嘘がつけない自分の嘘の吐き方
誠実なわけでも、正直なわけでもない自分は、なぜか嘘をつくことができない生き物です。
「あの人ってどう思う?」
のような質問にも、「言ってもいい範囲である人」にはある程度話してしまいます。感覚的に「この人には言っても大丈夫」というのが割りと合っているので、人間関係が面倒になることはなかったのですが……。
それに加えて、自分は本心を話すのが苦手であったり、相手の表情を窺ってしまったり、態度を見て委縮したりと……。
人間社会で生きていくには、なかなか生活しにくい性格をしております。
そこで、自分が出した答えは――――――
「自分は嘘がつけない」
なら、嘘をつかないように自分を納得させる材料を用意する。
例えば、「人として尊敬できない上司」というのが会社ではよく見かけると思うんですけど、そういう人との会話を例として使ってみます。
まずは状況、場面をイメージしますね。
1,上司の仕事を自分がしなければならなくなったとします。
2,上司は他の仕事を、自分は上司の仕事を手伝います。
3,上司に「俺の仕事を手伝えるんだから、逆に感謝してほしいわ」と言われるとしましょう。
こういう時って、「なんで手伝ってるこっち側が、お前に感謝しないといけないの?」という感情の方が強いと思います。
(上司との関係性、仲がいいとかなら別なんですけど、今回は嫌いな上司という前提で書いていきますのでご了承ください。(_ _))
自分が抱く感情としては、
「手伝っているのはこちらであり、上司が手一杯なので仕方なくやっている。上司と部下なので、感謝される側でもなければ感謝する側でもない」
と思ってしまうのです。
ただ、それをそのまま伝えれば、上司は不機嫌になるかもしれないし、怒るかもしれないし、イライラして仕事をしなくなるかもしれない。
自分が上司に対してどういう行動をとれば、お互いにスムーズに仕事をできて、気分を悪くすることもないのかを考えます。
自分が素直に言った時のリスク→上司がイラつく、怒る、仕事を放棄する、その分の仕事がまた自分にくる、上司との関係が面倒になる。
つまり、素直にさらけ出すと職場での今後のやり取りや仕事内容に支障がでるかもしれません。それでは、自分が無駄な仕事をしたり気を使ったりしないといけなくなります。
結果として、「余計に面倒くさい出来事になる」のです。
かと言って嘘をつくことはできない。
なら、どうするのか。
この場合だと、「現状、自分にメリットがあるように思わせる」ことが手っ取り早いかと思います。
上司が手一杯で手伝わされている仕事。ですが、将来的には「自分もそれをしなければならない可能性」があります。
つまり、上司よりも早く未来の仕事ができるということ。
部下である自分は、上司の仕事で分からない部分があれば聞くことが出来る。
これはつまり、「自分のステータスを上げられるチャンス」だと、捉えることもできますよね。
なので、
「上司の仕事を手伝っているのに、なぜこちら側が感謝しなければならないのか」
と、無駄なストレスを溜め込む必要はありません。
それよりも、
「別に上司への感謝はないけれど、上司の仕事を手伝うことで、自分のスキルが上がるなら」
と、考えた方が気楽でストレスも軽減されるかと思います。
心の中では、
「自分の仕事が間に合ってないから手伝わせているくせに、なぜ上から目線で『俺の仕事を手伝えてよかったな』みたいな言い方なんだ。こんにゃろう」
と思いつつも……それをこのように塗り替えます。
「まぁ、自分が上司の立場になった時に、今この場で上司の仕事を少しでもしている方が、将来的に楽だよね。上司に対してじゃなく、上司の仕事が部下である自分ができる環境に対して感謝しよう」
なので、自分のスキルアップのために仕事を振ってくれた上司に、
「ありがとうございます」
と言えるんですよね。
感謝の言葉の奥に隠された意味なんて、上司は分からないですから、「ちゃんとお礼が言える奴だな」みたいに思ってくれるかもしれません。
まぁ、会社、環境、個人、気分……と、人間は面倒くさいのでその時々に合わせるしか方法がないので難しいですね……。特に感情論だけで怒る人とかは本当に苦手というか嫌いです……。
と、話が逸れかけましたが……。
こうして、自分が行動をする前に「メリット」と「デメリット」を天秤で見比べたり、「自分の行動の先」になにがあるのかを考えて行動してみる。すると、人間関係なんて表面上はなんとかできるものです。
「嘘がつけない自分の嘘の吐き方」というと、ちょっと語弊が生まれるかもしれませんね……。
「自分が嘘をつくときの方法」くらいでよかったのかな。
でもまぁ、このままでいくとします。
別に誰かと戦わなくても、言葉の解釈や表情を使えば、適当にやり過ごすことは出来ます。
いちいち何かにイラついても、自分の時間が無駄に減っていくだけ。
なら、イライラしないように避けて歩けばいい。
障害物は超えなくても、横を通れば問題ないし、別の道を探せばいいだけなのです。
全員が全員、同じ価値観でもなければ考え方を持っているわけでもない。
個人に合った生き方を、まずは探し求めることが優先されるべきことかなと思います。
人を変えることはできないけれど、誰かの心に刺さるように、私はこれからも続けていきます。いつかこの道で前に進めるように。(_ _)