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そうよ私はクリエ推し

だいぶ前のことだが、
ミュージカル界隈のTwitterで、
とある高校生による、劇場に関する調査が注目を集めていた。

私も、1ミュージカルヲタク(通称ミュヲタ)として大変興味深く拝読した。
自分が高校生の時なんてこんな調査はできなかっただろうから本当に尊敬である。



劇場不足と言われて久しい都内だが、
正直なところ、劇場によってクオリティにだいぶ差があるのが実情だ。

どこからでも見えやすい劇場もあれば
席ガチャ状態の劇場もあったり。

そのようなわけで、
自分のお気に入りの作品がどの劇場で上演されるか、は結構重要な要素だったりする。
と、1ミュヲタとして勝手に思っているのだけれどこれいかに。


さて。
このアンケートでの質問「好きな劇場は?」で1位に選ばれていたのが
日比谷にある日生劇場だ。

わたしもよく足を運ぶ大好きな劇場である。

だが、今日の主役は実は日生劇場ではない。






先日、ミュヲタ仲間たちと、この調査結果について語っていたとき

「日生もいいよねー!でもホスピタリティで言ったらわたしはクリエ推し!」
というとある1人の発言に
「わかる」「間違いない」「推せる」と大盛り上がりしたのである。


クリエ、正しくはシアタークリエ、も日比谷にある。
比較的小さく、シンプルながら洗練された印象を受ける劇場だ。



前はチケット代が1万円ぴったりのことが多かったので
1万円のことを「1クリエ」と呼んで

ショッピングしたり、飲み会とかに行くたびに
「1クリエ分か…」「今日は2クリエだな」なんて考えていたりしていた。立派なオタクである。

最近は値上がりしているので、1クリエ時代がちょっと懐かしかったりしたりなんかして。



と、余談は置いておいて。





さて、このシアタークリエ。

ここの劇場スタッフの方のレベルの高さは尋常ではない、というのが
仲間内で一致している評である。


誤解のなきように書いておくと、
基本的にどの劇場でも、スタッフの方の振る舞いは本当に素晴らしいものだ。

ただ、シアタークリエが凄すぎる、のだと思っている。




とにかく、目が行き届いている。


例えば、ちょっと背が高い人やお着物でいらしている方が前方席に座っていると
後方列の人たちにクッションや膝掛けを手渡す。

最初はなんだろう?と思っていたのだが、
後ろの人の視界が遮られないように、座席の高さを調節するように貸し出してくれているのだ。
その声がけも、対象の人だけに聞こえるような大変さりげないもの。

ちなみに、小さなお子さんがいる時も同様だ。
時には観劇マナーをやさしい言葉で説明している場面に出くわすこともある。



そして、開演前のアナウンスもバッチリ。
さらには前列の方でアナウンスした後、階段を上って後方列に進みつつ、改めて電源を切るように声かけ。聞こえてないなど言わせない。

一方で、電源を切る方法がわからず焦っている人がいるとすかさずサポート。
なんて細やかなんだ…!とびっくりしてしまった。

(※現在はアプリCOCOAを使っている方もいるので、電源オフではなく、おやすみモードや機内モードの設定を促されることが増えました。補足まで。)




お次は幕間。

シアタークリエでは、以前、開演前と幕間は劇場内での飲食が認められていたので
ごはんを食べながら幕間を過ごす人がちらほらいた。

仕事終わりギリギリで駆け込むことが多かった私もその1人で、
持ち込んだおにぎりやらをよく頬張っていたものだ。
時々、ちょっぴり贅沢に売店でおやつも買ってつけちゃったりして。ふふ。



そんな風にのんびり過ごして、二幕が始まる少し前になると
係員さんたちがやってくる。
その手にはゴミ袋が。

そう、開演前になんと弁当ガラを回収に来てくださるのである。

私だったらゴミ箱に自分で捨てにいけばいいのに、とか思っちゃいそうなので
ホスピタリティの差に唖然としてしまう。





クリエのスタッフさんに関するエピソードは、こんな一段落にはまとめきれないのだが、

とにかく快適に観劇を楽しんでほしい、という気持ちが隅々まで感じられて
そのプロフェッショナル精神を、一観客としては心から尊敬してしまうのである。



コロナ禍で、劇場にはずっと厳しい風が吹き付けているけれど。
こんなに素敵な場所が、世の中から無くなっていいはずがない。


PCR検査を繰り返さなくても、舞台が上演できるようになって、
劇場内で、感染を気にせず感想を自由に語り合えるようになって、
そして、ごはんを食べながらのんびり過ごす幕間が戻ってくる日まで。


それまでは、
劇場がどれほど素晴らしい場所で、大好きな場所で、
舞台に立つ人たちだけでなく、劇場で働く方々のおかげで、どれほど素敵な体験をさせてもらってきたのか、

こうして綴っていくことで、今までの恩返しをしていきたいなと思うのだ。



*関連記事:シアタークリエで見た中でとびきりのお気に入りミュージカルをご紹介!

*冒頭でご紹介した調査はこちら。とっても興味深かったのでぜひ。

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