I need to relax

 人は落ち着いて世界を傍観する術をどのように学ぶだろう
 人は安全地帯をどのように構築するだろう
 人はリラックスをどのようにするだろう

 私には安らぐとか落ち着くとかそんな感情は皆無に等しかった
 生まれて40日で乳児院に預けられ、母親の愛情を知らずに育った
 養護施設では同い年ぐらいの子が常に周りにいる環境で
 兄弟ではないし、遺伝的特徴も大きく異なる子供達が一つの屋根の下に十人近く
 皆、仲が良いように見えて職員からの愛情の取り合いをしていた
 年上の子には負けじと挑んで、年下の子には舐められまいと威張り
 全く心が安らぐ環境でなかったことは誰の目から見ても想像に難くない
 そんな施設でも私は誰よりも職員からの愛情に飢えていた
 無論、職員はシフト制なので一緒に居られる時間は有限である
 その限りある時間いっぱいに私はできる限り甘えた
 『傷つきやすいし、妬みやすい』
 そのような体質は母親譲りのようだ

 それかというのも、小学校卒業と同時に家庭へ引き取られた
 実母、義父、12歳離れた妹、私の生活が始まった
 そこには私の居場所がなかった
 家事・育児をしない実母に人格否定する義父
 時には拳や茶碗、ナイフが飛んできた
 中学校でも人と話すと過緊張に陥り、自分を表現できなかった
 常に不安と恐怖を抱えながら生きていた15歳の私を
 私は力強くしっかりと抱きしめてやりたい
 
 私は今日まで、安らぐ術を知らない
 社会はまるで戦場で
 私は無力な兵士
 部屋の隅に隠れたって社会の生活音が響けば私は極度に怯える
 植え付けられたトラウマは消えることを知らない
 信じる力は私を変える
 
 さぁ、終戦の時にしよう
 
 

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