訪問介護士の仕事の良いところ 訪問介護士@オーストラリア

訪問介護に携わっている人の話を聞く機会は少ないと思うので、「こんないい仕事だよ」という点と、これはイマイチというという点をご紹介したいと思います。
(注)会社によって対応は異なることは予めご理解下さいね。

①勤務時間がフレキシブル(ダントツ1位でいい点!)
通常、仕事って9時~5時、とか就業時間が決まっていると思いますが、訪問介護士の場合、1日何時間働くかは自由だし(カジュアルなら)、Overnightだけの仕事を受けることも、午前中だけ働くことも可能。曜日ごとに勤務時間を変えられますし、週2回でも3回でも毎日でも働けます。とは言っても、どのクライアントさんも来てほしい時間はかぶるので、午前中は比較的働いてほしいと言われる時間帯だとは思います。企業や勤務体系(フルタイムなど)によっては最低労働時間が決められているとは思いますが、どこも人手不足なので、多少わがままを言っても結構採用されやすいと思います(特に経験者は)。
その日は病院に行きたい、子どもの用事がある、というような時でも、1日(や反日)休まずに、その時間に被るシフトだけを外してもらうとかずらしてもらう(クライアントがOKなら)とか、フレキシブルに対応してもらいやすい仕事だと思います。
時間に自由が利くので、学校(特に看護コースの人が多い)に通いながら訪問介護士をしている人や他の仕事と掛け持ちしている人も結構いますよ。

②クライアントさん一人一人と向き合える(私はこれが一番好きな理由!)
施設勤務だと、結構時間に追われてしまうと聞きます。一人を対応していると別の人の呼び出しベルが鳴って待たせてしまったり、沢山の人と次々とお風呂に入れたり(こちらだとシャワーですが)…。でも訪問介護は決められたシフトの時間に相手をするクライアントは一人だけなので、クライアントさんとじっくり向き合って丁寧に対応できます。もちろん、タスクがいっぱいあって時間に追われる、ということはありますが、あくまでも相手は一人。クライアントさんの性格や状況によって柔軟に対応できます。

③様々なご家庭を見られる
家の中に入り込む仕事なので、いろいろな人の生活が見られることはとても興味深いです。食生活、収納の仕方、掃除の仕方、インテリアなどなど。特にオーストラリアは多国籍国家であり、高齢者の方は移住してきた世代なので、母国の生活様式で生活している方が多く、それぞれの国の文化を垣間見られます。宗教もしかり。宗教のことはあまり知らなかった私ですが、訪問介護士を始めてから、クライアントさんからの話や家の様子から、随分宗教のことを理解できるようになりました。自分の知らない世界を広げられますし、「お、これはいい!」と思う生活様式や方法を自分の家庭に取り入れることもできちゃいます。

④様々な地域やお店、病院や薬局に行ける
これは会社によってカバーするエリアが異なると思うので、一概には言えませんが、私の勤める会社はものすごーーーく広いエリアでサービスを提供しているため、レギュラーのシフトは程度自宅から近い地域ではあるものの、休んだ人の代わりに行くに地域は普段行かないようなところも。私は好奇心が旺盛なので、知らない土地に行くのは結構楽しいです。
買い物も普通のスーパーだけではなく、クライアントさんのこだわりのお店にお連れする場合もあり、絶対自分では足を踏み入れないお店を見られるのは面白いです。病院に連れて行く際も、自分が行ったことのない病院ばかりなので、とても勉強になります。クライアントさんのかかりつけの薬局に定期的に行っていると、自然と薬剤師さんと仲良くなれて、自分が困った時に気軽に質問できるのもすごくありがたいです。これまで何度も助けてもらいました(笑)。

⑤自分の老後を想像しやすく、今のうちにできることができる
恐らく自分の祖父母や親の様子でしか自分の老後の生活を具体的にイメージできないと思うのですが、訪問介護士は仕事を通じて様々な高齢者の生活を見るので、自分の老後の生活がイメージしやすく、選択肢が増えます。こんな生活っていいな、こんなことをやっておいた方がいい、という具体的なことも見えてきます。
例えばですが、その方のお子さんが使っていたであろう部屋が物置きになって物で溢れかえっているご家庭も非常に多いので、子供が巣立ったら不要なものは元気なうちにすぐ処分しておこう、とか。足腰が弱って苦労している方を見ると、毎日運動しようと思ったり。日々の気づきが自分の生活改善のきっかけをくれます。

⑥いろいろな家電を試せる
これは本当にありがたいことなんですよー。家電は結構高い大きな買い物。お店で説明を聞いてもいいことしか言わないし、レビューも自分の使い方に合っているとは限りません。自分が実際に使ってみて感じる使いやすさは、確信できます。私は仕事で使って凄く良かったアイロンと掃除機を買いましたよ(笑)。もう最高です。家電が使いづらいと毎日のストレスですが、使いやすいと楽しさに変わります♪それまでは憂鬱だったアイロン、買い替えてから毎日やってます。すごいパワーなのでチャチャっとできちゃいます。掃除機も私はこだわりが強かったので、なかなか気に入ったものに出合えなかったのですが、クライアントさんが買い換えた掃除機に惚れ込んで、なぜかその直後に自宅の掃除機が壊れて迷わず同じものを買っちゃいましたー。洗濯機もクライアントさん宅のいろいろな物を使っていると、使いづらいものと使いやすいものが良くわかりますよ。

と、いいことたくさんの訪問介護士の仕事。とは言え、いいことばかりではありませんので、デメリットも少し書いておきます。
①収入が一定ではない
一定数のレギュラーのシフトを持っていても、クライアントさんの個人的な都合や入院などでキャンセルになることもしばしば。特に冬は体調を崩される方が多く、キャンセルも増えます。キャンセルがあると、他のシフトを入れられる場合もありますが、そのまま何も入らないことも多いため、そうすると収入が減ります。その逆に、急な仕事がたくさん入って収入が増える場合もありますが、毎月〇ドルは収入を得たい、と思っていても、そうならないことがあり得ます。同じ介護士でも、施設勤務の方が収入を予測しやすいと思います。
※上記は時間給の場合。フルタイムで固定給の場合は状況が異なるでしょう。

②休みが取りづらい
これは私の性格によるものです。企業としては、休みは取りやすいし、実際皆さんよく休みを取られています。ただ、私の場合は1対1で対応するこの訪問介護の仕事だと、クライアントさんに迷惑かけちゃうなぁという気持ちが強くなってしまって、休みを取りづらいと感じてしまいます。誰でもOKのクライアントさんならいいのですが、付き合いが長く、他の人は嫌!みたいな方もいらっしゃるので…。繰り返しになりますが、会社から「休まれたら困る!」なんて絶対に言われませんよ。休みは取りやすいです(日本と違って!?)。

③教えてくれる人がその場にいない
施設勤務だと、新人で分からないことは先輩介護士に質問したり助けてもらったりできますが、訪問介護士は基本1人で対応。質問はクライアントさんにするしかありません(もしくは会社に電話して聞く)し、助けてくれる人はいません(家族が同居していて助けてくれる場合はありますが、稀)。サービスを長く受けられている方だと、指示も的確ですが、サービスを受け始めたばかりの方だと、黙っていても全部やってくれると思っている人もいらっしゃいます。あまり質問ばかりすると怒り出す方も…。今では、どんなクライアントさんでも不安なく対応できるようになりましたが、最初の頃はわからないことだらけで、慣れるまでに結構時間がかかりました。タスクの幅も広いので、一通りできるようになるには、時間を要すると思います。

④車の運転が嫌いだと無理な仕事かも(オーストラリアの場合は)
日本の訪問介護士は自転車で各家庭を移動する人もいると聞いてびっくりしたのですが、オーストラリアだと移動距離も長いので、就職時の条件に車の運転ができることが含まれています。訪問介護士だったある友人は、「仕事自体は楽しかったけれど、車を降りて、仕事してまた車に乗ってまた降りて…という繰り返しがきつかった」と言っていたほど。車の乗り降りや運転が嫌いあるいは苦手だとちょっときつい仕事かもしれません。
先ほども書いたように、私の勤める会社はエリアが広く、1日に100km以上運転することもありますし、平均1日40~50kmは運転しますから、運転が苦手な人は、会社のカバーエリアの範囲を就職時に確認すると良いかもしれません。

訪問介護に携わってみようかなぁと思っている方の参考になれば幸いです。


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