順番を巡る小さなドラマ。
「順番」ということが関わるといつだって、そこには小さなドラマがあると思います。
二男がまだ幼稚園に通っていた時のこと。
皆で、色々なゲームをする時間がありました。かけっこだったり、風船あそびだったり、椅子取りだったり。
ある日、こどもたちは、かけっこをする為に、順番に並び始めました。
まぁ、大体は、なんとな~く並んでいるのですが、急に横から入ってくる子もいるわけです。
で、ここで、「横入りダメなんだよ~」という子もいれば、横入りされている事に気がついてない子もいる。気がついているけど、気にしないでその状況をそのまま受け入れてる子もいる。また、相手によって、入ってもまぁいいか的に見逃してみたり、「入らないで!」となったり。
そして、横入りする方も色々ある。
「この辺になら入れてもらえそう?」という子のあたりを動物的勘?を使ってサッと入ったり、その人選を誤って、「ダメだよ!」と怒られたり。
それはそれは、様々で面白いのです。
横入りされて、嫌だったけど直接言えなくて傍にいた大人(その時は私に)「〇〇が並ばないよ~!」と訴えてくることもある。私は、「うん、そうだねぇ。」とか言って、様子をみて、さらりと、「△△が並んでたよ、」と横入りした子に伝えることもあるし、言わないこともある。
何にしても、色々な状況があるのです。
だから、私は、できるだけ介入しないことにしていました。
当時、年少さんだった二男は、横入りされても何も言いませんでした。横入りされている事に、気がついてはいるのだれけど、敢えて何も言わない事が多かったのです。
それを私が、「入っちゃダメなんだよ!後ろに並んで!」というのは、なにか違う気がしていたので、黙って様子を見ていました。
本人が良しとしていて、嫌でないのであれば、それは子ども本人にとっては、〈問題になっていない〉のだと思うから。
大人がそこに焦点を当ててしまうと、それが〈問題〉となり、「絶対守らなくてはならないルール」になってしまうこともある気がするのです。
勿論、注意したっていいし、そこは大事だよね、と思う人が居てもいい。
私は、こどもたちなりに考え感じたりして、入れたり入れなかったり、気にしたり気にしなかったり、大人に訴えてみたりのそれぞれの子どもの様子や対応が面白いと思って見ていました。
横入りされて嫌なら自分で嫌って言えるのも大事だと思うし、「ま、いいか。」って思えるのもいいと思う。入れてもらって、自分も寛容になったり、ならなかったり。
子どもたちは、こういうやりとりの中で、人との距離感を肌で感じているのだなぁ、と思って眺めていました。
そして思ったのは、子どもたちの世界は、大人の物差しでは測れないということでした。
こどもたちは、周囲の人たちとの様々なやり取りの中から、「順番は守らないといけない」というのは、本当にそうなのかな、と考える。
そして、お互いに、様々な人がいることを肌で感じて育つと、「順番は守らなくてはいけないもの!」というよりも、「まぁ、基本的には、守ったほうがいい場合も多いけど、そういう時ばっかりでもないし、色々な状況があるよね。」と、自分と違う在り方を受け入れる力を身に着けていくのを何度も目にしてきました。
やっぱり、大人が余計なことをしないのが、一番。
そう思いながら、子どもたちの並ぶ様子を見ながら、あちらこちらで起きる小さなドラマに目を向けていました。
子どもたちと過ごす毎日は、飽きる暇がないなぁ。
テレビドラマより遥かに面白いと思います。
ホントに。
学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!