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デートコース2 セルフライナーノーツ


2nd Album
デートコース2

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 場所くくりアルバムの第2弾であり、セカンドアルバムです。


 相応しいか相応しくないかを度外視してあらゆる場所を巡るデートコースを考える事がこんなに楽しいなんて。自分で自分の考えたコンセプトを気に入ってしまい、この続編が誕生しました。


 アルバム構想と並行して制作した〈一輪挿し〉という曲を作るにあたってお迎えした、CeVIOの〈ONE〉を今作では起用しました。ミュージアムという曲では大変にお世話になっています。


 前作が、全曲を投稿してからのアルバム配信だったことから、今作はその逆をいこうと、アルバムをいきなり発表しました。残るは各曲のMV投稿ですが、数曲に留まっています。各曲MVの構想はあるため、いつか公開できたらと思っています。


ゆりかご

 「デートコースとは何なのか」と小一時間問いたださずにはいられない一曲目ですが、作者も答なぞ持ち合わせておりません。何故このタイトルがチョイスされたかはアルバムを最後まで聴くと分かります。
 〈こうやって生きていきたい〉という意思表明の曲です。


地獄

 前作に天国という曲を入れた縁で、めでたく収録となりました。根がひん曲がっているので、天国より数倍楽しく制作できました。なんて自分で書いていて悲しくなってきました。
 世を嘆いてる歌です。自由度が低かったり制限がある中の方が素晴らしいものが生まれるとは言いますが、それは、こんな地獄に生まれ、そして生き抜く中で生まれた人間の生存戦略なのかなと思うと、こんな曲が生まれたことも皮肉のように感じます。
 にしても、ゆりかごから地獄へと行くなんて、根がひん曲がっていますね。


ミュージアム

 もともと全くのインストでしたが、夜勤疲れの朦朧とした意識の中で気の赴くままに文章を書いていたところ、この曲にフィットしました。到底メロディにハマるものではなかったため、読んでもらうことにしました。
 詩の荒唐無稽さは、私が初めて現代美術展を観に行った時の気持ちに由来しています。
 どこかで聞いたことのあるようなピアノが聴こえてくると思いますが、きっと気のせいです。


水族館

 たまたま私と同姓同名の生物がいる場所ですね。
 涼しさ、優雅、煌めき、ゆったり…なんて言葉が似合いそうな場所ですが、何故だか激しめな曲調となりました。
 ギターを弾けるようになりたい!と社会人になってからギターを買ったのですが、Fのコードって本当に難しいんですね。ベタもベタにそこでつまずき、埃をかぶっていました。ただ「せっかく新しいアルバム作るのだから、何か挑戦してみないと」と、とてもとてもお見せできないような制作過程を経て、ギターを取り入れる事が出来ました。


樹海

 段々と音が増えていくという曲が好きでよく作るのですが、この曲も例に漏れておりません。〈音が増えるのであれば歌詞も増えるべきである〉という目に見えない等式にとらわれ、歌詞も段々と増える仕様となりました。
 不安定な気持ちを歌っています。でも、沈む太陽=死ではありません。そんな太陽のように生きたいと思います。


非常口

 コンビニの袋、アパレルショップのバッグ、ワンサイズ小さい新品のTシャツ、一回しか行ってないお店のスタンプカード、余った割り箸、プラスチックのフォーク、1ページで挫折した本、汚れていない単語帳、期限の切れたクーポン、愛人。
 愛すべきいつかの予備達の曲です。(でもコンビニの袋だけは2020年7月に抜け出しましたね)


交差点

 おおよそ名字の違う人同士、見てきたものは全然違うのに、たかだか同姓になっただけで全て共有できるなんて、そんなのは幻想だと思っています。「同じだね」と笑えることも大事だけれど、「違うんだね」と笑えることも大事だと思います。


雪原

 ラストサビ前のBメロの途中で転調するところがすごく好きなので、もう最悪そこだけ聴いてくれたらもう満足です。


 自分で自分を偽って「そういうこと」にしてしまって、ちゃんとそれに則って日々の営みをしている奇人がすごく好きで。自分で妻を殺しておいて、妻を殺した犯人を探し続ける夫とか。現実と妄想と演技と思い込みと事実と虚構をないまぜにした丁度真ん中というか、そんなアンバランスでいてグラフの六角形がどれも最大値な人間を書きたかった曲です。
 Bメロの拍子が未だに分からないので、誰か教えてください。


墓場

 言葉は全て、生者のためにあると思っています。どれだけ叫んだって、どれだけ書いたって、どれだけ歌ったって、届かない。どんなハッシュタグを付けようと、天国にTwitterはないと思っています。
 祈りも同様です。死者のためと謳われるものは全て生者のためにあると思っています。膝が折れ、崩れ落ち、ズタボロになるような誰かの死という事実は、捨て去ることは出来ません。携えることしか出来ない。そんな時に、死者に手向けられる花はその実、その手前に向けられていると信じています。そうやって歩いていくしかないと思います。


ゆりかごから墓場まで(ボーナストラック)

 この言葉を知ったことから、このアルバムはスタートしました。そのため、一曲目と最後の曲とボーナストラックはすぐに決まりました。
 題名の通り、一曲目から最後の曲までのメドレーとなっています。大好きなチップチューンで作りました。曲中の〈崖〉の部分で勝手にゼルダの伝説感を感じていて、お気に入りです。

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