札幌に行ってスープカレーを食べた話

ひょんな事から札幌に行く機会があった。
さて何を食べるべきか…海の幸を満喫するべきか…はたまたジンギスカンか…と思いを巡らせつつ、思い至ったのはスープカレーであった。

スープカレーを食べたことはあるし、わざわざ北海道に行かずともスープカレーを食べることはできるのだが、せっかくなので本場の名店を探してみようではなないかと思い探し当てたのがこちら。

薬膳カリィ本舗 アジャンタ総本家
どうやらこちらがスープカレー(カリィと呼ぶべきだろうか)の元祖のようだ。
ちょっと御家騒動的なこともあったようだが、軽く調べた限りではおそらくここが源流を汲んでいると判断した。

結論から言うとめちゃくちゃ美味しい。ご飯が一瞬で無くなるレベル。
正直スープカレーをなめてたというか、スープカレーの本気をみた。これは目が覚める美味さ。具が大きくて若干食べにくいなんて全く気にならないレベルで美味しい。もう口の中がインド(?)

テーブルに備え付けの追加スパイスが見た目からして真っ赤でちょっと怯んだものの、なんとも芳しい香りを放っていたので途中から追加してみると、確かに辛さはレベルアップしたものの、香りがレベルアップというよりもはやクラスアップした。そして辛いのは分かっているのにちょい足しが止まらなくなる。これは何かしらの依存性があるのではないかと疑うレベル。

食べ終わると口の中の全細胞が悲鳴を上げていたのだが、ラッシーを飲むことでスーッと落ち着く。何度も経験してはいるが不思議な現象だ。カレーとラッシーの組み合わせを見つけた人にノーベルカレー賞を贈りたい。

見事に機会があればまた行きたい店リストに追加されたので再度訪れた際にまた行った。
今度は頼んだカレーの種類を変えたからか、お店の仕込みの影響か、時季の影響か、自分の体調や慣れなのかは不明だが、ややマイルドでコクのあるスープになっていたようにも思った。
そしてやはり大変に美味しかった。もしも複数の異なる調合のスープの用意をしてあるのだとしたら凄いことだ。

スープカレーを食べたことがない訳ではないのだが、まるで初めてスープカレーを食べたかのような衝撃だった。
ここのスープカレーは全てのスープカレーを過去にする、というかここが一番過去なのだが、それくらいの感動と共に内臓にスパイスが染みこんでいく。

全てのカレーを食べ尽くしたわけでもなければ、食通でもないので適当なことを言うのは憚られるが、まさに原点にして頂点と呼ぶべきスープカレーだと思う。
渉猟すれば更に美味しいスープカレーに出会うこともあるかも知れないが、源流として存在し続けているという事実は、一定程度のレベルでその論を支持できることの証左ではなかろうか。

今までカレーは千葉県のシタールが一番美味しいと信じて疑わなかったが、それに比肩するというか、スープカレーとカレーとは似て非なるものであり、異なる軸に居るという認識に変わった。それほどに大変に美味しかったし、価値のある一皿だった。

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