見出し画像

私は就職ができない06_スーツの件

【前回までのあらすじ】
リクナビエージェントに愛想を尽かされた私は、ギークリーに希望を託すべく、登録のためにオフィスを訪れることにした

フリーランスから正社員に戻るとき、人はいくつかの困難に打ち勝つ必要がある。転職活動中、入社後に直面するであろう困難は、例えば以下のようなものがある。

<転職活動中の困難>
・長期のフリーランス期間による技術力の停滞や陳腐化
・正社員経験のブランクにより、企業からの評価が下がる可能性
・年齢的なハンデがある場合、選考で不利になりがち
・フリーランスの仕事を続けながら、転職活動をするのが億劫
・本当に正社員に戻りたいのか自分でもよくわからない
・会社員として働く自分の姿を想像するだけで吐き気がする
・面接を受けに行く服がない

<入社後>
・フリーランスの習慣が正社員の働き方と合わない可能性
・上長や同僚の年齢が著しく年下である場合のコミュニケーション
・社内ルールや文化への適応が難しい
・週5、1日8時間、しっかり働く自信がない
・月曜日の憂鬱に耐えられない
・人間関係のストレスが甚大
・会社に着ていく服がない

慧眼な人ならわかると思うが、結句、服装の問題が最大の障壁となる。人間関係や規則正しい生活など、どうにでもなる。スキルの陳腐化や職場のミスマッチなどどうでもいい。それよりも何よりも、企業に出向く際に着ていく服がない。

むろん、私はUNIQLOでスーツを買うという真に現代的な解決策を友人から教えてもらってはいる。教えられてすぐに、私は近所のUNIQLOに行き、その店でセミオーダーのスーツを購入できることを確認した。しかし、と私は逡巡してしまったのだ。一体私はいつ、セミオーダースーツを購入すべきなのだろうか。

セミオーダーのスーツを購入するには採寸が必要になる。採寸では首回りや袖丈、腹囲などを測るはずだ。問題はいつだってウエストに宿る。といったのは誰だったろうか。私だ。

いま、現状のぷっくりお腹で採寸すると、どうなるか。今後腹筋運動などをして皮下脂肪を排除した場合、せっかく購入したスーツが身体に合わなくなる。となると、新たなスーツを購入する必要が出てくる。例えば、転職活動が長引いたらどうだろう。中途で2着目のスーツを購入すると、出費は2倍だ。いかにUNIQLOのスーツが安いといっても、一式そろえると2万円程度かかると聞いた。2着で4万だ。となると、現下の売上低迷期に直面している私の財政は破綻。精神崩壊。一家離散。子と分かれ、毎夜滂沱の涙を流す羽目になる。絶望である。

「今じゃないかな」と思ってしまったのだ。UNIQLOのスーツを作るのは今ではない。もう少しシェイプアップをした後でもいいのではないか。しかし、そうなると採用面接に着ていく服が手に入らない。ダイエットか転職活動か。私はこの究極の二択の答えを出せずにいるが、皆さんいかがお過ごしですか? 私は現実逃避にいそしんでいます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?