見出し画像

詩|渋谷part.2

少女時代の消費の仕方を教えてもらったあの放課後
煙草の味を知ったカーテンの向こう とっくに過ぎた春を
指折り数えて 傷跡と言い換えて
花火みたいに綺麗で無意味な「さようなら」ばかりです

有線イヤホン 無料案内所
109 ハイライトメンソール
青春と生活の境目は濁ったマーブル模様
泣きたい夜に聞きたいプレイリスト 膝上のスカート
ボディファンタジーのバニラの香り纏って迷って渋谷の渓谷

深夜0時過ぎ、人海を掻き分けていく最悪な夜に
絡まるイヤホンが流すナンバガ 少しでも早く此処じゃない何処かへ
振り向いても誰もいないスクランブル 鰓呼吸で息をして
見つけられなくてもいいよ この街で溶けていく

成績不良の居残りゲーム あの放課後の延長戦
失った季節を取り戻す為にアイシャドウはピンク色
山手線は渋谷行き、から始まるありきたりな話
嫌いなあいつも今日だけは好きになったりなんかして

アルコール度数は何%?なんて聞かずに掲げるグラス
泣きたい夜に聞きたいプレイリストに必ず入れるあの曲を
雑踏をかき消すよう今日は大きな声で歌うよ
雑踏をかき消すよう愛を愛を歌うよ

深夜0時過ぎ、人海をかき分けて行く最悪な夜に
眩しいネオンが流れ星みたいで、3回願って
美しくあれと祈る路地裏 不埒な中指にキスをして
見つけられなくてもいいよ この街で溶けていくだけだし

だから私渋谷が好き
嫌いでいさせてよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?