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黒い糸 染井為人 読書感想

亜紀は元夫の暴力から離婚し、今は結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザー
一人息子の小太郎のクラスの女の子は行方不明になっていた
不審者がいると学校内では警戒している
そして亜紀の顧客に厄介な女がいた 怒らせてしまって嫌がらせ電話が鳴り始める

面白くて一気読みしてしまった

まず亜紀の周辺での不可解な出来事
そして校内 小太郎の担任の長谷川サイドで進む出来事

一体どうやって繋がるのだろうと思って読んでいた

最後は全て一つにまとまり、鳥肌

長谷川はお兄さんと一緒に住んでいるのだけれど、このお兄さんがユニークなキャラで(ちょっとずれているのがまた面白い)、ちょくちょく遺伝子についての説明がまた興味深い

親の遺伝子により、出来ることと出来ないことは決まっている
努力すれば出来るというのが前提の世の中は間違っていると書かれている
これって出来ないのは努力しないからだ、って言われて、嫌になる
努力していても出来ないこと、たとえば走ったり、絵を描いたり、歌が上手だったり、遺伝子的に出来ないのを努力を強いられる教育 たしかにもうちょっとなんとかならんのかと疑問に思う

しかし真相は衝撃的だった
怪しいなとは思ってもえ、そういうこと、ってなる

あのエピローグの後、はたして彼らの日々は守られるのか
いずれまた関わってきそうで、それがないともいえない
想像すると恐ろしい
ホラー映画の後の思わせぶりな続編を匂わすようなあれがないけど、あれが見える感じ




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