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巨人の肩の上に立つボードゲームデザイン考察vol.5「ドラフトはインタラクションが強い」

今日もやっていきましょう。今日で2014はラストです。
Sunnyです。

Q「巨人の肩の上に立つボードゲーむデザイン考察とは?」
2014年12月から毎年12月に行われている、I was gameさんの企画であるAdvent Calendarを読み進めながら考察を進めていくコラムです。他にも参考になるものを読みながらまとめていきます



これからボドゲにハマる人に何をお勧めすべきか

ゲーマー予備軍とはボードゲーマーになる素養を持っているが、ボードゲームをやったことのない人を指し、ノンゲーマーはその素養を持っておらずボードゲームをやったことのない人を指します。そして、ゲーマー予備軍とは、運要素の強いパーティーゲームでは満足できず、より自分の実力が発揮される思考ゲームを求めている人と考えてください。

Studio GGのShunさんは初心者を上記の2つに分けられると書いています。その2つの属性に対して適するボドゲがあるのではないかと書いています。

そのいくつかのゲームデザインの手法で

①小さな目標
②箱庭と競り
③特殊能力によるゲームの拡張

によって解決できるのでは、という話をしていました。

この初心者に何をお勧めすべきか、という話は、今でも非常に話題にあがる内容ですよね。カタンが重ゲーか?という話で少し炎上したブックオフの話も記憶に新しいです。

正直な僕の意見としては、カタンは重ゲーだとは思ってますが、重いとか軽いとかは相対的な評価ですからね。絶対的に重いなんてボドゲはほぼほぼ無いんじゃないだろうか。(例えばプレイ1日かかる、というのはそれ以上重いものがなければ絶対的に重いかもしれません)

ある程度ボドゲをしている人のスタンスとしては、相手(初心者)が何を求めているかを把握する力かもしれません。
それに対して相手と一緒に楽しめるように(独りよがりにならないように)出来るのがマナーなのかなと思います。

ゲームは人とやるものなので。(ソロプレイとかの概念は別概念なので除きます)



ドラフトは実はめちゃくちゃインタラクションがある

実はこのコラムをやろうと思ったきっかけの記事は上の記事でして、2014にこんなにも整理されたシステムデザインノートがあるなんて!という気持ちになったのを覚えています。

上の記事の話をする前に、直近で1番話題のドラフトゲーム「It's a wonderful WORLD」について書いてみます。

このゲームは基本的にドラフトを行い、その結果で生産をしたりなどして、建設をしていきます。
で、よく紹介されるワードとして「インタラクション要素少な目」ゲームである、というのがあります。

この意見はある意味ではすごく正しいのですが、別側面から見ると違う様相を呈するのです。
このIt's a wonderful WORLDというゲームにおいては、インタラクション(相手プレイヤーへ干渉できる部分)が1か所しかありません。それがドラフトフェーズで「隣のプレイヤーへカードを渡さない」ということです。(いわゆる、カット

でもこれって結局1枚しか「渡さない」ことしか出来ない、だからインタラクションは少ないよね、という意見です。それもわかります。

ただ、このゲームにおいて高得点を取ろうとすると「他プレイヤーへカードを渡してはいけない」瞬間が存在します。このカードを渡すと点数が15点近く伸びてしまう、みたいな状況があり得るんですね。

そうなると、相手の状況を見て、相手が何を欲しているか/相手が伸びるカードは何か、を把握する必要があります。
その状況下でドラフトを行うと、途端に相手への影響を深く考える必要があります、そしてそれを実行する必要があります。これはインタラクションが強いといえるでしょう。(受動的インタラクションと、能動的インタラクションの2つがあるという感じでしょうか。)

勿論、ライトな側面でインタラクションが少ないことは事実だとは思います。インタラクションが高い瞬間があるのがこのゲームです。

っていう、ドラフトって全然インタラクション低くないじゃん!という状況で出会ったのが上の記事です。
この記事は、ドラフトのやり方やテクニックをほんとに体系的に書いています。まじでみなさま読んでほしい。初心者への対応や、楽しませる工夫というデザインまで書いてます。

これ読んでると、ドラフトゲーを作りたくなるんですよね。



Q「この記事を書いた人はだれ?」
2018年1月頃からボードゲーム製作を行っているひよっこボードゲームデザイナーです。代表作は「Wacryll」「鍋代官」です。色んな所にひたすら疑問を投げかけていたら、noteのフォロワーが増えました。よろしくお願いいたします。

札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。