見出し画像

バルセロナの街クラブで指導者をしていて感じたスペインの課題と伸びしろ

noteの更新をサボってから、早2ヶ月ちょっと。

色々やることが増えてきて、優先順位下がってましたが
文章を書きたい欲が湧いてきたので
久しぶりに更新します。

今回の内容はワールドクラスなお節介話。
スペインサッカー界の誰にも届かないと思いますので、忖度なしに書いていきます。(小声)

今回の記事は日本のヒントにもなるなと個人的に思いました。
共感してくれる人に届いてたら嬉しいです。


多感な中学生年代は世界共通

さて、現在、私は
C.E.VilaOlimpicaというバルセロナの街クラブで
Cadeteの1年目とInfantilの2年目のチームでコーチをしております。
日本の学年に置き換えると
中学2年生と中学1年生の世代です。
(※4月からは新中学3年生と新中学2年生)


思春期
反抗期
成長期
中2病
心身の発育・発達の真っ盛り

スペインのバルセロナにおいても同様で
大人になっていく過程の世代。
多感な時期の彼らと接しています。

グラウンドの隣にはビーチバレーコート。TR前のフィジカルはここでやります。


外に出て気づく日本の素晴らしさ

少し話は変わって、
日本からスペインに移住して感じることが多々あります。
日本の便利さや安全、清潔感、社会常識やモラルの基準の高さ、
美味しい食事、安くて質の高い製品、きめ細やかなサービス、

海外に出ることで
日本の良いところを再確認、痛感しました。

自分も日本にいる時によく、
海外を知る人が
「日本の良いところはたくさんある」
「日本はガラパゴスだ」
「日本は・・・・」
という文脈の話をメディアやSNSに見聞きしてきましたが、
海外で生活する今、「まさに」と体感しています。

外に出て視点が変わると
見え方が変わる。

一見、当たり前なことですが、
自身が当事者として体験すると
感じ方の深さが違う。

外に出ないと気づくことはできないことがある。

そんなように思います。


日曜日。時間通りに来る電車に出会ったことがない。


「世界一のサッカー環境」

さて。
また話が変わり、スペイン・バルセロナのサッカーについて。

バルセロナと日本以外は大して知りませんが、
「バルセロナのサッカー環境は世界一だろ」
と断言してしまいたいほどに
バルセロナのサッカー環境は充実しています。

どこに行っても人工芝のピッチ。
シャワーのついたロッカールーム。
観戦用のスタンドは声援で溢れ、グラウンド併設のバルでは練習や試合の後に家族と食事もできる。
ハーフタイムにスプリンクラーで水が撒かれることもある。


毎週末開催されるリーグ戦は、
競技力の同じレベルにチーム同士の対戦。
ホーム&アウェイで年間30試合。
夏はシーズンオフで炎天下での試合は無い。

試合会場にはスカウトも多く訪れ、
力のある選手は上のレベルのチームに引き上げられていく。
ステップアップのチャンスはいつも、そこにある。

指導者も同じような環境。
それ故に、指導者の成長意欲や熱量も高い。
専門学校のようなコーチングスクールに通いライセンスを取得した監督が全チームにいて選手たちを指導する。


このような環境を支えるのは
受益者負担ではなく
行政や地域の企業スポンサー。
つまり会員費は安く設定されている。
指導者はボランティアベースで交通費が少しもらえれば良い方。

立派なスタジアムでの中学生年代のリーグ戦。


この最高な環境で
最も利益を得ている人。

それは「選手」です。

スタジアム、リーグ制度、指導者レベル、スカウト・・・
自分が世界最高クラスのサッカー環境でプレーしているということは
もしかしたら、
外に出ないと気づくことはできないのかもしれない。

日本人の良いところ=スペインで物足りないと感じるところ


私は11年間、日本で指導経験を重ねてきました。

公営施設が運営する未就学児向けのサッカースクール
有数な進学校の中学サッカー部
将来プロとなる選手と関わった街クラブのジュニアユース
立ち上げたばかりのユースチーム
ジュニアユースチームのゼロイチ
小学生のクラブチーム、サッカースクール
それぞれの目的が異なる大学サッカー部
Jリーグを目指す社会人クラブ

などなど、様々なサッカー環境で指導を経験してきましたが、
バルセロナの街クラブは
そのどこよりも環境が素晴らしい。

日本人の誰もが羨む環境であると言えます。


世界的なプロクラブとの対戦のチャンスがあることが当たり前の環境



ここで
日本人の良いところを列挙していきます。
・最後まで走り切る
・諦めない
・チームのために行動する
・限界や理不尽に挑戦しようとする
・規律を重んじる
・謙虚に振る舞う
・他人をリスペクトする
・目上の人を敬う
・努力を惜しまない
・自己犠牲ができる
・我慢強い
・忍耐強い
・継続力がある
・責任感がある

などなど
どれも集団行動には欠かせない要素です。

いつもこのような行動が取れなくても
少なくとも、一般常識・モラル・社会通念として
これらの行動は「あって然るべきこと」と捉えられているかと思います。

サッカーにおいても同じで
サッカー環境が世界一でなくても
このような行動や振る舞いをピッチでできる
ことは
非常に素晴らしいことです。

ある意味、当たり前かもしれませんが
それは外に出ると当たり前ではない。

日本人の持つポテンシャル、半端じゃないです。

もし、スペイン・バルセロナ並みのサッカー環境が
日本に整った時、
世界中のどの国が日本人に勝てるのか。
そう思います。

もちろん、人種による骨格の違いやそれに伴うフィジカルレベルの違いが
出てくると思いますが
集団スポーツへの取り組みや人間としての向上心や規律の面ではどうでしょう?

社会人9部の試合。控えめに言って過去最悪な内容。
乱闘、不正、反則、カードの嵐。


なぜこのような話をするのか。

ここからが本記事のメインです。

スペイン・バルセロナで見る選手たちは
日本の選手に比べて圧倒的に先ほど列挙した事柄が足りません。
圧倒的に足りていないと強く感じます。

文字にはしませんが、
先ほど列挙した事柄の対義語がスペイン・バルセロナの選手たちの特徴です。

簡単に言えば
「もっとやれるだろ」「もっと頑張れよ」
という話です。

日本人の誰もが羨む環境ということを
世界一とも言えるサッカー環境であることを
選手は理解しているのか。

(※ワールドクラスなお節介、ご了承ください)

もちろん、日本人に比べて、
スペイン・バルセロナの選手たちが持っていることも多く存在します。

サッカー理解
プレーアイディア
幸せの感度
自己主張する力
自律・自立
表現力
パッション
・・・
いくらでも出てきます。

ただ同時に、
スペイン・バルセロナの選手たちに足りない部分も分かってきました。

日本のサッカー環境に慣れ親しんだ者からすると
「こんなに素晴らしい環境があるのだから、、、」
と、考えてしまいます。

逆に言えば、
バルセロナでプレーする選手たちが
ピッチで諦めずに最後まで走り、謙虚にチームのために戦い、
我慢強く、忍耐強く、自己犠牲を継続することができたら
とんでもないチームが完成するのではと感じます。

これがスペインの伸びしろ。

日本人のプレーを見て、
彼らがそれに気付く日が、来るのだろうか。
来てほしいような、来ないでほしいような。。

関わっている多感な時期を生きる選手たちに
自分は伝えられるのだろうか。

サッカー大国スペインでもまだまだ伸びしろがある。

それであれば、日本はさらにもっと伸びしろがあるはず。

そんなことを思います。

世界最高の環境で指導者としてグラウンドに立てていることの幸せを噛みしています。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

記事を気に入って頂けましたからぜひサポートお願いします😊バルセロナでの活動費に活用させて頂き、さらに質の高い記事を投稿できるようにしたいと思います‼️