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10円にまつわる話

誰しも一度は「英語以外使用禁止」という遊びをやったことがあると思う。大抵の場合数分で終了するのだが。
私とて例にもれず、英語縛りで会話したことは何度かあるが、その中でも思い出深い回がある。

中学・高校時代にT先輩という人がいた。
T先輩はいわゆる『頭の回転の早いバカ』タイプの人間で、決してバカでは無い(…と個人的には思っているのだが)のに、その能力を全力で頭悪い方向に使う人だった。
その回転力を活かして、パッと思い付きでいろいろなことを言ったり、やったりして最終的になんだかんだ完遂するという不思議な人だったので、

「今から英語だけで会話しようぜ!日本語使ったら罰金!」

と、いきなり言い出したとしても何ら不思議のない人である。ちなみに、集まった罰金はユニセフに寄付する予定。

皆最初は慎重に言葉を選んでいたものの、段々と言葉に窮して"well..."とか"uh..."などと連発するようになり、ついに日本語が出てしまって、活き活きと罰金を要求するT先輩が放った衝撃の一言

「You must pay じゅうえん!」

それから15年以上経った今でも笑えるし、なんなら10円という単語を聞くと時々思い出してしまうほどである。

ちなみに、ユニセフには寄付されなかった。

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