君の大好きな物なら、僕も多分明日には好き

ドラマ「Silent」を見ていたのをきっかけに、
最近仕事のお供はもっぱらスピッツだ。

スピッツが大好きな母は、
私が小さな頃からずーーーーーっと
ことあるごとにスピッツのCDをかけ続けてきた。

物心着いた時からずっと傍にあった旋律。
それがスピッツの曲だと知ったのは、高校生くらいの時だったと思う。

学園祭で軽音楽部が演奏しているのを聞いて、その曲紹介でスピッツの存在を知った。
あまりに身近すぎて、どこのバンドか疑問に思うことすらないままだったのだ。

しかし幼い頃からの刷り込みというのはすごいもので、

何年か前に、親戚たちと旅行に行ってカラオケ大会が開催された際は、
共通点を見つける方が難しい私たち姉弟が、スピッツの音楽がかかればともどもスラスラと歌えるものだから、
母は大笑い、母の布教活動を知らなかった父はびっくり…なんて出来事もあったりした。

つまるところ、母の作戦は大勝利に終わったのである。

チェリー。魔法のコトバ。君が思い出になる前に。ロビンソン。
スカーレット。空も飛べるはず。涙がキラリ☆。ヒバリのこころ。

子供の頃から耳に馴染んできた楽曲はあげ切れないが、

そのうちの1曲で、
最近家で曲を流していたら、通りかかった母が
「この曲好きなんだよねえ〜」としみじみ洩らしていたのが「大好物」。

君の大好きな物なら
僕も多分明日には好き
期待外れなのにいとおしく

「たぶん」明日には好き、なのがいいよね、と母はいう。

一番好きな記号は「≒」だという母らしい意見だ。
（イコールほどきっちりしてなくて、まあ大体同じじゃん？という感じが好きらしい。わかる。）

私は、「多分」も好きだけど
多分だとしても、明日には好きになってくれるんだなあ、って思うと
何だか愛おしくて、毎回聞くたびにほっこりしてしまう1曲だったりする。

スピッツの楽曲は、きっとこれから先もことあるごとに戻ってきては聞くことになるんだろうな、という予感はあるし
そういう音楽が傍にある人生もいいものだなあ、なんて思ったりする今日この頃だ。