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最後の決闘裁判 映画感想 恐ろしい時代

ジャン・ド・カルージュは遠征から戻り、お金を受け取るために留守にした間に妻から男に乱暴されたと聞かされる
相手は友人のジャック・ル・グリ
報いを受けさせるためにジャンは訴える
そして国王が見守る中、決闘裁判が始まる
ジャンが負ければ妻のマルグリットも一緒に処刑される
正しい者は神が勝利を導く 滅茶苦茶な理屈だとしても当時はそれこそが正しいと言われていた

黒澤明監督「羅生門」と比較されるけれど、たしかに構成は似ている
視点が変わると本人達の印象もまた変わるというところも似ている

ただカルージュの視点編ではそれでよく自分は間違ってないと主張出来るなと見えるのが次の章で意外でもなんでもなくなっちゃっている
ただル・グリは世渡り上手い、カルージュは下手それだけの対比で良かったような気もする

ここでの時代、女性は泣き寝入り一択というのが恐ろしい
義母のだからあなたも我慢しろという圧、
親友の裏切り
夫は自分の面子が大事あわよくばジャックを排除
絶望しかない

この作品で印象的だったのがシャルル6世の隣にいる王妃
王妃というこの国で一番身分が高い女性 けれど口を挟むことが出来ずずっと沈黙している
マルグリットの訴えや審問会での酷い問いに、自分も同じ目にあったとしてもこんな扱いかと引いている表情
しかしこれだけの身分の人でさえ咎めることが出来ない
いかに女性が軽んじられていたかわかりやすい

この時代の人達が現代の状況を見たらどんな風に思うのでしょうね


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