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詩|才能

殺し合いが好きな人々が、才能が無くても生きろと宣っている。無責任に若さを消費させることが才能と呼ばれてしまうのであれば、きみだってそっち側の人間かもね。
才能が無いやつは死ね。美貌が無いやつは春を売れ。金が無いやつは愛を語れ。直接的な表現で行先を誤魔化せ。フォトジェニックな退廃に意味を探しても意味無いから、たったひとつの命を投げ打ってでも全てを表現するべきだ。110円で買えるおもちゃみたいに安っぽい夢と曖昧な表現じゃ、革命は起こせないんだぜ。

世界が騒音に満たされて、耳鳴りとハウリングが貫通していく。最近は痛みにも慣れてきて、情けない生活も歪みに変換出来る様になった。思えば逃走経路なんて初めから無かったのかもしれない。だから、最後は格好良く全部壊してしまうことがきみへの恩返しなんだ。

今だけ、情けなくても許して。

後ろ指刺されたいくせに良い人でいたいなんてわがままは言わない。馬鹿になりきれないのに馬鹿とは名乗らない。勇気の使い所が無いまま人生終わっても構わない。ただ、行き先は地獄が良い。それだけは叶えてほしい。
お願い、神様。

勇気の使い所がほしいだけの人生なんて本当しょうもないね。
駅前のガールズバーから漏れ出た騒音が無意味を縁取っている。それに感情を染められる日はもう、来ない。

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