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便利さゆえの不便さから、自由になる。

子どもたちは、プールが好きです。

我が家の最寄りのプールは、車で行くのであれば、片道15分といったところにあります。

大人のみ利用料がかかるのですが、子どもたちは無料!なんともありがたい。小学生になると、付添いがなくとも入れるのです。コインロッカーもこどもたち一人あたりひとつが無料で貸し出されます。

多くの人が学校に行っている時間に訪れるので、空いていて快適。

大体は、夫も一緒に行ったり、仕事の合間に送迎してもらったりしているのですが、今日は夫は遠方に車で仕事。プールの送迎は無理です。

しかし!

暑い!

長男が「プール、行かない?」と言い出しました。

う~ん・・・車が使えない場合、バスを2台乗り継ぐことになり、遠回りになります。しかも、乗り継ぎのバスの時間がうまく合うことは少ないのです。加えて、水着だのタオルだの、水分補給の準備だの、食べ物も持っていくとなると、それなりの大荷物。

帰りには、泳ぎ疲れたこどもたちを、なんとか連れて帰る必要があるわけです。

そんなことに思いを巡らすと、私に負担感があり、車が使えない時は、プールから足が遠のいていました。

でも、今日の私は、いつもとは、なんとなく違ったのです。

大変かもしれないけれど、〈車が使えなくても、プールに行ける〉となれば、車という便利さがなくても、プールに行きたい時に行けないという不便さは、解消されて、すこし自分の中が自由になる気がしたのです。

う~ん・・・バスを乗り継がずに行くルートってないかな?と私はぐるぐる考えます。

う~ん・・・そうだ!バス1台で行ける一番プールへのルートに近い停留所で降りて、歩いてみるのはどうだろう?

大きな公園を突っ切って歩けば、そこまで遠回りにはならないし、車も人通りも少ない道を選べるかも。

そんな提案をしたら、子どもたちは「歩いてみる!」「賛成!」となり、いざ、プールへ。

家の最寄りのバス停から、プールに比較的近いバス停まで、約15分。

そこから、大きな公園を通り、日陰を探し、セミを探し、アリの大群に足を留め・・・途中からはいつも車で通るルートを辿りました。

なんだかんだとバス停から、山の上の方にあるプール施設まで45分。

北国の夏とはいえ、今日の札幌は暑かった。

こどもたちも、私も、汗だく。

プールに入るためのウォーミングアップは万端です。

プールに到着すると、娘が、

「ホントよく頑張ったね!私!」と自分を褒め称えておりました。

確かに、抱っこも一切しないで、坂道をよく歩き通しました。長男・二男はまだまだ歩けそうな余裕を見せ、恐るべし体力。

そして、プールで泳ぐこと1時間半。小さい人から身体が冷え、順にプールを上がりました。

帰り道は、「散策道」があることがわかり、看板を見てみると、その散策道を辿ると、行きに通り抜けた大きな公園に出られそうです。地図を受付で頂いて、山の中の散策道を下ることにしました。

山道なので、涼しく、車通りの心配もなく、子どもたちは快適そうでした。

しかし、山道。ブヨが顔をめがけて飛んできます・・・マダニの心配もあるので、次回は羽織ることができる長袖を持参しようね、と子どもたちと話しました。

帰りの散策道は、山に慣れた子どもたちには、お手の物だったようで、あっという間に、行きに通り抜けた大きな公園に辿り着きました。

「近い!」「これなら、また来られるね!」とまだまだ元気な子どもたち。

末娘は大きな桑の木を見つけ、桑の実を採っておやつに頬張り、

二男は公園の芝の山を横向きにローリングしながら転がっては登りを繰り返し跳ねるように走っていました。

長男は見つけたトンボを追いかけて姿が見えなくなりました・・・。

炎天下の中、45分歩き、1時間半泳ぎ、山道を20分くらい歩いてきたとは思えないんですが・・・体力底なしですね・・・。

長男はこの大きな公園に野鳥観察などにも来ているので、公園内の地理にも不安がないようで、「このルートなら、一人でも来られそうだな~」と言っていました。

車で15分の道のりをバスと歩いて行くことで、私と子どもたちは、「車がないと不便」と思うのではなく、「車という便利な物がなくても、自分のしたいことができる」という経験ができたのだと思います。

「○○がないから、できない」ではなくて、「○○はないけど、どうやったらやりたいことができる?」と、考えるきっかけをもらった小さな冒険でした。

こうやって、いろいろなハードルを少しづつ下げていくことは、私にとっても、とても面白く、自分の中で、「できるじゃん!」という、ちょっとした喜びとなっています。

やれるからといって、やるか、やらないかは、また別の問題で、〈いつでも自分の力で、できるという事実〉が自分の中の自由度を上げると思うのです。

小さな冒険が、「便利さゆえの不便さからの自由」を、またひとつ、与えてくれました。

毎日は、小さな冒険の積み重ね、だね。


学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!