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夏をなくした少年たち 生馬直樹 読書感想

ルール無視の雪丸 頭もよく女子からの人気もある啓 妹思いの国実 そして主人公の僕・拓海

4人と、国実の妹・智里がくっついてきてつるんで遊んでいる

雪丸は智里が泣くのを疎ましく思い、態度にも言葉にも出す
啓が上手く回避しながらバランスが取れている

悪ガキ4人組という無茶やりながらも楽しそうに過ごす小学生時代
どこかスタンドバイミーを思い出す

この子達、中学に行ったら疎遠になりそうだなと多分読んだ人誰もが思う

価値観とか違っても楽しく過ごせるのはこの小学生という時代だけ

小学生時代最後の夏休み、冒険をしようとしたところで事件が起こる

スタンドバイミーと違いこの作品では被害者が出てしまう。しかも帰らぬ姿で。

この一件から4人は中学に入る前からバラバラになってしまう。

何故被害にあったのか。そして何故か関係ないはずの中学生の聖剣(本名)まで事件現場で倒れていた。
聖剣の行動はなんなのか。
ずっと心にしこりを残したまま大人になった少年たち。

数年後、刑事になった拓海が死体安置所で相対した顏を見て、当時の事件の清算が始まる。

全てが語られた時、一番おかしいのは当時の大人だったという。
ストレス抱えているの!とかいってそんなの免罪符にならないし、盗撮して笑いものにするとか病気としか思えない 引く
この人にお咎めなしっていうのがちょっとね それが現実なんだろうけど。

ラストも少年時代の決着という感じでもの悲しい

ただ完全に切れたと思ったあの頃 もしかしたらもう一度繋がれるかもしれないという希望が唯一良かった。



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