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お母さんがうれしくて泣いた日。

お母さんが、また今日もnoteをやっている。
PC開いて…あれ?泣いてる?

「お母さん、どうしたの?誰に泣かされたの?」

ぼくはあわてた。
お母さんが泣くなんて、大変だ!

「お父さんに何か言われたの?」

お兄ちゃんも駆けつけて、お母さんにティッシュを渡す。

「ちがうよ」

お母さんが泣きながら答える。

「じゃあ、どうして泣いてるの?」
「事件だから、お父さんに言いに行く!」
「おとうさーん!大変!お母さんが泣いてる!」

ぼくたちが大騒ぎしていると、お母さんはこう言った。

「ちょっと待って。悲しいからじゃないよ。うれしくて泣いているよ」

…うれしくて泣いてる?何それ?

「お母さんは、悩んでいたことがあったの。でも、noteで優しくて温かい言葉をかけてもらったのがうれしくて、泣いちゃったんだよ。心配かけてごめんね」

うれしくて泣くの?
ぼくはうれしくて泣いたことはない。
うれしいなら、笑えばいいのに。

「お母さん、うれしいときは笑うんじゃないの?」

ぼくは不思議に思って、お母さんに聞いた。

「人間はね、泣くのは悲しい時だけじゃないんだよ。感動した時も泣くし、嬉しい時も泣くことがあるよ。お母さんは、今、嬉しくて、感動して泣いてる」

そうか。感動して泣くなら、すこしわかるよ。
お母さんは今、嬉しいんだね。
悲しくないなら、よかった。

そう思っていたら、お風呂そうじからお父さんが戻ってきた。
お母さんが泣いてて、ぼくたちが囲んでいるのを見て、びっくりしてる。

「お母さん、どうしたの?泣いてるの?子どもが何かやったの?」

あー!やっとお母さんが泣いている理由が分かって、落ち着いてきたところなのに、お父さんタイミングが悪い!ややこしい!しかも、ぼくたちのせいだと思ってる!

「ちがうよお父さん。お母さんはうれしくて泣いているの!ぼくたち何もやってないよ!」

「それならいいけど、お母さん大丈夫?」

お父さんも、お母さんが泣くのは心配らしい。

「大丈夫。ごめん」

お母さんはティッシュで涙をふきながら笑った。


<あとがき>

この記事を投稿した時に、ありがたいコメントをたくさんいただきました。

コメントの一つ一つが嬉しくて、泣いてしまった日のエピソードです。
それを二男目線で書いてみました。

それまで「うれし泣き」を知らなかった子どもたちは、本当に驚いていました。嬉しいのに泣く。この感情表現を、初めて知ったようです。
私が涙もろいので、子どもに気づかれないようにすればよかったのですが、この時は無理でしたね…

子どもたちにとっては、まだ知らない感情表現があると気づかされた出来事でした。

#66日ライラン

41日目。

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