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二度目の「ドライヴ・マイ・カー」|日記|2022/3/26

三月二十六日(土)

京都河原町で遊んだ一日。

まず朝の軽食を食べに小川珈琲に寄る。店内に入ると、シンプルかつスタイリッシュな内装が目を引いた。奥には自然を感じられる内庭があったり、所々に和の要素も紛れていた。ランチにはまだ早い時間帯に来たので、店内はそれほど混んでいなかった。メニューはQRコードを読み取る仕様で(これもスタイリッシュだ)、モーニングメニューから「炭焼きトースト 糀バター」のセットを注文。トーストは京都産小麦食パンと全粒粉食パンの2種類から選べて、京都産小麦食パンを選択した。もっちりとした食感と濃厚な穀物の香りが最高で、それに糀バターをつけて食べた。このバターは単体で食べれるぐらい甘味もあって軽やかな味わいだった。コーヒーはオーガニック ハウスブレンド 011 ダークを注文した。深い苦味に体が癒される。ただコーヒーの提供が遅く、店員が持ってきてくれた時にはすでにトーストを半分以上食べてしまっていた。

その後、ABCマートで靴を見た。コンバースの靴をいくつか見て回る。人生で一度もコンバースの靴を履いたことはないけれど、デザインが可愛くて好きだ。モノクロのシンプルな服に黄色や赤など鮮やかな色のコンバースはとても合うだろうなと思う。

昼ご飯は「錦 おぶや」で出汁茶漬けを食べた。鮭尽くしを注文。出汁の旨みにほっこりさせられつつも、いくらのプチプチとした食感としょっぱさが良いアクセントになってとても美味しかった。

昼食後は京都シネマでドライブマイカーを鑑賞。原作の村上春樹「ドライヴ・マイ・カー」のテキストを軸に、様々な要素をふんだんに取り入れた上映時間三時間の超大作。今回で観るのは二回目。前回は去年の八月に観た。前回とは違い、村上春樹「女のいない男たち」やチェーホフ「ワーニャ伯父さん」など映画に関係するテキストを全て一通り読んで臨んだのだけれど、今回も消化しきれなかった。登場人物たちの関係性が複雑すぎて全てを捕らえることができない。ただこの作品から最愛の人の他者性とどう折り合いをつけていけば良いのか、その答えのようなものを感じ取れた気がする。車中での岡田将生の迫真の語りが印象深い。

「でもどれだけ理解し合っているはずの相手であれ、どれだけ愛し合っている相手であれ、他人の心をそっくり覗き込むなんて、それはできない相談です。そんなことを求めても自分がせつなくなるだけです。しかしそれが自分自身の心であれば、努力さえすれば、努力しただけしっかり覗き込むことができるはずです。ですから結局のところ僕らがやらなくちゃならないのは、自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか。本当に他人を見たいと望むなら、自分自身をまっすぐ見つめるしかないんです。僕はそう思います。」

あのシーンは、作中ユナとジャニスの広場での演技と同じように何かが起きていたのだと思う。

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