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アスリートに最適な代替ミルクは?

牛乳はアスリートたちにリカバリー目的で愛用されている定番の飲み物です。たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウムなどの栄養素がバランスよく含まれている「高バランス食品」。でも中には牛乳アレルギーの人、乳糖を消化する酵素が少ない乳糖不耐症の人、環境負荷や倫理的な理由で飲めない人もいるかもしれません。

そこで注目を集めているのが、牛乳に代わる「代替ミルク」。植物性の代替ミルクは「第3のミルク」とも言われ、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルク、ココナッツミルク、カシューミルクなど種類も多様化しています。世界の乳製品の代替品市場は2019年の160億米ドル(約2.2兆円)から、2025年には410億米ドル(約5.6兆円)へと2.5倍に拡大する予測も出されています。

アーモンドミルクの伸びが豆乳を上回っている(出所:The vegan society

種類豊富な代替ミルクですが、身体リカバリーやパフォーマンス最適化を求めるアスリートにとってはどれがベストなのでしょうか? 今回はそれぞれのミルクに含まれる栄養価の内訳やメリットとデメリットなどをご紹介しましょう。

(出典)牛乳&豆乳:日本食品標準成分表2020年版(八訂)、アーモンドミルク:グリコアーモンド効果砂糖不使用、オーツミルク:アルプロオーツミルク砂糖不使用、ライスミルク無糖:USDA

豆乳

豆乳は大豆または大豆たんぱく質分離物から作られ、栄養面で牛乳の代替品と言われています。たんぱく質の量はほぼ同じですが、カロリーや脂肪、炭水化物は約3/4から半分。大豆にはすべての必須アミノ酸が含まれることから、完全なたんぱく質源と言えます。また、低ナトリウムでLDL(悪玉コレステロール)を減らす効果があります。

ただし大豆は植物性エストロゲンと考えられているため、多飲するとホルモンバランスに影響を与える可能性も指摘されています。また、代替ミルクの中では最も脂肪分が高くカルシウムが低いため、カルシウムは別の食品から摂取する必要があるでしょう。大豆アレルギーの人は避けて下さい。

アーモンドは抗酸化作用のあるビタミンEの天然源

アーモンドミルク

アーモンドミルクは基本的にアーモンドと水で作られます。通常の牛乳の味よりも薄く、アーモンドの風味が際立っています。乳糖を含まないため、乳糖不耐症の人は安心して飲むことができます。このほかマグネシウム、セレン、ビタミンEが含まれており、骨の健康増進、抗酸化作用、免疫系と代謝のサポートに効果があります。濃縮アーモンドミルクなどの場合は、リン、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄、銅などのミネラルが豊富に含まれているものもあります。

アーモンドミルクは低糖質でコレステロールゼロ、低カロリー。そのため、減量などカロリー摂取量の制限が必要なアスリート向けといえるでしょう。たんぱく質を摂取したい人にはお勧めしませんが、カロリーを増やさずにプロテインシェイクにクリーミーさを加えたいなら問題ないでしょう。ただしナッツアレルギーの人は注意が必要です。

オーツはアレルギーフリーで食物繊維が豊富

オーツミルク

穀物のオーツ麦と水から作られるのがオーツミルク。アーモンドミルクと栄養面で似ていますが、よりカルシウムが多いほか、水溶性食物繊維のβ(ベータ)グルカンが豊富なのがオーツミルクです。グルテン、ナッツ、大豆など一般的なアレルゲンをほぼ含まないため、アレルギー性の人向けと言えるでしょう。

残念ながら、牛乳ほど栄養密度は高くありません。カロリーも炭水化物も多い一方で、たんぱく質やビタミン、ミネラルは少なめなので、それらはプロテイン摂取や野菜などの食物から摂取する必要があります。 製造過程で、味と貯蔵寿命を改善するために砂糖と防腐剤が添加されることがありますので、品質ラベルをよく見て購入することをお勧めします。

ライスミルク

お米や玄米から作られるのがライスミルク、さらっとした口当たりで、お米が本来持つ甘みが特徴です。コレステロールはゼロで、ミネラルやビタミンBが豊富です。カロリーと炭水化物が多い一方で、たんぱく質が少ないため、やはり別途プロテイン摂取は必要になるでしょう。乳糖不耐症や大豆アレルギーの人向けといえますが、でんぷん質のため飲みすぎは糖分過多になる可能性もありますのでご注意ください。

ライスミルクの製造法には、米粉をろ過し油と塩を加える方法と、発酵させて酵素で分解してオリゴ糖にする方法の二種類があります。オリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌のエサと言われますので、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。ただし、ライスミルクは国内ではまだあまり一般的ではありません。今手に入る、原料や製法にこだわっている商品ほど他のミルクより割高になるのがデメリットです。

牛乳

最後に定番の牛乳について。牛乳にはたんぱく質(人間の食事に含まれるすべての必須アミノ酸を適切な割合で含む全たんぱく質)、カルシウム、動物性食品にのみ自然に含まれるビタミンB12が多く含まれています。主な欠点は、カロリーと脂肪分が高いこと、植物性ミルクに比べて環境負荷が大きいことです。

一般的に牛乳といっても、実は「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」などに分類されています(日本乳業協会)。米国のスポーツ界では、激しいワークアウトの後に傷ついた筋肉を素早く回復させ、汗で失われた水分や重要な栄養素を補給するのに役立つとして、無脂肪のチョコレートミルクが推奨されていたりもします。

まとめ

アスリートの場合、疲労回復成分のたんぱく質やビタミンBが多く含まれている牛乳や豆乳がベストな飲み物ですが、乳糖不耐症や食物アレルギーの人は植物性代替ミルクを試してみたうえで、自分の身体に一番適したものを選ぶと良いでしょう。それぞれ栄養成分や風味や味が異なり、メリットとデメリットがあります。

ポイントは、無糖のもの、増粘剤などの添加物がなるべく含まれていないものを選ぶこと。そして不足している栄養素は、プロテインドリンクや、たんぱく質やビタミンなどを多く含む食品から摂取することをお勧めします。

参考文献

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