映画『笑いのカイブツ』公開記念!滝本憲吾監督×タナダユキ監督トークイベントレポート
主演:岡山天音×監督:滝本憲吾の最新作『笑いのカイブツ』の公開を記念して、1月20日(土)にテアトル新宿にて滝本憲吾監督と映画監督のタナダユキさん登壇によるトークイベントを開催いたしました。当日の模様をレポート記事としてお届けします。
タナダユキ「ツチヤに感情移入。”笑い”を”映画”に置き換えると泣けてくる」
寒空のなか劇場へと足を運んでくれた観客へ感謝を伝えながら、滝本監督と映画監督のタナダユキ氏が登壇。二人の出会いはタナダ監督作品『百万円と苦虫女』(08)。滝本監督が演出応援に入ったことから親交が続いているという。(以下、敬称略)
タナダ「エキストラの方に誰がどう指示を出すのかは非常に重要。人によってはストレスが溜まることもあるけど、滝本さんの演出は神がかっていました」と振り返り、続く『俺たちに明日はないッス』(08)に助監督として参加が決まったエピソードを披露。
滝本も「主演の岡山天音さんも別の現場で自分がエキストラに演出している姿を覚えてくれていました。演出はその人にあった言い方を瞬時に考えないといけない。基本は楽しんでいますが、そういう時は燃えてもきます」と名だたる監督たちから信頼を受けてきた滝本流の演出の極意を垣間見せた。
滝本監督の長編デビュー作でもある『笑いのカイブツ』を観た感想を問われたタナダは「これまでに3回観ました。面白かったです!」と太鼓判を押しつつ「人間関係が不得意なツチヤに感情移入しました。自分は少しマシかもしれないけど、映画の仕事は関わる人がすごく多いのでぐったりすることもあるんです」とツチヤに共感。続けて、「世の中には不要不急といわれる仕事を目指している人っていると思います。映画もその一つですよね。劇中ツチヤの台詞の『笑いなんて、無かったらええねん』という台詞の”笑い”を”映画”に置き換えて、観て泣けました」とツチヤの悲哀を絶賛。
これには滝本も「純粋に嬉しいです。タナダさんには観て頂きたいと思っていたので」とこれまで共に作品を作り上げてきたタナダの感想に笑顔で答えた。
適材適所!見事にハマったキャスティング
キャスティングについて話題が及ぶと、タナダは「いい映画って役者がみんな適材適所。本作は見事にぴたっとハマって素晴らしかった。岡山さんはもちろんですが、松本穂香さん演じるミカコも彼女じゃないとできない演技。菅田さんが居酒屋でツチヤを黙らせる時にグーで殴るシーンもリアルでした」と俳優陣についても絶賛。滝本「殴り方は、色々とバリエーションもあるなかで菅田さんから提案してくれたんです。(理屈ではなく)生理的にくる殴り方がいいのではと」と撮影裏のエピソードを明かした。
同じゴールを共有できていれば、言葉はいらない
急遽、来場のお客様からの質問を受け付ける一幕も。「仲野太賀さんが『スタッフが天音の演技に惚れていた』というエピソードをイベントで言っていたが、実際現場ではどうだったのか」という問いに、滝本「具体的にこの場面でそうだった、というわけではなく主演で出てくれている岡山さんとは常に”ゴールは一緒”で、言葉はいらない状態だった。急な変更などが現場で出てもすぐに理解してくれました」と監督やスタッフとの信頼関係を明かし、タナダも「仲野さんの言葉、すごくわかります。役者の演技にスタッフが心を持っていかれることがあると空気でわかるんです。仲野さんもその空気感を感じ取ったんじゃないですかね」と主演を務めた岡山天音の役者としての力量を絶賛。その後も話題はさまざまに広がり、大盛り上がりのなかイベントは終了した。
『笑いのカイブツ』あらすじ
笑いに人生を捧げるツチヤタカユキは毎日気が狂うほどにネタを考える日々を過ごしていた。念願叶ってお笑い劇場の小屋付き作家見習いになるも、愚直で不器用なツチヤは他人には理解されず淘汰されてしまう。失望していた彼を救ったのはある芸人のラジオ番組だった。番組にネタや大喜利の回答を送るハガキ職人として再びお笑いに人生をかけていた矢先、「東京に来て一緒にお笑いやろう」と憧れの芸人からラジオ番組を通して声がかかった。そんなツチヤは東京で必死に馴染もうとするが…。
テアトル新宿ほか全国大ヒット上映中!
sundae-films.com/warai-kaibutsu
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