20240412 素潜り旬+菊地利奈 朗読、左川ちかと荒地絶叫。

The cook grasps the blue sky.
料理人が青空を握る。

左川ちか「幻の家」
対訳 菊地利奈+キャロル・ヘイズ

菊地利奈さんと左川ちかの詩「幻の家」を日英朗読した。
菊地さんの朗読を追うように俺は吠える。

It is from this house that a beautiful road leads towards the distant memories of the distant world.
この家は遠い世界の遠い思ひ出へと華麗な道が続いてゐる。

左川ちか「幻の家」
対訳 菊地利奈+キャロル・ヘイズ


撮影 澤村貴弘

英語で俺の紹介をしてくださった菊地さんがステージを去り、俺は『パスタで巻いた靴から「チンカチンカ」を三回いつもどおり、儀式のように、鎮魂の詩を繰り返した。

おおおおおおおおお、被せろ
鎮火!
鎮火!

チンカチンカ
ダンスダンス

素潜り旬「チンカチンカ」

体感でまだ時間に余裕がある。「WAACKING」も朗読した。この部分、いま気づいたが『ジョーカー』っぽい。続編楽しみ。

TVはチカチカしながらクイズショウを映しているが澱んだ目をしているのは司会者と俺だった。

素潜り旬「WAACKING」


撮影 澤村貴弘

最後に、荒地の詩人への愛を。自分が詩史に飛び込むためには秘数3の力を借りねばならないということを表現するにはどうもスラップスティックになってしまい、笑かすつもりはなかったのに、めちゃくちゃウケてしまった。テキストを載せておくが、持ち時間の都合上、ここに書かれている詩人しか挙げられなかった。荒地にはもっとたくさんの詩人が関わっている。


音声詩?「素潜り旬の秘数3詩」テキスト

中沢新一『バルセロナ 秘数3』では、エル・ヌメロ・カタルーニャ、
カタルーニャの秘数、3について語られており、カタルーニャにとって因縁めいた3という数字、その数字は象徴となり、魂となり、人々の心に刻まれている。

この本に書かれている「バルセロナの無口な本屋店主」は言う。
「その3は4とのたえまない闘いを続けてきたのです。」

俺にとって3は、誰かの後ろにつけるものだ。何々さん。
4は詩だ。俺は詩人だから。ノットダイ。アイム・ポエット。詩の歴史、詩史に関連付けて秘数3、荒地の詩人、絶叫。

田村隆一3、4
北村太郎3、4
鮎川信夫3、4
森川義信3、4
中桐雅夫3、4
黒田三郎3、4
三好豊一郎3、4
加島祥三3、4
衣更着信3、4
木原孝一3、4
(おまけ!)吉本隆明3、4
3、4、3、4、3、4……「その3は4とのたえまない闘いを続けてきたのです。」
中沢新一は言う。
「3は現実をつくりだす力を秘めている。しかしあくまでも謙虚な3は、現実を超越したものがあることも知っている。」


あと、急遽お願いされ、川島むーさんと河野宏子さんのパフォーマンス時に百人一首の読み札を朗読した。そう、朗読した。詩のように朗読する。それも前に出て歩きながら、俺の身体のbeatで。この行為によるデペイズマン。怒られるかもと思ったけれど評判が良くて何より。百人一首は子どもの頃に全部暗記していて子ども会の大会にも出たりしていた。だから普通に読み上げることはしたくなかった。


撮影 澤村貴弘

このイベントはバイリンガル朗読会ということで、いろんな国のひとが京都極楽寺に集まっていた。蔦屋書店でお世話になった鵜飼さんのお寺だったのは驚いたし、その鵜飼さんがご友人とホン・サンス的パフォーマンスをしていたのには度肝を抜かれた。誕生日前夜、良い日。


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