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U-17W杯 日本vsスペインざっくり戦評&バルサカンテラーノの考察

U-17ワールドカップ ノックアウトステージ初戦の日本vsスペインのざっくり戦評と
今大会のスペイン代表のバルサ所属選手について
書いていきます!


試合概要

FIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023 ノックアウトステージ初戦
グループステージを2勝1敗の3位で通過した日本代表は、インドネシアのスラカルタに位置するマナハン・スタジアムでU-17スペイン代表と対戦した。

両チームのスタメン

日本の先発メンバー
GK 1 後藤 亘(FC東京U-18)※FC東京 2種登録
DF    17 柴田 翔太郎(川崎フロンターレU-18)
         3 小杉 啓太(湘南ベルマーレU-18)
         4 土屋 櫂大(川崎フロンターレU-18)※川崎フロンターレ2種登録
         5 本多 康太郎(湘南ベルマーレU-18)
MF   6 山本 丈偉(東京ヴェルディユース)※東京ヴェルディ2種登録
         7 中島 洋太朗(サンフレッチェ広島F.Cユース)※サンフレッチェ広島内定
         13 吉永 夢希(神村学園高)※ヘンク(ベルギー)内定
         10 佐藤 龍之介(FC東京)
FW   14 名和田 我空(神村学園高)
         16 井上 愛簾(サンフレッチェ広島F.Cユース)

交代出場選手
FW   11 高岡 伶颯(日章学園高)
MF   8 矢田 龍之介(清水エスパルスユース)※清水エスパルス2種登録
FW   9 道脇 豊(ロアッソ熊本)
FW   15 徳田 誉(鹿島アントラーズユース)※鹿島アントラーズ2種登録
DF    2 松本 遥翔(鹿島アントラーズユース)※鹿島アントラーズ2種登録


スペインの先発メンバー
GK   1 Raul JIMENEZ(Valencia CF)
DF   2 Hector FORT(FC Barcelona)
        3 Dani MUNOZ(CA Atlético Madrid)
        15 Andres CUENCA(FC Barcelona)
        5 Pau CUBARSI(FC Barcelona)
MF  6 Pau PRIM(FC Barcelona)
        7 Pablo LOPEZ(Valencia CF)
        10 Juan HERNANDEZ(FC Barcelona)
        18 Quim JUNYENT(FC Barcelona)
        19 Daniel YANEZ(Real Madrid CF)
FW  9 Marc GUIU(FC Barcelona)

交代出場選手
FW  17 Oscar MESA(Real Madrid CF)
MF  12 Igor OYONO(Villarreal CF)
MF  20 PAULO IAGO(Real Madrid CF)
MF  16 Marc BERNAL(FC Barcelona)
FW  8 Roberto MARTIN(Real Madrid CF)


日本は出場4大会連続でベスト16で敗退となった。

フルマッチ映像はこちらのURLでご覧いただけます!


ざっくり戦評

スペインは
両CB、右SB、ピボーテ、両インテリオール、センターフォワードの7人が
バルサ所属というスターティングメンバーでキックオフ。

配置はもちろん4-3-3。
セット守備時には左インテリオールの10 Juan HERNANDEZが
9 Marc GUIUとともに横並びになる4-4-2となっていた。

勝ち点6で迎えたグループリーグ最終戦で控え組を多く起用したスペインは
比較的にフレッシュなコンディション。

対する日本はグループリーグ最終戦から2人のみを入れ替えた陣容。

4-4-2をベースに、攻撃時は右SHの10 佐藤 龍之介がフリーマンとしてプレーし
中央よりにポジショニング。
空いたスペースにRSBの17 柴田 翔太郎が高い位置を取り
保持時は3−1−4−2ないし3-4-1-2のような配置バランスとなった。

右サイドからの攻撃回数が多かった印象で
同点となる14 名和田 我空のゴールも右サイドでのボール奪取が起点となった。

日本のセット守備は自陣での低いブロックからのプレッシング。
森山監督の試合前のコメントにもあったと通りのミドルゾーンからのプレスで省エネ戦法であった。
あくまでも、敢えてスペインにボールを持たせているという体裁。

固い守備ブロックでスペインのボール回しを引っ掛けて
ショートカウンターというのが大きな戦略の流れ。

日本はボールを奪ってからワンタッチ(少ないタッチ)で素早く前線へボールを供球。

テンポ良く前方へターン。そして縦パス。
ハマれば脅威となるが、
味方同士で意図が合わない場面や相手の狙いを読み取れきれていない場面もよく見られた。

スペインは
ショートカウンターを警戒してか
日本のファーストライン(FWのプレス)を超えるタイミングでの
インテリオールの足元でのサポート(保持のためのサポート)が秀逸であった。
これは日本のダブルボランチはなかなか捕まえきれず。
サイドバックの高さを取るポジショニングも組み合わさり、
ボールを奪うきっかけを自分たちから上手く作れなかった印象。
(しかし日本にとっては織り込み済みなのかもしれない)

特に右サイドは
RSBの2番Hector FORTとRWGの19番Daniel YANEZによる
幅とライン間のローテーションは
日本にとっては厄介であった。


ピボーテ6番Pau PRIMがCB脇に降りる形でボール保持するシーンも
前半はよく見られ、
ショートカウンターの軽快の色が窺えた。

それでも前半は1−1で終了。


スペインは後半から右WGにタイプの違う選手を投入。
パワフルでスピードのある突破系。
12 Igor OYONO(Villarreal CF)
現在15歳だというから驚きである。

と思ったら途中でまた違うタイプの選手が右サイドの投入。
20 PAULO IAGO(Real Madrid CF)
これまた良い選手。左利きの技巧派。
ボールを持つといちいち相手と正対するので
守る方としては非常にやりづらい。
途中出場以降、攻撃の起点となった。

日本の左SBの3番 小杉 啓太(湘南ベルマーレU-18)は
様々な対応を迫られ大忙しであったが、
経験としてはこの上ない状況であったのかもしれない。


お互いに疲労もみえる中での後半であったこともあり
9 Marc GUIUの献身的なプレッシングが非常に目立った。

バルサのトップでのインパクトのあるデビューが記憶に新しい彼であるが
この試合でも決勝点を生み出した。


決勝点は日本が相手陣内深くまでプレーした後。

前線でのボールロスト後のセット守備への移行のタイミング。
素早く陣形を整えていたが、この時ばかりは出遅れてしまった。
隙を逃してくれないスペイン。

日本のDFラインの設定がまだ高い段階で
インテリオール18番 Quim JUNYENTが日本のブロック外に降りて受ける。
高いDFラインの背後を9 Marc GUIUが突いてGKとの1対1に持ち込む得意な形で
日本を沈めた。

終盤はお互いに選手交代。
疲労もあり、コンパクトにならず切り替えの多い展開に。

フィニッシュゾーンでの精度に欠く日本。

ボール保持で上手く時間を使うスペイン。

タイムアップ。

若き日本代表のこの大会での世界への挑戦は
ベスト16で幕を閉じた。

スペイン代表のバルサ所属選手について

今大会のスペイン代表にはバルサ所属選手が合計8人召集されている。
バルサの選手に変わり、同じポジションにバルサの選手が投入される
という事象も発生している今大会。

そして特筆すべきことは
この世代はスペインA代表にも名を連ね、トップでも活躍している
ラミン・ヤマルも該当するということ。


バルセロナに在住していて、毎週バルサのカンテラに試合観戦をしている自分としては
そんなバルサ所属の選手たちに注目せざるを得ない。

今シーズンのバルサでの彼らの出場記録をざっと調べてみた。


2 Héctor Fort
8試合出場(658分) バルサB
1試合出場(90分)  フベニールA

5 Pau Cubarsí
7試合出場(618分) バルサB

15  Andrés Cuenca
7試合出場(630分) フベニールA

16  Marc Bernal 
8試合出場(658分) バルサB

6  Pau Prim
4試合出場(26分) バルサB
4試合出場(360分) フベニールA

18  Quim Junyent 
6試合出場(269分) フベニールA
4試合出場(352分) フベニールB

10  Juan Hernández 
9試合出場(571分) フベニールA

9  Marc Guiu
2試合出場(26分) トップチーム
2試合出場(20分) バルサB
5試合出場(441分) フベニールA

バルサB(BARCELONA ATLÈTIC)はスペイン3部リーグに所属しており
現在(11/24時点)は5位。
フベニールAというチームはいわゆるユースAチーム。
カタルーニャ州のトップリーグに所属に現在(11/24時点)の順位は3位。
フベニールBはいわゆるユースBチーム。
カタルーニャ州のトップリーグに所属に現在(11/24時点)の順位は3位。

これだけスペインの世代別代表を擁しながらも
リーグで首位に立てていないことから
カタルーニャ州のレベルの高さがわかる

なぜ、出場時間を洗い出した理由は
どのカテゴリーの試合を観に行けば
彼らのプレーを観れるのか知りたかったから。

そして出場時間を眺めていて思うことは
どの選手もカテゴリーは様々ながら
出場時間はある程度均一であること。

上のカテゴリーに飛び級しても出場機会が得られるのか。
得られない場合は下のカテゴリーで出場機会を担保する。

そんな意図を感じる。


そして、得点シーンを見ると
息のあったプレーが随所に感じられる(言葉にすると薄っぺらいが)
ものの、
今シーズンに関しては彼らは同クラブに所属しているものの、
常に一緒にプレーしているわけではないということもまた事実。

クラブの一貫したコンセプトが色濃く根付いている証とも
言えるだろう。


ただ、同時に各リーグで、特にユースリーグで
これだけの選手たちを擁しながら3位に留まっている事実もまた興味深い。

引き続き、バルサのカンテラは現地で追っていきたいと思います。


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