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「思考」を読み解く

演劇研修所時代、役の思考を歩くエクササイズや、
この役はどういう思考をしているのかなど問われることが多かったにも関わらず、わたしとしては思考ってなんだ?とぼんやりしたままだったので、
思考について考えてみました。

思考とは

戯曲には登場人物たちの発する「言葉」で構成されています。
この言葉は、
思考、マインド、思い込み、偏見、価値観、考えていること、信じていること、どんな風に世界を見たり、捉えたりしているか、
これらが言葉となって発せられていると考えます。

つまり、言葉はその人の思考を表す

例えば、かもめのマーシャのセリフ
「わたし不幸せな女だから」
から読み解けるマーシャの思考は
「わたしは不幸だ」
になります。

ハムレットの思考も様々なセリフから読み解いて、
「人生というものは苦難に満ちたもの」
という思考が強いことが考えられます。

研修所時代、ローナ・マーシャルというイギリスの講師の方に、
1日1回いろんな文章(新聞記事から美容雑誌の記事までいろんな種類の)を声に出して読みなさい、と言われたことがありました。
その当時はなんのために?
と思っていましたが、おそらく様々な思考に触れなさいということだったのだと思います。

思考の動き

思考を読み解くということが習慣化してくると、思考にも動きがあることが分かってきます。まっすぐな人もいればうねうねしながら進む人、同じところを何度もぐるぐる回っている人など様々です。

レストランでメニューを選ぶとき、わたしなんかは直決なのですが、
人によっては10分くらいかけてあれでもないこれでもない、これにしようかな、あ、でもやっぱりこれも食べたいし、うーんどうしようなんていう人もいたり、なんでもいい、まかせるなんて人も。
これも人それぞれの思考の癖が分かりやすく出ている例だと思います。

研修所でよくわからないまま行っていた(すみません)思考を歩くエクササイズはつまりこの思考のプロセスを体感するためにあったのか!と10年越に理解できたのでした・・・気づくのが遅かった・・・

思考と役作りのプロセスとの関係性

思考を読み解くことと実際にその役の人物を演じるのにはどういう関係性があるのかについて考えていきます。

あぁ、そうか、この人は自分の人生は不幸だと思っているんだぁ、
この人の見る世界はいつも苦しくて辛いんだなぁ、と客観的に理解できたとして、それをどう演技に活かしたらよいのでしょうか。

人間は、思考をもとに行動しています
例えばわたしは不幸だという思考の人は恐ろしいことにそれを証明するような行動をとることになります。

エリックバーンが提唱した人生脚本という心理学理論によると、人間は自分自身の人生脚本を描き、無意識にそれに沿った生き方を決め、それに従い行動するのだそうです。
引用元:人生脚本とは

この理論によると、有名なマリリン・モンローはその複雑な成育歴から愛は途中で失われなければならないという思考が結婚・離婚を繰り返す彼女の行動パターンになっていると考えられます。

つまり・・・

その人がどう行動するのかは、その人がどういう思考をしているかに基づく

なので、思考を読み解くことでその人物の行動も導き出すことができます。また同様に、人物の行動からも思考を導き出すことができるのです。

この思考と行動については次の記事でもう少し詳しく説明していきたいと思います。

続く・・・

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