資格がないと介護士として働けないよ 訪問介護士@オーストラリア

オーストラリアは時給が高いから、安い日本を飛び出して海外で稼ごう、みたいな風潮が今日本であるらしい。で、オーストラリアでも住む人が増えて、住宅不足も重なっているため、メルボルン在住者向けのFacebookでは「住むところが見つからないので、助けてください」みたいなワーホリの人の投稿で溢れ返っている。
NHKのクローズアップ現代でも「安いニッポンから海外出稼ぎ」と題して取り上げられるくらいだから、相当大きな動きなんだと思う。
この番組の中で日本で看護師だった人が介護施設で働いていることが取り上げられており、資格がなくても介護士として働けると誤解している人がいるみたいだが、オーストラリアでは資格がないと介護士として働けない(ただし、掃除専用のスタッフとしてなら雇ってくれるところもある)。
以前であれば、最低限、Ceretificate III Aged Care、今ではちょっと変わってCertificate III Individual Support(Aged CareとDisabilityが一緒になった)が必要だ。
それに加えて、Police Check(過去に犯罪をしていないかのチェック)とFirst Aidの資格も必要で、子どもの障害者ケアもしようとするとWorking With Children Checkも必要だし、場合によってはNDIS Screeningも必要で、何もないままいざ介護業界で働こうと思うと本当に大変。それぞれを取得するのに結構お金も時間もかかるからだ。海外から来た人だと、最初のPolice Checkには結構時間を要するから注意が必要。

だから、「お、時給がいいらしいから、オーストラリアにワーキングホリデーで行って、介護施設で働こう」、というのは、ちょっとハードルが高い、いや高すぎる。訪問介護士としてはたぶん雇ってもらえないと思う。

訪問介護士は一人で各家に入るので、犯罪や虐待が起こりやすい環境とも言えるため、雇う側もスクリーニングが非常に厳しいからだ。企業やカウンシルに雇用されるのではなく、個人事業主としてSupport Workerになる方法もあるが、どこかの既存のシステムを利用しようとすると、その登録の過程は本当に大変。
知り合いに頼まれてそういうサイトのMableに登録しようとしたら、想像を絶する大変さだった…。資格は一通り持っているので問題ないが、Police Checkを持っていても、それ専用でもう一度Police Checkを受けなくてはいけないし(しかも$35かかる…)、Referenceも2人必要(しかも5年以内に介護業界で一緒に働いた人という条件付き)、さらには国籍がオーストラリアでない人は、Statutory Declarationも必要…。ありとあらゆる書類やCertificateをアップロードしなくてはいけなかった。既にやる気が失せている…。システム自体はとても良いと思ったので、参考までにMableのサイトをご紹介する。
利用者とサポートワーカーを繋ぐオーストラリア最大のプラットフォームらしい。そして凄いのが、利用者がGovernment Fundも使えるという点。

自分が事業主なので、トラブルがあった時や自分が体調を崩した時には、直でやり取りしなければならず、困ることもあると思うが、上手く回っていれば、サポートワーカーが手にするお金も企業で働くよりたくさんもらえるので、気軽に働きたい時に働きたいみたいな人にはお勧め(かも)。

何より、いろいろな働き方があるのは、本当にいいことだと思う。
あ、どんな働き方をしても、介護士の時給は日本よりはるかに高い、それは事実(笑)。

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