見出し画像

今年もドイツのアニメイベントで裏方をして来ましたよという話。

アニメ・漫画ファンがアツい欧州の国といえば、やはりフランスが挙げられるけれども、ドイツもそう負けていないと思う。というか、そう肌身で感じられるイベントがある。毎年8月にドイツはマンハイムで開催されるアニメイベント、AnimagiCだ。

フランクフルト空港から列車で一時間弱の距離にあるマンハイムの会場、Rosengarten(薔薇の庭園!)で三日間に渡って開催されるこのイベントが、いろんな意味で凄い。

人気アニソン歌手やアニメの大物プロデューサー、声優、演奏家等のイベントやライブ、サイン会が会場の至る所で開催され、しかもゲストとファンの距離が近い!

私はこのイベントで何度か裏方をやらせて貰っているので、推しに会うために日本からやって来ました!というガチのファンを何度か見かけたが、総じて海外の方がアーティストさん周りのガードがユルいので、遠くから推しを拝む事に飽きたファンが海外遠征したくなる気持ちは分かる気がする。

しかし私が毎回驚かされるのは日本からのゲストもさることながら、ゲストの通訳やMCを務めるスタッフ陣だ。
裏方として働いている通訳さん自体、単独でイベントやファンミを開けるくらいの有名人だったりするし、そうでなくても、ドイツ国内で五本の指に入る同時通訳者や、やり手の番組コーディネーターなんかが大集結しているので、彼らの仕事ぶりやホスピタリティ、語学の天才が長尺のインタビューを何一つ取りこぼす事なくす訳す様子を至近距離で見ることが出来て、AnimagiC2023と同時並行で、私の脳内では「お仕事magiC2023」が開催されている。

私は陰キャだし、マイペースだし、一人で黙々と作業するのが好きでフリーで翻訳をやっているくらいなので、イベントの裏方というのは決して得意な仕事分野ではないが、AnimagiCというイベント自体のファン(ある意味、ハコ推し)なので、お声をかけて頂けるだけでも有難いし、呼んで頂ける限りは他のどんな予定をキャンセルしても馳せ参じようと思っている。

普段は接する機会のない音楽関係者と話せるのも嬉しい。生まれから育ちまでマンガの主人公のような人物って存在するんだなあと毎回感心する。そして、人前に立ち、多くの観客の前で光を浴びる人は、おそらく生まれた時からその才能を持っているのだろうと。

毎日知らない人に大勢会って、朝から晩まで人と接するのは、それが向いていない人間にとっては決してラクな事ではないが、自分が居心地の良い環境からたまにはあえて出て行かないと、忽ち視野の狭い人間になってしまう。イベントの裏方は自分が世の中について行くための強制アップデートのようなものなのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?