消費税を軽くする金券
おはようございます。
サンカラ・会計士の柿本です。
一応の申請期限も到来した「適格請求書発行事業者の登録申請手続」、いわゆるインボイス制度ですが、これ、顧問先に説明するのが本当に大変だと感じました。
インボイス登録をすると/しないと?
自分が、免税事業者/課税事業者の場合は?
相手が、免税事業者/課税事業者の場合は?
請求書を、発行する/請求書をもらう場合は?
というふうに、考えなきゃいけない場合分けが多いんですね。
ビジネスの内容次第で有利不利も変わってきたりで、顧客に応じて説明の仕方を変えていると、
説明にけっこう時間を取られて通常業務が圧迫されてきたりします。
説明する税理士側も大変なのですが、聞いて理解する側はおそらくもっと大変でしょう。
「とりあえず登録」というわけにもいかない
事業に集中したいのに、税理士がインボイス登録するかどうか聞いてくる。
よくわからないから説明を聞いてみたら、もっとわからなくなった。
そんなふうに感じた方も多いのではないかなと思います。
「よくわからないから、登録するかどうかは顧問税理士にお任せします」
と言うお客様もいらっしゃるのですが、
「じゃあとりあえず登録しとくか」
というわけにもいかないのがこの制度の難しいところです。
インボイス登録のメリットデメリットがあまりにわかりづらい…
ということで、、、
めちゃくちゃ語弊がある言い方になりますが、適格請求書を国が管理する「消費税を軽くする金券」と考えると腑に落ちる、かもしれません。
適格請求書をもらう場合
適格請求書をもらった
=消費税を軽くする金券をもらった
=金券分だけ消費税が浮く
適格請求書を発行する場合
適格請求書を発行した
=消費税を軽くする金券を発行した
=胴元である税務署から発行した分だけ消費税を請求されてしまう
(※課税事業者であれば、もともと消費税を請求される(申告納税する)立場なのでほぼデメリット無し)
なので適格請求書は、もらえれば消費税が軽くなるから嬉しい、発行したら胴元から請求されるから嫌だな、
と、こんなイメージになります。
免税事業者のジレンマ
ということは、お相手からすると「適格請求書を発行してほしい」つまり「インボイス登録してほしい」となります。
自分の立場で考えると「発行すると消費税を払わないといけない」から「登録したくない」となります。
取引先のことを考えるか、自分の消費税納税を考えるか、免税事業者はなんとも悩ましい選択をしなければならないわけです。
なかなか酷な選択を強いられますね。
領収書も金券?
ところで、適格請求書のことを「金券」と言ってみましたが、
とすると普通の領収書も、経費計上することで法人税や所得税を減らすことができる意味では「金券」みたいなもんです。
適格請求書は消費税に特化した金券といったところでしょうか。
柿本耕市郎
公認会計士・税理士
専門分野(ビジネスモデル、新規事業、税務)
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