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なまなりさん 怪異実聞録 中山市朗 読書感想

作者が知り合いの退魔師から聞いた話
本来の仕事は企画・プロデューサーだった
しかしなまなりさんという映像の企画は台風の被害で全て流れてしまった
げっそりと痩せた彼からなまなりさんに関する話を聞く
身も毛がよだつ話が始まる

怖かった

ちょっと残暑厳しいここ最近にホラーな話を、というくらいで読み始めたけれど鳥肌立った

まず退魔師である礼二が可愛がっているカメラマンの健二
この健二が婚約した女性・沙代子さん
彼女に対して執拗な嫌がらせをしてきた双子のモデル
健二とはやましい関係は一切ない
ただ自分達になびかないから、嫌がらせとして沙代子さんを狙う

そのやり方がひどくて、いくら金持ちで美人だからって度を越えている

そして追い込められた沙代子さんは自殺をしてしまう

双子はその後、沙代子さんの怨念に狂わされていくという話

双子の家族は落ち武者としての家系で元々もう呪われているのが当たり前みたいなもので、だったら何故つつましく生きなかったのかと問いたい
結局、自分達は大丈夫だと舐めていたんでしょうね

毎晩毎晩霊障に悩まされて、叫び声をあげ、首を絞められたような痕があっても慣れっこになってしまうあたりがもう手遅れ

終いには先祖の仏壇が何もしなくても真っ二つに折れて、唖然とする中でも「これ古いものだから」で済ます
いやいや、とツッコみ入れたくなるでしょうが、もう驚いてもいられないんでしょうね

実話かどうかはわからない
何か特定できそうなワードは要所要所出て来る

実話と自分も思いたくないのかもしれない

ただ人の恨みというのはやはり恐ろしい
侮ってはいけない
軽んじればそれは必ず振りかかって来るものだというのが描かれている

とてもとても怖いお話だった



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