開催者たちからのメッセージ① 一般社団法人dialogue

一般社団法人dialogueとは

一般社団法人dialogueは2020年にひとりひとりのWell-being向上と地域創生を目的として、さまざまな先端事例の集積・発信とそのネットワーキングを提供する知的活動機関として設立されました。

新型コロナウイルスの広まりによって変わったひとびとの健康や社会システムに対する意識。
スマートシティを筆頭としたデジタル技術の普及・実装によって実現される持続可能かつ質の高い暮らし。
これらのいわゆる”ニューノーマル”な社会に向けた歩みを広め・推進するとともに、それぞれの地域性に合わせてチューニングを行い実装していくことで、ひとを中心としたWell-beingの高い社会の実現を目指し、拠点を置く福島県会津をはじめとした様々な地域の活性化に取り組んでいます。

本キャンプへの想い

一般社団法人dialogueプロデューサーの芳賀有貴哉と申します。
「はじまりのキャンプーゼロー」会津エリア共同ディレクターを努めています。
僕自身は会津生まれ・会津育ちというバックグラウンドを持っており、遊びの場としても、学びの場としても福島の豊かな自然から多くのことをいただいてきたと感じています。
僕が高校生の頃、そんな福島を襲った大震災がありました。
そして震災以来、「ふくしま」という言葉は大きな影を伴う言葉となってきました。
しかし、実際に暮らして見る「ふくしま」の自然も、そこで10年以上積み重ねられた人の努力も、そんな影なんて感じさせない豊かさと力強さを持っています。それは「ふくしま」だからこそ生み出せた、たどり着くことのできた光なのだと思います。

今、社会は環境汚染や気候変動などの地球規模的な課題に対して「SDGs(
持続可能な開発目標)」を掲げ、次世代に託していける世の中を作ろうと邁進しています。これに全力を尽くし、持続可能な社会を実現することは非常に重要です。
同時に、未来を担っていく子どもたちに対して、なぜ持続可能性や自然との共生を考えなければいけないのかを考え、そして今後さらに予測不可能になっていく世の中でも強く柔軟に生き抜いていく力の種を蒔くことも大人たちがなすべき使命だと考えています。

この「ふくしま」にはその種蒔きを「過去ー現在ー未来」を通じて行うことのできる、この場所だからこそのコンテクストと価値があります。
この「はじまりのキャンプーゼロー」で過ごす11日間が、未来を担う子どもたちにとってより良い未来を考える原点となり、そして明日の自分が変わるようなかけがえのない経験になって欲しいと願っています。

会津磐梯エリアのプログラムについて

<会津磐梯エリアとは>

桧原湖と磐梯山
山頂から見下ろす猪苗代湖


会津磐梯エリアとは磐梯山や猪苗代湖、五色沼といった福島を代表する自然豊かなエリアです。
「会津の自然といえば」と尋ねられれば必ずといっていいほど名が上がる象徴的なエリアのため、そこで登山やトレッキングに訪れる人も多く、湖沼では釣りやSUPなどといったレジャーがとても盛んです。
磐梯朝日国立公園に指定されているとともに、ジオパークにも認定されており、その自然の豊かさや仕組みを伝える教育活動や環境保全のためのさまざまな取り組みが行われています。また、そのように象徴的なエリアだからこそ育まれてきた自然との関係性や地域文化も魅力の一つです。

<会津磐梯エリアの光と影>
その自然の豊かさとスケールの大きさから、今では非常に有名かつ人気な観光地にもなっている会津磐梯エリアですが、かつてこの地は大きな大きな災害に見舞われました。
それは磐梯山の噴火です。
1888年に起きた噴火は山体崩壊を引き起こし、「小磐梯」と呼ばれた峰は消滅、さらに噴石や流れ出た岩屑なだれでは5村11集落が埋没するほどの被害が出ました。
その名残りと規模の大きさは磐梯町側から見る磐梯山と北塩原村から見る磐梯山の違いからも一目瞭然に見て取れます。
また、噴火による火山灰によってあたりは覆われ、環境は一変荒廃したとのことです。
この噴火は近代日本を襲った最初の大規模な自然災害であり、自然災害への備えや学術的な理解も今より薄かった当時においては想像を遥かに超える衝撃をもたらしたことでしょう。
しかし、そんな大きな災害に見舞われた地域が今では福島を代表するほどの豊かな自然を讃えています。その裏には自然が持つ懐の深さと仕組みの精緻さがあるのに加え、自然を取り戻すために尽力した人々の努力があります。また、噴火は被害をもたらしただけでなく、五色沼と呼ばれる湖沼群を生み出しました。
時に牙を剥く自然と、その脅威も時を経て恵みへと変える雄大さ、そして人の知恵と逞しさ。これらが会津磐梯エリアが持つ光と影です。

<会津磐梯エリアで行うこと>

磐梯の自然学習の様子


そんな光と影のストーリーを持つ会津磐梯エリアでは、1〜4日目にかけて磐梯エリアで活躍されているガイドの方とともに自然についての学びを得ることを中心としたプログラムを行います。
まず初日はキャンプについてのオリエンテーションとともに、磐梯エリアの自然環境についてガイドの方からクイズ方式で説明を受け、理解と興味を促します。
続いて2日目からは磐梯の豊かな自然を探検します。五色沼と呼ばれる色とりどりの沼を巡るトレッキングを行い、その森の中で花や木、虫を探すゲームも行います。
3日目には一番のメインとなる磐梯山登山の中で噴火の痕跡を見たり、雄大な自然を体感します。

<活動内容>
・キャンプオリエンテーション
・五色沼トレッキング
・森の中でのゲーム
・磐梯山登山



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