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園庭づくりを通して

現在、新しく開園する保育園の園庭づくりに携わらせていただいております。その中で、私が園庭づくりをするときに心がけている事があるので、本日はその内容を記事にさせていただきます。

文部科学省が平成24年に発表した「幼児期運動指針」の中で平成19年度から21年度に実施した「体力向上の基礎を培うための幼児期における実践活動の在り方に関する調査研究」において、体を動かす機会の減少傾向がうかがえる結果であったことが発表されています。

幼児にとって体を動かして遊ぶ機会が減少することは、その後の児童期、青年期への運動やスポーツに親しむ資質や能力の育成の阻害に止まらず、意欲や気力の減弱、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できないなど、子どもの心の発達にも重大な影響を及ぼすことにもなりかねません。

このような状況を踏まえ、保育園事業においても、主体的に体を動かす遊びを中心とした身体活動を、保育の中に確保していくことは大きな課題であると私は考えています。保育園に通う幼児期は、生涯にわたって必要な多くの運動の基となる多様な動きを幅広く獲得する非常に大切な時期であると考えられている為、日々の保育の中にその動きを取り入れた活動ができる園庭環境が望まれます。

そのため、私は園庭に
(1) 体力・運動能力の向上(2)健康的な体の育成(3)意欲的な心の育成
(4)社会適応力の発達(5)認知的能力の発達

の役割を果たすよう、バランスよく達成するよう設計をするようにしています。

また、

幼児期において獲得しておきたい基本的な動きには、
大きく分けて3つあると言われており、

まず、主に「体のバランスをとる動き」といわれる
立つ・座る・寝ころぶ・起きる・回る・転がる・渡る・ぶら下がる

「体を移動させる動き」といわれる
歩く・走る・はねる・跳ぶ・登る・下りる・這う・よける・すべる

「用具などを操作する動き」といわれる
持つ・運ぶ・投げる・捕る・転がす・蹴る・積む・掘る・押す・引く

が挙げられるのですが、その基本的な3つの動きをすべて獲得できる遊具として

「築山」と「砂場」

を提案するようにしています。「砂場」は他の記事でも散々語っているので割愛しますが(詳細をご覧になりたい方は以下の記事をご参照ください)

「築山」は固定概念にとらわれずに様々な動きができる、汎用性の高い素晴らしい遊具で、自宅や近所の公園遊びの遊具などでは取り入れることのできない動きも獲得でき、より四肢を丈夫にして強い体や心を形成していってくれます。

また、崩れない築山をつくるためには植栽が不可欠になりますので、自然豊かな園庭環境にすることで、四季を感じたり、そこへ虫や鳥がやってきて、あそびの環境から学びが生まれます。花が咲いたり、実がなったりすれば、おままごとの材料にもなります。

過去には、サッカーをするスペースが欲しいという現場の声や、危ないので平らな園庭にして欲しいという保護者の要望もたくさん寄せられました。ですから、そこは無理やり進める事はなく、園庭あそびで何をさせたいのか、理念や現場の声を聞きながら、丁寧に話し合いを重ねながら組み立てていきます。

現在、関わらせていただいてる保育園は本当に先生方が素晴らしく、素敵な園庭ができると今からワクワクしています。

・・少し長くなってしまったので、今日はここまでで。
保育園の園庭にも素敵な物語がたくさんあることを知っていただけたら幸いです。


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