【ネタバレ注意】『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし』感想備忘録

 泣けた。

 家族愛
 夫婦愛
 そんなものを真面目に語れるような素直な性分ではないけれど、
 それに感じ入るかどうかはまた別問題。

(鑑賞直後の感想)

(以下本編のネタバレ含む)









 しんちゃんは無垢な顔で突き刺さることを言う。
 みさえに、ひまわりを守ってねと言われ、

「じゃあ、母ちゃんは誰がお守りするの?」

 グサッと刺さった。
 その言い方がまた良い。勿体つけているとか格好付けているとかそういうのじゃなくて、本当にただの疑問として、そう聞いている。彼にとって家族は守り合うのが当たり前で、だから自分にひまわりを任せて一人だけでひろしを助けに行こうとするみさえの行動が不思議で仕方ないんだ。
 答えられないみさえ。本来彼女を守るべきひろしはここにはいない。だから自分が守ろうとするのがしんちゃん。普段どれだけおちゃらけていても、家族を守ろうとする心はいつも変わらないしんちゃんが本当にかっこいい。

 ドレスで着飾った女性が、動きにくいからとドレスの裾を破く姿がヘキ

 気合いを入れる時に生まれの方言が出るのも、その人のルーツというか素が出ているようで、良いですよね。

 結婚する前の呼び方。
 みさちゃん
 ひろしさん

 家族としての二人と
 夫婦としての二人は
 少し違っていて、
 そのどちらもが大切で。

 しんちゃんもひまわりもそんな二人を温かく見守ってあげているのが良いですね。

 ついにたどり着いたひろしに残酷にも帰れと言われ、子ども達に聞こえないように耳を塞がせてたまりに溜まった鬱憤を爆発させるみさえの姿に涙。
 その後子ども達には、ひろしを信じよう、自分たちのためにわざとあんな事を言ったんだと言って励ます。その言葉にしんちゃんも目を輝かせて不安を拭い去る。

 子ども達に不安を与えないように、ただ励まさせるだけなら簡単だ。
 だが、その前に不満を吐き出させる。怒りを、悲しみを。ひろしの言葉に、頭では正しく意図を理解していても、腹が立つものは腹が立つ。たとえ夫を信じていても、ここまでの途方もない苦労に負の感情が無いはずがない。それらを、前向きにさせる前に見させた演出に脱帽。

 新たなひろし名言の誕生。
「お宝っていうのは、一生好きなもののことだ。大人になるまでよく考えろ」
「俺は、もう見つけた!」→みさえの元に飛び出す。

 ひ、ひろしーーーーーーーーっっ!!!(涙)

 そしてその受け売りをプリンセスコアラに言い聞かせて事態を解決するしんちゃんさすがッス。こうして君は大切なことを学んでいくんだね。
 そしてその好きなものの中には風間君も入っているのね。
 ウフフ(腐腐)

 前情報を見ていなかったので、ひろしとみさえが歌い出した時には驚いた。最近のトレンドですね、90年代のヒット曲のカバー。今の親世代ターゲットなんでしょうね。
 ノスタルジアに浸るのは至極当然のことだけど、それに溺れて今・未来を見失ってはいけないと描いたのは他ならぬクレしん映画だったわけで。
 その事を、くれぐれも忘れないでほしいですよね。

 面白いところも安定のバッチリで最高でした。
 丸太が襲いかかる罠の天丼(同じ絵でも2回目を早回しにする演出が面白いさをさらに増すんですよね)

しんちゃん「魚以外の丸太に乗るとどうなるの?」
「知らないわよ」
「沈む」(沈んでる)
 最高オブ最高。

 襲い来る壁の穴をすり抜けるために色んなコミカルなポーズを取る。さらっとやってるけど身体能力高すぎて笑える。

 敵が何を言っているか分からない→スマホで翻訳しよう
 →スマホ翻訳『あなたたちはここで終わりです』→襲いかかられる。
 物騒な言葉なのに淡々とした機械音声のギャップが良くて好きです。

 笑って泣けて感動する。
 最近のクレしん映画は向かいよりもその狙っている感が前面に押し出されていてちょっと引いていたけど、でもやっぱり面白いことは間違いなくて。やっぱり好きです。

 来年はぶりぶりざえもん! 楽しみ~

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