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そのバケツでは水がくめない 飛鳥井千砂 読書感想

アパレルメーカーに勤めている理世。セクハラっぽい上司を交わしつつ好きな服を仕事にしている情熱を持つ。
新しいブランドを立ち上げるメンバーに抜擢されてデザイナーを探している中、ふと立ち寄った喫茶店の小物コーナーでイメージにぴったりの物を見付ける。作者・コトリと接触を持つが……。


お仕事ものだと思って読んでいたら後半の展開にびっくり。

立場を利用して誘ってくる上司、しかもしつこいって怖いよ
既婚だからそんな気はないから!ってじゃあ休日に誘うな
逆ギレして気持ち悪いメールを送って来て、助けてくれたのがコトリ

デザイナーとチームスタッフという仲を超えて親しくなるけど、コトリとの関係が長くなるにつれて違和感が出て来る

ホラーというよりもコトリみたいな人はいるいる、的なお話

全肯定しか許さなくて、人を試して、のけものにして自分の立場が上だとマウントとってくる人

全力で離れるしかない

コトリはデザイナーとしては優秀なんだろう
ただの商品として扱えば楽になれる
けれど依存度も高いから結局振り回されて周囲の人はどんどん入れ替わっていく

理世に理解してくれる人達がいてよかった


「傷付いているから、その人に何をされても仕方ない、助けてあげなきゃいけないなんて、おかしい。理世は自分のされたことに怒っていい、怒らないといけない」

そのバケツでは水がくめない


彼女は辛い目にあったから、自分は耐えなくちゃいけないというのは一種の洗脳状態。
嫌な事は嫌と言って拒絶するのは悪いことではない。
会ってストレスになる人からは離れていこう。

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