2020年の僕に刺さったコンテンツにランキングをつける

映画は年10本くらいしか見ないし、漫画も小説も新刊を買うようなスタイルで生きていない、他のコンテンツも全然摂取していない私ですが、だからこそ雑多なランキングを作る意味があるのではないかと思いました。
そもそも、『鬼滅の刃』はおろか『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も見ていない人間にランキングを作る権利はあるのかという話もありますが……。たまたま家で親がつけていたテレビ、偶然目にしたコンテンツなども入っていてとにかく刺さったかどうか、だけを判断基準としています。
それでは。

選外

★映画
ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』/タイカ・ワイティティ『ジョジョ・ラビット』/『魔女見習いをさがして』
『パラサイト』面白かったですね……。韓国映画らしく社会問題を描き込んでいる部分は大きいのでしょうが、シンプルに何も考えずに見る疾走感のあるドラマとしても面白いのが良い。『魔女見習いをさがして』、おジャ魔女未視聴勢でも楽しめるようなつくりで、普通に京アニ映画みたいなテンションで見に行ける。とはいえ『ミッドサマー』すら見ていないのですが……。

★音楽
森七菜『スマイル』/岡崎体育 『なにをやってもあかんわ』/ラブリーサマーちゃん『I told you a lie
めっきりアルバム単位で音楽を聴かなくなって久しい。Mステとかの『スマイル』のキュートなのとアンニュイなのが入り混じったぶりっ子歌唱スタイルたまんねえ。ブリティッシュなカッコよさに魅かれた『I told you a lie』もよく聞きました。

★動画
天竺鼠川原チャンネル『鑑賞を鑑賞を鑑賞を鑑賞を鑑賞を鑑賞しないを鑑賞【天竺鼠 川原 究極シリーズ】』/kuratti『マサオツモル』/『【太田上田#85】太田光の初体験がヤバすぎました』/ほしのディスコちゃんねる『クリープハイプ-栞/THE FIRST TAKE ほしのディスコver』/カプリティオチャンネル『いろんなものをグラフで表してみた結果www』/THE FIRST TAKE『KANA-BOON(谷口鮪)×ネクライトーキー(もっさ) - ないものねだり』/動画、はじめてみました『【サンタコス】M-1敗退の真相を納言が激白!みゆき&安部コンビ初のクリスマスコスお披露目してみた【納言幸のやさぐれ酒場】』/動画、はじめてみました『【かみひとえ】納言薄幸の呑み比べやさぐれ酒~15種類試して勝手にランキング~』/『千鳥×ダイアンがGTAオンラインで遊びまくる!【ミルダムまとめ】
納言好きすぎて2つランクインしてしまっている。ときにいろんな動画が話題になった一年ではありましたね。千鳥×ダイアンのGTA実況も面白かった……2組の馴れ合い的な魅力が出ている。

★記事
小野ほりでい「無思想はなぜヤバいのか」(note)/岸田奈美『全財産を使って外車買ったら、えらいことになった』(note)/はぐれサイエンティスト Professor OK『最近のポケモンはデジモンっぽいのか、ディープラーニングに聞いてみた』/pato『Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。』(blog記事)/CDB『「この“産業”は、血の通った仕事だと自負しています」三浦春馬が最後の舞台公演で語ったこと』(文春オンライン)/遠野遥『【芥川賞に決まって】円滑なインタビューのために』(産経)/『観光に携わる業界からの遺書』(はてな匿名ダイアリー)/みそは入ってませんけど『リアリティーショーを批判しているオタクもVTuber見てんじゃん』(ブログ記事)/島田彩『7日後に死ぬカニ(完結編)』(note)/カメイドタートルズ『女性編集者の私が亀戸でイケメンとデートした結果…』(ネット記事)/岡田眞善「運転手さん、フジテレビって・・・まとめてみた。」(ブログ記事)/full-Count「23歳で他界した親友と迎える7月4日… 中日京田が開幕戦ではめたグラブと約束」(Web記事)
Twitterオタクがベースにあるので「とんでもない文章」とかの安い一言だけで言及されてバズったWeb記事によく目を通していました。full-Count、プロ野球ファンとして今年は特にエモさ掻き立てる良記事が多かった。

★バラエティ
『新春!千鳥ちゃん 酔いどれお笑い王&毒出しタクシー』/Amazonプライムビデオ「偉人が愛した絶品グルメマルッと食べ尽くしツアー!!」『千鳥のニッポンハッピーチャンネル』/「ケンミンショーSP みのもんた大慰労会!!」/「有吉の壁 レギュラーの壁を越えろ! 爆笑2時間SP」/「ドリームマッチ2020」/「相席食堂 【大悟VSノブ世紀ノブ野球対決】」/「しゃべくり007 天才子役寺田心が大人過ぎる…禁断の恋バナ&超絶おしゃれ私服」/「タイガース甲子園名場面100連発」/「勇者ああああ RIFUJIN FIGHTING FEDERATIOK2010」/「ネットニュースに 載るまで帰れません」『水曜日のダウンタウン』/「アメトーーク! 女若手芸人2020」/『ダウンタウンなう 人志松本の酒のツマミになる話』/『全力!脱力タイムズSP【サンド伊達&嵐二宮和也、本当に嫌いなんです!の巻】』/「河北麻友子vs尾上右近 親友同級生→告白され関係崩壊…」『あいつ今何してる? 2時間SP』/「探偵!ナイトスクープ フリップ芸人になりたい少年」/『R-1ぐらんぷり2020優勝者特番 野田クリスタルの芸能界生き残りクエスト』/「女子メンタル」『まっちゃんねる』/『高校生クイズ2020』
バラエティ毎週録画してTVerも回してってほど追ってるわけじゃないのでたまたま点いてたかどうかで決まってしまうのですが。いつものバラエティが作れないという点で今年は異質な年でしたね。ただその状況が生んだ面白さの再認識というのもあって、例年より参加者をしっかりとフィーチャーしたフルリモート高校生クイズであるとか、豊富な映像資料を巧みに使ってコロナ禍を感じさせなかったケンミンショーの普遍で不変な面白さとか(昔の映像を誰も覚えてないからでもあるが)。

★漫画
和山やま『女の園の星①』/冬野梅子『普通の人でいいのに!』/
森つぶみ『転がる姉弟』(コミプレ)/雨穴『【不動産ミステリー】変な家』(オモコロ)/猪原秀陽『We're バッドアニマルズ』/田島列島『水は海に向かって流れる』
今年はブックオフと二郎系に毎週のように足を運んでおりましたので、年始にはあんなに余裕のあった本棚が12月に埋まるほど古本を買いあさりました。逆説的に新刊はほとんど買わなかったのですが、日常の延長戦にあるサブカル漫画のページをめくってしまうスピードに魅せられた一年でした。まずは積ん毒を消化せねば……。

★ツイート
いろは『可愛すぎて昇天』/イカッピー『【MV 閲覧注意】バナナのオムレットの食べ方』/ユスケ氏のツイート「FFから大変…」/ダイキリ氏のツイート「WAQWAQでカワイさんが出題した問題」/もい氏のツイート「幼児にしめじを…
何このジャンルって感じだし、なんでメモに入れたかも覚えてないものも多いですね……。

★お笑いネタ
どぶろっく「やらかしちまった」『笑いの王者が大集結!ドリーム東西ネタ合戦』/東京ホテイソン「デート」『ゴッドタン 第6回ネタギリッシュNIGHT』/ななまがり森下「乳首隠せない男」『R-1ぐらんぷり2020』/堀内健&蛍原徹「ホトシュール」『ENGEIグランドスラム』/ゆりやんレトリィバァ「国際空港の保安検査場」/ベルサイユ「歌」『第41回ABCお笑いグランプリ』/秋山「花」『千鳥の超クセがすごいGP』/ニッポンの社長「ケンタウロス」『キングオブコント2020』/ナイツ「ジャイニーズ」『爆笑問題vs霜降り明星 ネタジェネバトル2020』/岡田直子「普段女子力のない女の子から不意に女が出る瞬間」『ザ細かすぎて伝わらないモノマネ2020』/ランジャタイ「仮装大賞」『M-1グランプリ2020 敗者復活戦』/『M-1グランプリ2020』
松本人志の金言「漫才をやれることの有難みを感じる一年だった」の通り、アクリル越しやグリーンバックのなんとも微妙なネタを見せられていた地獄の時期を明けた悦びが我々の中にありましたよね。いえ、もう画像無理やり入れなくていいのに変な感じになってたネタパレのインディアンスをdisっているわけじゃないです……

★その他
テレビ朝日×Abema『M 愛すべき人がいて』1-3話(ドラマ)/TBS『逃げるは恥だが役に立つ ムズキュン特別編』1-7話(ドラマ)/「日清カレーメシ 汁無野郎篇」(CM)/「saQuna小企画」(みんはや)/坂元裕二『スイッチ』(TBSドラマ)/宮藤官九郎『JOKE~2022パニック配信!』(NHKドラマ)/「abc the 18th」(SWPN,クイズ大会配信)/野木亜紀子『MIU404』(TBSドラマ)
ドラマも全然追わない一年でした……。とはいえあんなに大爆笑したのに4話以降追うの忘れててても全然後悔しなかった『M』、7話という最悪のエンドで通常放送を終えた『ムズキュン特別編』、坂元裕二節全開で最高だった『スイッチ』と見てよかったものはたくさんありましたね。

トップ15

ここからが本題です……長かった…

15位
中山功太「芸人やめてぇな」『歌ネタゴングSHOW 爆笑!ターンテーブル』(TBS)04.03
秋山『花』と迷いましたがネタ1位。突き所はわりとベタですが、中山功太らしい悪意と2分に詰め込んだ構成でめちゃくちゃ笑いました。「爆笑!ターンテーブル」、ゲストの判定で強制終了というコンセプトのせいで色々見れなくて残念です。怪奇YesどんぐりRPGを評価できないゲスト入れないでくれ……せめて過半数でクリアにしてくれ。

14位
青山裕企『少女礼賛』(写真集)
ヴィレヴァンで衝動買いしただけで、写真の芸術性とか全然分からないんですが、シンプルに女優やモデルの華美さでない、クラスで横にいる女の子バイトで一緒の女の子の尊さ、美しさみたいなものが詰め込まれている。単純に地味メガネ女の子がストライクなだけという話もありますが……。

13位
yosano『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』(note)
検証記事ってまあ金や労力かかってたら基本的に面白いんですが(醤油100種のやつとか)、あるあるネタの凝縮、「人の暖かみ」みたいなエモさ、いつしかお姐さんたちに感情移入している。文章内でも言及されましたが『どうぶつの森』のあさみさんに話しかけていた俺たちの青春。小山健イラストの書籍も買いました。後日談もしっかり面白い。気だるげな女性の居酒屋にも足を運んでほしかったな。

12位
重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE』(Youtube動画)
コロナ禍でリピートした動画はたくさんあるんですが、1位はこれかも。「痛快!明石家電視台」なりで重盛のパーソナリティ(頑張っている感)を知っていたのも相俟ってめちゃくちゃいいラップですよね。ずっと聞いてられる。

11位
ヨシタケシンスケ『もしものせかい』
小さな後悔をたくさんしている人生です。あのとき声をかけていたら、もっと頑張っていたら、という後悔が何十何百も僕の心に積み重なっています。就活の失敗した面接、部活でトチった場面とかはもちろん、5年前のクイズ大会の誤答とかも鮮明に覚えています。あの時こうしていればというifを死ぬほど抱えて生きている僕に、あの時こうしている僕はどこかで楽しく生きているから、そいつにとってのifであるお前も生きろよ、とベタに諭してくれた一冊でした。

10位
「テレビ千鳥 ボードゲームで遊ぶんじゃ!!」(テレビ朝日)05.06,05.13
テレビバラエティ1位。後にしゃべくりで「ボードゲームだけで2週またいだ取れ高お化け」と千鳥を紹介していましたが、人生ゲームだけでそのやり取りだけで本当に面白い。シンプルに笑いました。

9位
ニューヨーク Official Channel『ザ・エレクトリカルパレーズ』(Youtube動画)
今更言及するのもおこがましい話題作ですが、さわりだけで終わってる人はまず2時間見てほしい。芸人の関係性とか詳しくない人にも見れる、スクールカーストとか、友人関係とか、全員の青春の1ページがこの映画のどこかにあるドキュメンタリーとして名作なんですよね。序盤、侍スライスへのインタビューで視聴者全員が目を変える瞬間への演出が傑作。

8位
阿佐ヶ谷姉妹 木村美穂(vs笑い飯西田)「1分トーク」『千原ジュニアの座王』(朝日放送)07.04
座王今年も毎週追う価値もある(追わなくても後悔しない)コンテンツでしたね。ときにコロナ禍で椅子取りゲームからくじ引きに切り替えましたが、別に面白さは損なわれなかった。そんなグループ勝ち抜き方式回で、鬼・西田をも下した(しかも絵里子さんじゃなくて)木村美穂の快進撃!

実家に住んでいたときに、あのーベランダでですね、あのー、プランターに青じその葉っぱを育てたんですけれども、それにお水をやってたら、あのー、青虫が一匹いて、あのー、じーっと私が見たら、あのー、青じその葉っぱをむしゃむしゃ食べてたんですけれども、私に気づいて、食べるのをやめて、シソの茎の葉っぱに擬態したんですね。それがすごいかわいらしかったんで、青虫を取らずにそのままにしといたら、次の日の朝に青じその葉っぱが全部食べられてしまっていました。(通常戦)
私はですね、小さいころからガムを食べても、あのー、出さずにずっと飲み込んでるんですけれども、あのー、この間は夜中にですね、あの、ガムが何個飲み込めるかしらと思って、口に20個入れてみて、すごく噛んで、あのー、飲み込んだらー、あの、わりと余裕でいけました。(延長戦)

文字にしたらなんにも面白くないのに、実際の映像めちゃくちゃ面白い。おばちゃんの日常の美しさ。ぼる塾きりやの一発ギャグ「とんとん、とんかつ!」の衝撃も同じ番組から生まれましたが、面白くなさの面白さが戦いの場だとより輝きますね。

7位
宮本浩次『木綿のハンカチーフ
ラジオで流れてきたのを聞いたとき、何回も聞いたことのある歌なのに改めて歌詞のストーリーに泣いちゃいそうになりました。ほぼ泣いた。筒美京平追悼イヤーとなったことも併せてこの順位にしました。

6位
ぺるとも氏のツイート『焼肉屋に来た情けない男』

この記事を書くにあたって、「今年のネタツイで面白かった奴を思い出そう」としたんですが、ウン万のネタツイを眺めてきたはずなのにこのツイートしか思い出せなかった。なんでこの程度の伸びで終わってるんだ……

5位
近藤聡乃『A子さんの恋人⑦』(漫画)
僕が最近殊更にサブカル漫画なるジャンルを叫んでいるのはこの作品が面白すぎたからです。周りにはいないけど日常、共感性の高いキャラクターも特にいないんだけど惹かれていく雰囲気、そこに「揺れ動くこと」と「選ぶこと」が尋常じゃない量のオマージュと示唆性と現実世界とのリンクとともに描かれていて、普通の恋愛漫画としても見れる一方、僕のようなクイズ的に固有名詞から物事を見る感覚と、オタク気質的なカルチャー収集癖が合わさった性質を持った人間にはたまらない一作。

4位
朝日放送『M-1アナザーストーリー ~“史上最高”大会の舞台ウラ完全密着~』(ドキュメンタリー)01.11
バラエティとしてではなくドキュメンタリーとして推したい。年末放送のマヂラブの方は出場者たちが万遍なくフィーチャーされていてM-1という大会の凄さが描かれていましたが、ランクインさせたのはミルクボーイの方。マヂラブと違って売れない時代の素材も少ないコンビが優勝したシンデレラストーリー、髪を切られているだけでただただ泣けてくる。感情移入。観た次の日にももっかい観た記憶がある。

3位
ダイアナ『高級デリヘル120分ループする』(Twitter漫画)
普段フォローしている方でもないし、画風もあってそこまでの話題にはならなりませんでしたが、何度も読み返してしまいました。もともとタイムパラドックスやループものは好きなので、まあ題材や構造自体は分かりやすいんですが、デリヘル嬢と意識高い奴という設定が「自分だったらどうする?」的な視点にも立ちやすくなっていて世界観に入りやすくなっていますよね。

2位
ニッポン放送「霜降り明星のオールナイトニッポンZERO」06.19放送分(ラジオ番組)
まあこれでしょう。せいやが文春砲を食らって発言が注目されるANN0で行われる、せいやをこれまでに形作ってきたありとあらゆるカルチャーを引用しての独演会。もちろん織金を既に摂取していた霜降りファンがいるわけがないですから、当然元ネタなんか知らないんですけど、「中堅芸人の北斗の拳喩えがわからなかったりしたけど、ポケモンで笑いを取っていこう」とNSC生に熱弁した霜降りが「わからなくてもいい笑い」の集大成をこんな場面で形作ったことが素晴らしいことだと思います。今でもたまに聞き返します。


思えば、この記事を書こうと思い立ち、『新春!千鳥ちゃん 酔いどれお笑い王&毒出しタクシー』をメモアプリに入れた365日前には、こんな情勢が起こることなんて誰も予想していなかったわけですから。前述もしましたが、苦難の一年、地獄みたいなテレビしか流れていなかったあの時から、ぶり返しのように素晴らしいコンテンツが生まれたり、地獄だからこそ新しく美しいものがあったりと、コンテンツ的な観点だけで見るとそんなに悪いことばかりだったかどうかはわからないなと、そういう一年でした。
僕は音楽ライブなど、密になるからこそ楽しいタイプのカルチャーはあまり範囲にないタイプの人間なのでそう思っているだけなので、そのタイプの人には申し訳ない思いはあるのですが。
クイズプレイヤー(あるいはクイズサプライヤー)としては、言うまでもなく悲しい一年でした。abcが中止になった段階でも、「中止にすることはないのでは」と思っていた記憶があります。もちろん数週間でその考えは覆されることになるのですが。こんなことなら、おそらく行けたであろう最後の大会「徳久倫康ひとり会」のために新幹線飛び乗ればよかったな。まあこれからは、後悔のないように、かつ、諸々を考えて生きていきたいけれど。
他にもまあ、仕事では緊急事態制限中在宅ワークすることもなく社用車で通勤したり、秋に担当業務が代わり、立ち上げ対応で2ヶ月間奈良のレオパレスに住んだり(誇張なく毎土日実家に帰っていた)と目まぐるしく生活が変わった一年でした。
来年はいい年にしたいな。






1位

きくちゆうき『100日後に死ぬワニ』

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まごうことなき傑作。漫画本はもちろん後日発売された絵本やグッズまでもが好評のまま全国各地で品切れが続出した大人気ベストセラー。完結の翌日からオープンしたポップアップストアは大盛況のまま終了。「後世に残すべき三大芸術マンガ』として手塚治虫『火の鳥』、大友克洋『AKIRA』と並び称される一作。


さておき、アイデアに金を払うっていうタイプのコト消費があると思うんですよね。内容は普通だったけどアイデアだけでもう勝ちだよなっていう映画とか、小説とか、漫才やコントとか(お笑いでいうとピン芸にそういうのが多い気がします)。これはまさしくその極致で、消費するカルチャーが細分化され、アカウントひとつ違えばエコーチェンバー極まれり、流行が180°違うようなこの世の中(時事に疎いつもりもないのに『愛の不時着』を聞いたことのない人間、タイムラインか自分の目玉変えた方がいい)で、冗談抜きで日本中が同じ作品の行く末を見守ったというのは、現代サブカルチャーとしてのひとつの到達点だと(『鬼滅の刃』の話題でも同じような話が出ていましたね)。
「追悼したいのにお金儲け出されてどうこう」言ってた人間は、じゃあ完結後ゆっくりしてからじゃあそろそろでグッズ展開してたら本当にお金を落としてただろうか? 数日前のバズツイートさえ古く感じるこの世の中で、そんなことをして明るい話題が保てたまま新たな話題として投下されただろうか?
翌日からのポップアップストアだったからこそ批判はされど数日は盛況となることができたわけで、数週間後の閑散とした様子を揶揄したツイートからわかることは、オワコンだな~じゃなくて、本当に喪に服してからお金儲けの話をしていたらきくちゆうきの懐はなんにも潤わねえよということですよね。


ありがとうございました。来年が皆さんにとってよりよい一年になりますように。へけっ。


著者近影
(いいのなかった。顔ががっつり映ってないやつで2020年撮影の、この写真いいんじゃない?というのがあれば送ってください)

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