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陽光

冬の冷たい朝
いつもと同じ時間
いつもと同じアラーム音


昨夜の熱は一気に冷め
吐く息は白く暖かいけれど
一瞬にしてその場に消えていく


一人の朝も随分慣れたな
寂しさをあまり感じなくなって久しい
それでも人の声が響かない部屋は
いやでも孤独を実感する


身支度を整え外に出ると
吐く息は更に白く
喉の奥まで冷たくなる


身体の熱が奪われる前に歩き出し
いつものコースを歩いていくと
やがて急な上り坂


この先には一つ目のお気に入り風景


ようやく登り切り
公園の小高い場所に立つ
目の前には大河がゆったりと流れる
たゆたうこの心のように


歩みを進め反対側の高台へ
そこはもう一つのお気に入り
目の前には暖かな光を放つ太陽


日の出を迎え燦々さんさんと輝き
世界のすべてを光と温もりで包み込む
身も心も暖かく包み込んでくれる気がして


ふと涙がこぼれる
今日を迎えられた奇跡
上る太陽を眺めながら実感する


そうして日々過ごしていく
いつか「求めた明日」を迎えるために

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