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【HOMERUN|第3号】 やるしかない!新卒・ひとりでの初渡航で工場改革。 まさかの出荷量3倍増を実現!(SundayMorningFactory 石出恵)

※こちらの記事は2019年2月に書かれたものです。

ボーダレスグループで成果を上げた(=ホームランを打った)メンバーの活躍を紹介する企画【HOMERUN】。
今回はベビー服ギフトブランド【Haluraraハルウララ】を展開するSundayMorningFactoryから第3号ホームランが放たれました。バッターは、新卒1年目の石出 恵(いしで けい)さんです。


HOMERUN
やるしかない!新卒・ひとりでの初渡航で工場改革。まさかの出荷量3倍増を実現!


■HRができるまで


石出さんは、将来“カンボジアの子どもたちが学校に行けるためのビジネスを立ち上げたい”という目標に向け、Sunday Morning Factory (以下サンモニ)で修行中の新卒1年目。

彼女はある日、代表中村さんから
『バングラデシュで2週間、工場の生産体制を改善してきてね』
という大きなお題を与えられました。

石出さん
「入社以来、『いつか日本か海外で組織をマネジメントする経験を積んでみよう』と言われていました。
将来カンボジアに行く目標がある私は、ついに11月“バングラデシュ”で挑戦させていただけることになったんです。」

—渡航が決まってから出発までは1か月。
バングラデシュは初めて、現地メンバーとも面識のなかった石出さん。

行く前はさすがに緊張したといいます。

石出さん
「現地の工場長、アミンさんとは1度だけ日本でお会いしたことがあったものの、従業員47人(渡航時)とは『はじめまして』な状態からのスタートでした。実は、商品が納期通りに入ってこないことがあり、生産体制に何らかの課題があることは認識していたので、ひたすら『結果を出さなきゃ』って意気込んでいました。

すごく緊張していましたが、バングラデシュに着いた瞬間『よし、やるしかない!』って吹っきれました。

(出発前。皆に見送られる石出さん。その表情はどこか不安げです)

今すぐやれること、ここに必要なことは何?現地で見えた課題


—意気込んで向かった現地の工場。まずどんなことから始めたのか教えてください。

石出さん
「最初の2日間でしっかり現状把握をしました。
ちょうど日本への出荷作業日だったので工程を見ながら、課題を洗い出すことに。
日本であれもこれもと考えてきた“やりたい事リスト”のなかから、この工場に今一番必要なことを見極めました。
そして優先順位第一に置いたのが『納期通りに出荷する体制を作る(生産量を増やす)こと』です。」

—どういう手段でアプローチしたんですか?

石出さん
「2日目に同じボーダレスグループ(BLJ)革製品の社長をしているファルクさんとお会いした時、どんな想いでここにやってきたのか、現場をみて感じた課題について話したんです。
まずは工場長アミンさんがしっかり現場に集中できる環境づくりから。
そこから生産体制を整える改革がはじまりました。」

皆に芽生えた問題意識-納期通りに生産するために

石出さん「『納期通りに製品を送る重要性』について、ファルクさんから現地の言葉で伝えてもらい、皆に問題意識を持ってもらうことができました。まずは革工場の生産ノウハウを共有してみることから。ここからすごいスピードで変わっていきました。」

改革1 ☑生産ラインに「ランニングシステム」を導入
製品ごとに工程を追いやすいシステム。
「どうやったら生産効率があがるか」をリーダーたちに考えてもらい、むだな工程を省いて生産数アップに。

改革2 ☑納期を守れる、作業計画表1時間でどれくらい作れるか、この工程に何分かかっているのかを計測し、1日で作れる量をもとに作業計画表が完成。これによって納期の予測ができ、皆の意識が向上しました。

石出さん
「今まで別部屋で仕事をしていた工場長アミンさんが、このシステムを導入してからというもの工場の真ん中でメンバーの動きに気を配りながら仕事をするようになった、と聞いて嬉しくなりました。」

『皆、この子たちを想いながら仕事しよう』みえてきた、お客様の姿


—その結果、2週間で従来の3倍以上の出荷量を実現しました。
そのことについて「ファルクさんやアミンさんの指示なくしては成しえなかったことです」と控えめだった石出さん。
でも、現地での行動を聞いていくと、そこには、彼女らしい気の配り方が見えてきました。

石出さん
「アミンさんが皆に『お客様の立場に立った視点が必要だ』という話をしていたんです。
その時『もしかして工場の皆はお客様の顔が見えてないんじゃないかな…』って思って。
SNSをしているわけではないし、着用シーンなんて見たことないはず。
ならば当然“お客様のものを作ってる実感”って湧きづらいよなあって。」

工場で生産しているワンピース販売用のモデル撮影時の様子

「例えばこのスタイをどんな子が着けて、どんなふうに喜ばれているのか。今まで自分の目で見てきたものを皆に伝えたいって思った私は、日本のお客様の着用写真を工場に貼ってみることに。

するとそこには人だかりができて、すごく喜んで『かわいいねえ!!』って皆、笑顔になって。

『この子たちを想いながら仕事しようよ』って声も聞かれました。

その時の皆の表情をみて、

きっとこの工場はいい工場に変わる!お客様を想像してつくる商品こそ、一番いい商品になるはずって思ったんですよね。」

—ほかにもバングラデシュ語を少し覚え、お昼の時間は必ずコミュニケーションをとったり、挨拶は必ずひとりひとりにするように心掛けたといいます。

そうした彼女らしい歩み寄りによってできた信頼関係が積み重なり、皆の意識が変わった結果、それが3倍出荷できる体制づくりに繋がったのだと感じました。

社長は真逆タイプ?仕事を通して自分と向き合ってきた1年

—冒頭で少し触れましたが、そう、彼女は「新卒」
普通、新卒の社員を一人バングラデシュに送り込む?!なんてなかなか聞かない話…ですが、それをやっちゃうのがボーダレス。
彼女がボーダレスを目指した理由について聞きました。

石出さん
「もともと大学時代はカンボジアで教育支援をしているサークルに入っていました。
その活動の一環で1年間休学してカンボジアの貧困地域で教育の機会をつくる活動をしていたんです。
その活動で感じたのは、持続性という面でボランティアは本当の解決策でないということ。
この経験から自分の進路を『貧困問題をソーシャルビジネスで解決する』と定めました。

(カンボジアでのボランティア時代。)

石出さん
「はじめてボーダレスの人と話をしたとき、1年かけてずっと解決できなかった貧困問題に、こんなにも多くのアプローチをしていることが驚きで。
当時の私はもう目から鱗でしたね。
私は2年以内の起業を目指す起業家コースで採用されましたが、カンボジアでの経験があったのでボーダレスの事業会社で一旦“修行してから起業”する道を選択しました。」

—そうして実家のある千葉を離れ、福岡へ。修行の場として、サンモニを希望したのにはどんな理由が?

石出さん
「私の目標に近い志の事業だったというのが大きいですが、実はもう一つ…。私、人前で意見を言うことが苦手だったんですよ。
内定者研修のときにボス(代表 田口)から『黙る癖があるね、でもそれは直したほうがいいよ』って言われて。

自分の弱みを突かれて動揺しましたが、その時『意見がなくてもバンバン発言してくる超・積極的な人がボーダレスにいるんだよね』ってサンモニ代表の中村さんの名前が出たんです。

『その人はきっと、私といちばん遠くにいる“真逆”なタイプ。
でも、そんな中村さんのいる環境でこそ、修行させてもらいたい』と思って希望したんです。

—入社後は“真逆”なタイプ、中村さんによる“起業家にするための実戦の日々”がスタート。
営業にはじまり、催事の企画運営、オンラインモールの構築など、その業務は多岐にわたりました。
なかでも中村さんからの指示の方法に最初は驚いたといいます。

石出さん
「目指すゴールは与えられるんですけど、具体的な手順の説明はないんです。
どうすれば結果を出せるか、そのアプローチは自分で考える。
そうして練った考えを中村さんに持っていき、実現性や優先順位からブラッシュアップし絞っていく。
この“仕事の振られ方”によって自分と向き合うことができるので、少しずつ成長できているのかなと思っています。」

—とはいっても入社1年目。くじけそうになることもあったと思います。どうやって乗り越えてきましたか?

石出さん
「ボーダレスの文化は“悩むより聞く”。私のオフィスにはいろんな事業の先輩が沢山いるのですぐ聞いて解決し、悩まないようにしています。

あと、中村さんがたまにぽん、とビジネス書をくださるんです。
過去に読んだものだと思うんですけど、そこに書かれているテーマは私がまさにその時に陥っている(であろう)テーマだったりしてグッとくることも。そうして自分なりの答えを見出してまた前に進むようにしています。」

(中村さんにもらって随分読んだ、という『入社1年目の教科書』)

—最後に、今後チャレンジしていきたいことを教えてください。

石出さん
「今回の渡航を終え、やりたいことがもっと増えて自分のビジョンにも見えてきたものがありました。
近々、またバングラデシュに渡航しますが、次回は組織運営にチャレンジしたい。
工場長の下が横一列、という今の組織から、リーダー配置でもっと組織を整えて、もっといい工場にしなきゃってスイッチが入っています。

・ ・ ・ ・

『人前で自分の意見を話すことが苦手だった』新卒1年目の彼女が、一人バングラデシュに向かう—それは“自分の意見を言わないと何も始まらない”覚悟のステージだったはず。

でも、まっすぐな自分の想いとやり方で現地の人の心を動かしたこと。それが、日本で商品を待つ、たくさんのお客様に商品を通して幸せを届けられる結果に繋がりました。

【新卒ひとりでの初渡航で工場改革】この挑戦、第3号ホームランに認定です!



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