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菊池 夏野
2022年7月12日 22:27
あるところに心優しい少年がいました。少年はとても優しかったので、捨てられているものをほっておくことが出来ず、家に持ち帰っては、おとうさんとおかあさんに怒られてしまうのでした。かたっぽだけの小さな靴や、ぬいぐるみ、漫画の本に、壊れかけの傘、「どうか捨てないで」という声が聞こえるようで見つける度に拾っては、自分の宝箱にこっそりしまっておくのでした。ある時、少年は薄汚れて弱りかけた子猫が