見出し画像

詐欺は簡単に引っかかる

母から着信。
毎度イヤな予感しかしない。
案の定『お兄ちゃんが喉に腫瘍があるみたい、大変なの!』とパニクっている。
『お兄ちゃん』とは私の兄(かなりのろくでなし)、母の溺愛する息子である。

聞けば病院から電話があったという。
地域でいちばん大きい病院のドクターが直接かけてきたらしい。
【息子さんが、喉に違和感あり来院されました。どうも良くないものができています。明日、精密検査します。声が出ないので代わりに電話しました。】

『明日また電話があるんだって!!』と母。

「なんでお母さんに電話してくるわけ?嫁がいるでしょうに。ほっときな。」冷たい私。

兄には一応、妻がいる。
とうの昔に崩壊しているものの、子供のためなのか、金銭的な問題なのか、家庭内別居中である。しかし法律的には配偶者なのである。
いま兄が病気になったり死んだりしたら、もろもろは嫁の仕事だ。

頭に【詐欺】がチラつくものの、兄が母を頼るかも知れない可能性に、判断力が鈍る。
なにせ共依存関係の母と兄。
50を過ぎても親に借金をするような「いつまでも心配な息子」と、「子離れできない典型」の母なのだ。

オロオロする母の電話を切り、兄にLINEする。(もう3年以上会っていない。簡単に連絡が取れてしまう今の時代、会う必要もないだろう。兄と妹なんて、そんなものだ。)

『へ?なんのこと?』と、兄。

、、、やっぱり詐欺である。
ネットで調べると、ドンピシャの事例が出てきた。

詐欺であることを母に説明し、電話に出ないことと、警察に連絡することを伝える。
警察のひとの話だと、高校の卒業名簿などが出回っており、それが詐欺に利用されるらしい。
たしかに昔は個人情報なんてないどころか、親切に公開していた。私の高校の名簿なんて、父親の名前まで載っていたくらいだ(謎すぎる)。

ともあれ詐欺は未然に防げたものの、改めて怖くなる。
母はもともと心配性だけれど、そうでなくても子供の名前を出されれば誰でもビックリしてしまうだろう。冷静さを失い、パニックになったら、もう詐欺に引っかかったも同然なのだ。

ああ面倒くさい、と思いながら実家に向かう。固定電話の線を引っこ抜き、子機の電池を抜き、【使用禁止!】と張り紙を貼る。

携帯電話もすでにターゲットだろうか。
先が思いやられるなあ。。。

#更年期
#氷河期世代
#共依存
#母と息子
#子離れできない
#兄
#詐欺
#詐欺電話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?