詩｜橙

一杯のカップラーメンを分け合う真夜中、罪の味だねって笑うぼくの宗教、愛、不確かだけど輝く星。
何処へも行けない僕の足を動かしたのは、紛れもなくきみなんだ。
思ったより垂れ目な目尻が愛おしいと思ったあの日から、その光に照らされて行き先が分かったよ。

常夜灯に包み込まれ安心する。静かな寝息が聞こえてくる。一枚の毛布でも暖かな今が、幸福を縁取っている。子宮から宇宙まで、すべてが愛を祝福している。

このワンルームが地球で最も幸福な場所と、世界各国で記録されそう。
日本屈指の観光名所は杉並区のワンルーム。きみの長いまつ毛の滑り台でピースして写真撮影をしよう。

誰もいない遊園地で、メリーゴーランドに乗る夢を見た。
暖かで色とりどりな光が、ぼくらを照らしてた。
ぼくら孤独を乗り越えたから、今は暖かな幸福の中で眠ろう。
もう孤独なんて言葉を思い出さないほどに、ぐっすりと眠ろう。