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モノづくりが好きなのか、モノを作って有名になりたいのか

前職の後輩と細々と酒盛り。仕事の話などをしながら、ほぼ確信を持って「〇〇さんと(社内で)付き合ってるよね?」と矢を射てみる。矢が当たる。「絶対に誰にもバレてないと思ったのに、何で辞めた先輩にわかるんですか」と驚かれたが、結構自信があった。スルーすることもできたけど、どちらかと言うと「触れてくれ」と言う空気に満ち満ちていたのであえて触れた。とはいえ、付き合う一歩前の2人をかぎ分けられるというミーハーで下世話な特技は何の役にも立たない。特技といえば、前職が携帯販売員だったのでスマホのフィルムを貼るのだけは得意、だと思っていた(実際当時は得意だった)。でも、最近機種変更してフィルムを貼ったら普通に下手になってて萎えた。何事も継続しないと技術は保てない。悲しい。おなじく最近すすめられてゼルダの旧シリーズに初めて挑戦しているのだが、ゲームど素人の私でもちゃんと継続してたらちょっとずつ上手くなってきた気が…。ということで、ゼルダからも続けることの大切さを実感している最中である。

アラサーに突入してから、恋愛話を抜きに誰かと飲むことがほぼなくなった。もちろん仲の良いメンツなら進捗報告も楽しいものだが、世間話としてのこの手の話題はゆるくHPが消費されていく。そのたびに思うのは、正直「めんどくせー!」。なのに、「もうこの話飽きたよね?」とはどうにもいえない。そしてこの手の話(結婚・出産トーク)でいつも考えてしまうのが、“誰もが手っ取り早く何者かになれる手法”が結婚・出産なのではないかということ。人と違う自分だけのものを持った自分、誰かに求められたいという自分。それを承認してもらえる公式の場が恋愛……何でしょう?と急所を刺したくなるのをグッと抑える。というか、そんなことを言う権利はそもそも私にはないし。でももう少しだけ言うなら、朝井リョウの「スター」で『モノづくりが好きなのか、モノを作って有名になりたいのか』というなかなかパワーワードな、そして一部のクリエイターが死にそうなセリフを読んだ時にも同じことを思った。自分だけの特別な玉座への探求心。自分にも全くないと言ったら嘘になるが、その他人の温度の高さに触れた瞬間、ちょっとキツくなるときがある。フリーランスになって、いろんな働き方の人をインターネットで見かけるようになったが、そんな中で、いろんな実績の在り方を見ているうちに「文章を書きたい<有名になりたい」人は多いものなんだなと思う瞬間もあったり。文章を書きたい、絵を描きたい、と言うよりは“ぶっちゃけツールは何でも良くて有名になりたい”。別にそれが悪いこととは思わないが、欲が透けて見える瞬間にワクワクするときめきは感じられない。少なくとも私は。

最近は、ドラマ「だが、情熱はある」を毎週楽しみに見ている。人の面白さが作られる過程を見ている気分になれるから好き。山ちゃんや若林ほどではなくても、同じような事例は世の中に溢れている。イケメン・美女は努力をしなくてもチヤホヤされるから、デートプランや中身で必死の努力をしなくても幸福を掴めてしまう…とか。私も可愛い子は大好きだし、友達にも多いけど、やっぱり最後の最後まで大事にしたいと思える人たちは、あのドラマみたいな泥臭く何かに負けたくないと思える人間なのかも、と毎週思わされる。負けた人間、持ってない人間だからこその強さという輝きみたいなものを一生愛していたい。負けるが勝ち。嘘つくくらいなら、負けっぱなしでいいよ。



2023.5.21
すなくじら

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