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半分砂漠のこの世界

第一話 世界はどうなっている

 ここは砂漠しかない世界…ではない、この世界の半分が砂漠であり、半分は水で潤っている。この世界の名は、
     『Opposite pole planet』訳すと対極の惑星だ。

 この世界の半分のマキム砂漠の中央にある大きな、ざっと二メートルはあるサボテンの、針(本当は葉っぱだが…)の一つはボタンで、そのボタンを押すと、ある場所に行ける。そこには地下の涼しく、潤った、エビ一匹、カニ一匹の家がある。

 僕達は今 人間年齢で10歳。実は100年生きている。僕らは成長するのが遅い、実年齢の十分の一が人間年齢だ。自慢じゃあないけれど、エビやカニだって進化してる。五感があるし、長生きもできるし、水槽いっぱいの水に身を包ませなくても生きていけれる。このすごい進化のおかげでこの砂漠と言う、ところ(この真上だけど)にも難なく行ける。ありがたい進化である。

 ここは水が24時間ずっと出て、さらに気温も25℃で、いいところだ。僕らは物心ついた時からここの家に二人でいた。だからこの家の機能が全て使いこなせる訳ではない。だからこの本棚にある本を取ったら隠し部屋が…と全然よくある話だ。とカニのサミが回想にふけっていたら、本を読んでいたエビのロブが言った。
「どうやら海っていうものがあるらしい。」

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