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正直、ワンルームマンションよりよっぽど儲かる。「上場」を目指す田舎まちに投資をするという愉しみ

「投資用マンションに興味はありませんか?」

知らない電話番号から、突然の連絡。投資用マンションがいかに儲かるかを電話口で力説された経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

都内のワンルームマンションを買うくらいなら、私は田舎の古民家を買います。

なぜなら、そちらのほうが「儲かる」から。

ボランティアではなくビジネスとしてのまちづくり

初めに断っておくと、私は不動産取引の専門家でも、ブローカーでもありません。住宅業界を専門としているコンサルタントです。

日本全国を支える地域工務店の支援をしながら、特に「田舎」と呼ばれ、”何もない”と思われているような地域のまちづくりに力をいれています。

まちづくりと言うと、自分には関係ないと思う方が大半です。「まちが良くなるのは嬉しいが、自分が積極的に関わるかと言えば話は別」。

そもそも行政がやることで、一般人でまちづくりに関わるのは慈善事業やボランティアとして、「そのまちのことが好きで好きでたまらない人だけがやるもの」というイメージが浸透しています。

もちろんこういった側面があることも否定はしませんが、まちづくりには色々な参画の仕方があります。

例えば、私はビジネスとして「まちづくり」に関わり、それでお金を稼ぎご飯を食べています。田舎に時間とお金を投資し、収益を得ています。

田舎の価値を考えるきっかけになってほしいと思い、今日はいつもと視点を変えて、少し生々しい話を織り交ぜながら「田舎が持つ、儲かる可能性」を解説してみようと思います。

大前提として、どんな土地にも、気づかれていないだけで、その土地だからこその価値が眠っています。私が関与したまちではありませんが、有名な事例で言うと、「葉っぱビジネス」で大成功を収めた徳島県の上勝町。

この町では、山で採れたモミジの葉っぱを、料理の横に添える「つまもの」として全国の料亭に出荷して、年間2億5000万円もの売上を上げています。中には年収1000万円を売り上げるおばあちゃんもいるとか。

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このように「田舎」と呼ばれる土地で、そこに眠る価値を見出し、認知を広げ、集客する。得た利益を再投資し、さらに開発する。

そのサイクルを回しすことで、コンサルタントとしてだけではなく、投資家としても収益を上げることができています。

正直、都内のワンルームマンションに投資をするよりも、田舎のまちに投資をするほうがよっぽど儲かると私は確信しています。

まちづくりの1つのゴール「まち上場」~未公開株を手に入れて上場益を得るには?

私は、ただの田舎だった場所が人気のまちになることを「まち上場」と呼んでいます。意外に思われるかもしれませんが、田舎のまちづくりと、スタートアップ企業というのはものすごく似ています。

「こんなことを実現したい!」「こんな”困った”を解決したい!」そんな熱い想いを持った一人が立ち上がり、少しずつ仲間を集めながら成長していく。最初はお金もないので、小さく始め、得た利益の再投資を繰り返しながら少しずつ大きくしていく。だんだんと認知が広がり、人々から求められるサービス/まちになっていく・・・

スタートアップ企業が最終的に上場して一流企業の仲間入りを果たすように、何者でもなかったまちが認知され、人々が集まる人気のまちとなり、土地の売買が進み流動性が上がるプロセスは、まるで上場までの道のりのようです。

なので、これから人気になるであろうまちに投資をすることは、スタートアップ企業の未公開株を買うのと同じような認識でいます。

田舎への投資の儲け方として一番分かりやすいのは土地の売買です。人気のエリアは土地の価格が上がっていきますので、安い時に仕入れて高い時に売ることで売却益を得ることも可能です。

さらには積極的に仕掛ける側に立ち、民泊やホテルなどの付加価値の高いスペースを作るという方法もあります。

田舎まちへの投資方法①「安く買って、高く売る」~フタコブラクダを狙え!

田舎の土地を安いときに買って、高いときに売る。

シンプルな話ではありますが、そのときに特に注目しているのが、「土地取引がどれくらい活発に行われているか」です。

事例として最も分かりやすいのがリゾート地として有名な北海道のニセコです。ニセコにある俱知安町(くっちゃんちょう)は、地価上昇率で6年連続全国ナンバーワンのまち。

場所によっては、坪単価1万円だった土地が、300万円/坪で取引されたような事例もあります。

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画像:以下のサイトに掲載のデータをもとに、株式会社SUMUSにて編集したグラフ
土地取引件数:土地取引規制基礎調査概況調査結果
地価公示価格:土地価格ドットコム

この図は倶知安町の地価公示価格(青)と、土地の取引件数(赤)をグラフにしたものです。土地の取引件数を見ると、大きく上昇して一度下がり、数年後に再度増えているのがお分かりでしょうか。

一度目の上昇時は、まさにアーリーアダプターが動いた時期です。「これからニセコがくる」と気づいた人たちが安い値段で一気に土地を買い占めます。ところが買い占めすぎて市場に土地がでなくなってしまい、取引件数が一気に減ります

その後、少しずつ取引件数が増えていき(※私の想像ですが、我慢できずに土地を手放す人が出てくる時期)、それに伴って土地の価格が上がり始めます。

倶知安町ほどきれいなグラフになることも珍しいですが、他の地域でも土地の値段が上がるときはこのような「フタコブラクダ」型の動きが見られます。

倶知安町のグラフ

画像:以下のサイトに掲載のデータをもとに、株式会社SUMUSにて編集したグラフ
土地取引件数:土地取引規制基礎調査概況調査結果
地価公示価格:土地価格ドットコム

田舎まちへの投資方法②「オンリーワンの魅力的なスペースを作り運用する/売却する」

もう1つ、私が積極的に行っている投資方法が、田舎にオンリーワンの魅力的なスペースを作ることです。分かりやすい例として、民泊施設があります。

実は、同じ施設を作る場合、東京でも、地方でも「建物代」はほとんど変わりません。実際には人件費に少し差がでますが、それ以上に大きな影響を与えるのが「土地代」です。

多くの場合東京のほうが圧倒的に土地代が高い。田舎の土地と東京の土地を比較すると、差が10倍、20倍ということはざらにあります。

そのため、同じ宿泊施設を1棟用意しようとしても、

田舎であれば、建物代2000万円+土地代500万円の 合計2500万円
東京であれば、建物代2000万円+土地代5000万円の 合計7000万円

と初期費用に大きく差が開きます。(※上記の数字はあくまで例です。)

最近の人気のスペースの特徴は「一点物」。宿泊業界でもオンリーワンが人気で、特にリゾートや非日常を目的とした場合「ここでしかできない体験」「自分にぴったり」が求められる傾向があります。

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上の写真は、香川県の古民家を改修した宿泊施設です。2階建てで6名までは1泊3万円。その後人数が増えるごとに一人当たり5,000円加算しています。

一般的なホテルと比較して、1人5,000円なら”有り”、むしろお得だと感じてもらえるのではないでしょうか。

他にはない、ここだけの一点物の施設ということもあり、宿泊を目的に訪れて下さるお客様がほとんどです。コロナで遠出もできない今、「ちょっとした非日常を味わいたい」という、同一県内からのお客様も増えています。

一泊3万円、年間売上1000万円の施設であれば、表面利回り10%として1億円で売却も可能です。

売却額が同じであれば、仕入れの価格の差が利幅の差となるのは、算数の計算で分かることですね。

ちなみに一泊3万円ほどであれば、全国どこでも通用する価格感です。

単純比較はできませんが、都内のワンルームマンションは、利回り3%~5%であることを考えれば、こちらのほうがよほど儲かる可能性が高く、かつオンリーワンの面白みもある投資だと私は思います。

魅力的な投資先としての「田舎」を知ってほしい

多くの人にとって「田舎」は興味の対象外。そもそも選択肢に上がっていないことが多いと思いますが、ワンルームマンション投資などに興味がある方にとっては、田舎というのは魅力的な投資先になり得ます。

土地を安く買って、高く売る。①の方法で儲ける方法ももちろん有りですが、私のおススメは②の「オンリーワンのスペース(商品)を作ってリリースする」方法。

何もないと思われていた場所に付加価値をつけて売る。弱者の戦略とアイデアでこれまでになかった面白いものを、自ら生み出せる楽しさがあります。

個人の方でも、田舎のまちに民泊を作って成功している事例はたくさんありますのでぜひ調べてみてください。

田舎の価値を考えてもらう1つのきっかけとして、今日は「儲かる」という視点でこのnoteを書いてみました。

田舎に興味を持つ人が増え、土地取引が活発になると、土地の値段にも変化がおきます。人の往来が増えれば、土地が整備され、暮らしやすさも向上します。

ですので私は、田舎への投資は、本人も儲かり、そのまちも活性し、訪れた人も幸せになるという好循環を生み出すものだと考えています。

日本には、今はまだ無名でも、儲かる可能性を秘めたまちもまだまだたくさんあります。このままではただの荒れ果てた土地になってしまうかもしれないまちに命を吹き込むのは、あなたかもしれません。

株式会社SUMUS 代表取締役
小林 大輔

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「葉っぱビジネス」で有名な上勝町の事例を取り上げています。どんなまちにも気づかれていない魅力が必ずあります。

私が常に意識している、これからのまちづくり「アクティビティファースト」の基本的な考え方です。田舎への投資を考える前にぜひご一読を。

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小林 大輔/スムーズ代表 / Replan代表
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