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葉書でファンレターを書く

私は好きなものが多い。
演劇や音楽などの人がつくるものに対して感情が溢れて堪らなくなったり、好きな人にどうしても伝えたいと思うことができたりしたら、ファンレターを書くようにしている。
ファンレターといっても、手紙ではなく葉書なのだが。


私がファンレターを葉書で出すのには、ふたつの理由がある。

ひとつめは、封筒に入っていないこと。
葉書は一枚ペラの紙である。宛名も差出人も内容も全てが表に出ている。どこの誰からどのような内容が送られてきたのかが受取人以外にも晒されているということである。もしスタッフなどが内容を確認するにしてもやりやすいし、受取人が内容を不安に思いながら開封することがほぼない分、心理的な負担が少ないのではないかと思っている。封筒を開けるという手間も省けて楽だ。

ふたつめは、書ける文量が少ないこと。
葉書は手紙と違って、書きたいことが多いからといって用紙を足すことはできない。書ける文量が制限されている以上、内容や表現は簡潔になるよう務める必要がある。このおかげである程度の節度と理性を保った文章を書けるような気がしている。また、どうしても伝えたいことがあるが良い文章が思い浮かばないとき、"時効の挨拶+本題数行+締めの挨拶"の10行未満程度しか書けないとしても、葉書であればある程度体裁が保たれるので、ファンレターを書きやすい。受取人もさして時間をかけることなく全文を読むことができるだろうし。


SNSに思いの丈を書き連ねることもあるが、本当に相手に届いて欲しいのであれば、やはりファンレターの方が確実だろう。SNSの内容はエゴサをしている人しか見つけられないし、検索からすり抜ける可能性もある。

私はきっとこれからも、伝えたい気持ちがあれば気軽に葉書を出していく。


よろしければ