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デートコース セルフライナーノーツ


1st Album
デートコース

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 収録曲のタイトルが全て「場所」であるというコンセプトから出発した、ファーストアルバムです。インスト曲を除き、VOCALOIDの〈IA〉に歌ってもらっています。


 タイトルはデートコースですが、「映画館」から「砂漠」へ行くなど突拍子のなさが散見され、〈こんな連れ回され方したらきっと100年の恋も覚める〉プレイリストとなっています。


 このような「タイトルが単語」「アルバム単位で制作を考える」という制作スタイルは、思春期ど真ん中に聴いていたaikoと椎名林檎から多大な影響を受けています。語ると止まらないのでこれぐらいにしておきましょう。


 アルバムを想定した制作をしていたわけですが、制作当初はアルバムとしての配信方法も知らず「ただ面白そうだから」とがむしゃらに作っていました。その結果、”全ての曲のMVを公開してからbandcampにて配信する”という、変わった変遷を辿ったアルバムとなりました。


 また、恥ずかしながらミックスという段階を全く知らず、全曲殆どミックスしていません。音量とパン調整ぐらいしかしておらず、平気でピークを越しているものもあります。それでも意外と聴けるので、なんとかなるもんですね。


映画館

 二部構成という意識で書きました。歌詞に合わせて長調と短調を切り替えています。開演ブザーから始まりますし、すごくアルバム一曲目っぽい曲となりました。
 MVで見られる膝を抱えたパンダ、同じポーズをして撮った写真を見ながら描いたので、分身のようなものだと勝手に親近感を覚えています。


砂漠

 私はほぼ100%詩先で曲を制作するのですが、この曲はおそらく唯一、メロ先で作った曲です。私の友人の知り合いが自身の恋愛を「砂漠」と例えた話から歌詞を書いた記憶があります。
 MVでは、室内で遊べる砂、歌詞に切り取られたスチロール、マーブルチョコなど様々なものが出てきます。ビデオカメラ含めこのMVために購入したものがたくさんあり、財布もカラカラになりました。


遊園地

 ボーカロイドを使った楽曲に於ける処女作です。当時の自分の中にあった〈ボカロっぽさ〉を体現した曲です。
 初めて動画作りをした曲でもあります。初めてなのに〈一枚絵にシンプル歌詞表示〉ではなく、変に凝って作ってしまいまして。結果、この時の凝りを元凶として、今後作曲より動画制作に時間をかけるようになってしまった、私からすれば、いわく付の楽曲です。


レストラン

 段々と音数が増えていくインスト曲です。食べ終わりを表現したく、最後は音が段々と減って閉じられていきます。コンセプトを閃いてからあっという間に完成した記憶があります。


 突然ですが私は全然泳げません。「その名を冠しておいて何を」なんて、おっしゃらないでください。
 溺れるのが怖いのです。海中から出て息を吸い、そしてまた沈み、出ては吸い。そんな短いループの中に閉じ込められる感覚があるのです。そんなループ感を想像していたら完成した曲です。
 MVのために買ったスープ皿、撮影以降全く使っていません。


天国

 大切な人に会う前には、誰だって心身共に身なりを整えると思います。そういう曲です。
 この曲のMVは、実家の仏壇のある部屋で撮りました。撮影当時、私は音楽活動をしていることを家族には公にしていなかったため、撮影の際に「絶対に覗かないように」と家族に念押しをしていました。そして、〈曲と同時に線香が燃え尽きるようにする〉という撮影は長時間の試行錯誤により、部屋のあらゆるものを線香くさくしてしまいました。
 この〈秘密性〉と〈強い匂い〉により、私はしばらく「新興宗教にハマった子」と勘違いされていたようで、私が音楽活動を告白するまで心中モヤモヤさせてしまっていたこと、ここで改めて謝罪致します。


 愛憎は裏表とはよく言いますが、愛と憎はそもそも裏返さずとも同居してると思います。それを突き詰めた結果の、サイコパスちっくな主人公の曲です。音の打ち込みミスを採用してみたり、作曲における偶然性みたいなものを大事にするきっかけになった曲でもあります。
 曲がチップチューンということもあり、架空のゲームをMVとしました。


公園

 ずいぶんと昔に書いた詩が公園の遊具をテーマにしていたことから、改題し、この曲となりました。2番までの編曲は淡々としており、キャッチーさはなく、非常にアルバム向きの曲です。
 たくさんのイラストを描いたMVで、描いたものは今でも捨てられず手元に残っています。


動物園

 とらわれてしまった人の曲です。「とらわれる」に何の漢字を当てはめるのか、はたまた当てはめないのかは、各々の解釈で良いと思っています。
 MV。扱うファイルの数やレイヤーの数が多く、それを最適化する方法も知らず、PCが爆発するんじゃないかという中で動画を出力していました。難産でした。


ホテル

 デートコースの最後にホテルが待っているなんて、勘の良い皆様なら頭の中で同じ絵を描いてくださったことでしょう。しかし私はそれを裏切りたかった。というより、本当にアルバム制作に疲れて、単純に休みたかったんだと思います。事実この曲は最後に取りかかった曲でした。
 誰だって休憩は必要です。とまることを咎めるのは誰にだって出来ないはずです。
 MVは家中を使って撮影したので、自宅紹介VTRのようになってしまいました。最後の紙吹雪の掃除が大変だったのは言うまでもありませんね。


アルバム(ボーナストラック)

 ボーナストラックなので、単曲ではなくアルバムをダウンロードすると聴くことができます。〈デートを振り返る〉ということでタイトルを「アルバム」としましたが、非常にややこしくて申し訳ない限りです。
 メロディや音色、歌詞を各曲から引用して作りました。MVでも映像を各動画から引用していて、全てのMVを作成していたのは全てこの為だったのかもしれません…なんて、私も私の考えている事が分からないので困ったものです。

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