防ぐため少しスペースを空けます!







まずは私の彼氏を紹介します!(笑)

X(さすがにもう腹をくくってこう呼び始めましたw)でも熱い思いを何度かツイート(なのにこっちはポストって言えないのはなぜ)させてもらいましたが、過去の読書ライフの中でトップクラスに好きなキャラクターをこの「犯罪者」の中に見つけてしまいました。どうしましょう。
それは、全く意外でも何でもない、反応してくれてた皆さんもきっと「この人じゃない?」って思ったはずのあの方!

鑓水ー!

はぁーカッコいい~💗(>_<)
Audibleのナレーションをしてくださってた青木崇さんの声としゃべり方によるところも大きいですが、頭もいいし、ぶっきらぼうな感じなのに優しいところとか、いちいちカッコよくて倒れそうでした!(笑)

そもそも、私こういう「長らく会ってなかったけど確固たる信頼がある関係」みたいな設定が好きなので、本当に困って、助けてくれる人が必要な時、頼る相手はこいつしかいない・・というその展開そのものもすごくよかったです!

それとは別に、真崎・・
真崎ー(ToT)
最近とても魅力的な人物に作中で死なれてしまうことが多く、もちろん真崎もその中の一人です。
せっかく思いを遂げることができたのに・・生きててくれたらなぁ・・中迫たちとみんなで、一緒に喜び合えたらよかったのになぁと心底思います。
「幻夏」で実は生きてたとかある・・!?
ないよね・・相当ひどいことされた描写あったし・・
滝川マジであいつ・・!怒
ただ滝川についてもなんか思うところがあって。
仕事として何人もの人の命を奪ってきたけど、心の奥底では本当に殺しを楽しんでたわけではない(当然かもしれませんが)、真崎と出会ってからそれに自分で気づいたのかな?と感じた瞬間がありました。
真崎のような人に、心の底ではあこがれてたのかな?って。

私、またいつもの要らんクセで、修司の幼馴染の二人・・洋平はあのあともお話に出てきたけど克則は出てきてなくない・・?
特別少年院に行ったから?
洋平の目を失明させるほど暴力的だったし、まさか少年院を抜け出して名前を変えて・・滝川ってまさか・・!とか考えてしまってた時もわずかにあって(笑)
最後のほうに「最初から修司一人を狙ってたのではないか」って話が出た時も「まさかやっぱり・・!」って思ったりした時もあって、自分の安易な思考がマジで邪魔でした(笑)
何度か顔を合わせてるんだから、さすがに顔で気付くから違うよなーと思ったし、もしホントにそんなことになったらめちゃくちゃガッカリするので(無理矢理に今ある点と点を結び付けなくていい!と思う)別人らしくてよかったーと思いました。

あと、パッと心に焼き付く文章が多かったです!
Audibleだけではじれったくて紙の本も図書館でお借りしてきて読んだのですが、文庫版か誰かが借りていたので私が借りてきたのは単行本。
なのでページ数については単行本で、ということになりますが、面白いなと思った文章たちを紹介します。
「私が」面白いなと思ったところなので、「なんでここが?」と感じるものもあると思いますが、良ければそこも含めて見ていってください!

*  *  *

上巻
P.94 予想外の結論に、相馬はもはや自分の耳ではなく鑓水の人格を疑った。

P.96 すんでのところでケータリングの配達員を惨殺しかけた三人は、ぐったりとソファに腰を下ろした。

下巻
P.323 倉田は、鑓水の顔を見るなり、「何でも好きなものを頼んでくれ」と、できれば別のタイプの店で二日酔いでない日に言って貰いたい台詞を述べた。

P.344 「俺は、敦っちゃんに『鑓水おじさま』って呼ばれたい」
相馬は冗談ではなく毛穴がざわついた。

P.348 「なにもかも、君たちのおかげだ」と、中迫が頭を下げかけるのを、禁煙パイポがやんわりと遮った。

こうして書いてみるとうまく伝わるか分からないのですが、「配達員を惨殺」「毛穴がざわついた「禁煙パイポが遮った(主語!笑)」とかの言葉選びが面白いのと、文章それ自体にそこまで深い意味はなくても、なんかその場の登場人物たちの表情とか体勢がリアルに思い浮かぶような文章たちで、読書ノートに書いとこう~♪と思っています。
Audibleで聴いた箇所も多く、うまいこと感情を乗せて読んでくれたので、聴きながらフフッと笑ってしまったところもありました!

グッと来た文章たちは、上巻にもたくさんあったはずだけど、記録してたのは下巻のばっかりでした(>_<)

p.370 (来月の亜蓮の誕生日にはちゃんとしたレストランに連れて行ってやりたい。)スープが小さなカップではなく、平たいスープ皿に入って出てくるような店、できれば、スープ皿の下によけいな皿がもう一枚ついているような店がいい。

↑ おしゃれすぎるやろー!!
 「スープ皿の下によけいな皿がもう一枚ついているような店」ってそれだけでちょっと高級な、特別な日に使うようなお店なんだなって想像できるし、「できれば」っていうのも、言葉は控えめなのにもかかわらず、大切に思っている亜蓮のためにもっと!もう少し!という修司の気持ちがにじんでてすごく好き!

*  *  *

↑ のとは違う意味で特に私が好きだった箇所が3つあって(どれも下巻)、一つ目はこちら。

p.338 聞いたか、真崎。(中迫は胸の中で真崎に話しかけずにはいられなかった。)

↑ 無事にタイタスから山科早季子にお金が渡り、患児たちの裁判費用にあてられることを早季子から聞いたときに、中迫が心の中で真崎に話しかけた言葉。
短い言葉の中に、今までの真崎の想い、その真崎に対する中迫の想い、修司、相馬、鑓水の想いが込められてる気がして泣きそうでした!🔥

P.340 「真崎には、実にうまく騙されました」

↑ 読了ツイートで「読み終えたときに『犯罪者かぁ・・』としみじみしてしまった」ということを書きましたが、ホント、ここはやりきれない気持ちでいっぱいでした。
ここは紙の本で読んでましたが、一旦ため息をつかないと続きが読めなかったです。
真崎、普通じゃ考えられないほど善良な人なのに、山科早季子に対して真崎を単なる金目当ての犯罪者として話さなきゃいけない、そうすることで真崎の目的は達成される・・というやりきれなさ。
いやー・・やりきれない。
と同時に、中迫と、修司、相馬、鑓水でその真崎の想いを大切に大切に尊重しようとするところにも感動しました。

私の性格的に「~っていうことにしておこう」っていうのがすごく苦手で、ましてや、真崎さんみたいな善人があろうことか金目当ての悪人として語られるなんてマジで我慢ならないんですよ私は!!
これなんかほんとに苦手の極みです(>_<)
「真崎さんはね、ホントはすごいいい人なんですよ皆さん!」って言いたい(笑)

*  *  *

まだあります!(笑)
段階的には、↑ の二つを最後に挙げたほうがしっくり来る気もするのですが、どちらかというと私が一番刺さった箇所は以下のところなんです!

P.227
(「・・俺は、真崎が最後まで中迫さんを守りたかった気持ちが解る気がするよ」
相馬は言った。)
「家族がいたからってだけじゃない。あの人は、組織の中の良心なんだ」

↑ 感動。。。
私、前から何度か書いてるのですが、(特に男の)職場の話があまり得意ではなく、ミステリー読んでると出てきがちな、警察内部の場面とか、出版社とか、そういうオフィスっぽい感じがあまり好きじゃなくて(-_-;)
なにかの組織や企業とかをメインで扱ってる小説はあまり読まないのですが(そういうのって何ていうジャンルですかね?お仕事小説とも違うような・・)だからなのか、逆にこの「組織の中の良心」っていう言葉が今の私にすごく響きました。
この部分はAudibleで聴いたので、相馬の言葉として声の熱を持って耳から入って来て、なんか「おお・・」と思って。
もしかして、私が苦手に感じている組織とか企業とかの小説にはこれに似た感じが散りばめられているのでは・・?とちょっと気付きを得たというか。
(読んだことないので全然違ってたらすみません!笑)
今まで ↑ でたくさん好きな文章たちを挙げて来ましたが、「これは残しとこう!」と一番強く思ったのはこの文章でした。意外にも。

*  *  *

ここまで書いてきて、悩んだ末書くのをやめようと一度は思ったけど、やっぱり書いとこうと思ったので追加します!

P.284 くわえ煙草の鑓水が修司の折れた鎖骨側の腕をタオルで吊って応急処置を施しており、(以下略!笑)

キャー!!!鑓水のくわえ煙草かっこいいー--!!!💗

と思った気持ちも残しておきたいので書きました。
読書ノートにも絶対書きます(笑)


長かったし(全然苦ではない。むしろいい意味で)その分たくさんの人が出てきて、各人同士のお互いに対する気持ち(好意的なものも、そうでないものも)が複雑に絡み合ったお話なので、マジで書こうと思うととてもじゃないけど感想なんてすべては書ききれないような素晴らしさで、いずれまた再読したい本です。

*  *  *

続編の「幻夏」、実はAudibleですでに聴き始めたのですが、これは本で読むかもしれません(>_<)
長らく前作のナレーターさんの声で聴いてきたのでみんなの声が違ってしまうのが寂しすぎるのと、でも早く続きが知りたいからそれを超えて頑張って聴こうとしたのですが、ちょっと今度の方はナレーションで少し気になってしまう部分があってお話に集中できず(-_-;)
彼らの「声」や「話し方」の(私にとっての)正解はもう持ってるので、「幻夏」は脳内でおしゃべりしてもらうことにしようかなと思ってます(>_<)

「犯罪者」にハマりすぎて、途中まで読んで止まってしまってる本もあるので、一旦そちらに集中します(笑)

毎度長文になってしまって申し訳ないけど最後まで読んでくださってありがとうございました♪
(・・って書いてみんな途中で脱落してたらどうしよう・・笑)

では!