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リタリコ勉強会「かんしゃくへの対応」

少し前になるのですが、リタリコさんの勉強会「かんしゃくへの対応」に参加しました。長男は床に寝転んでギャーギャーするようなかんしゃくは無かったのですが、嫌なことを回避するために泣いて喚くことがよくありました。8歳を過ぎた頃から、私も力づくで動かすことが難しくなったり、かんしゃくの仕方が泣くことから「怒り」に変化してきたりして、ちょっと改めて対応を学べたらと思ったのがきっかけです。いつもながら内容はとても勉強になり、チャット欄を通じて同じように悩みを持つ保護者の方の存在を感じて「ひとりじゃないな」と少し温かい気持ちにもなりました。

かんしゃくとは?

癇癪(かんしゃく)とは、声を荒げて泣いたり、激しく奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。気持ちのコントロールがうまくできないときに起こりやすく、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。

引用:LITALICO発達ナビ

かんしゃくが起きてしまった時、まずは本人や親自身、きょうだいが怪我をしないように安全確保(環境調整)すること。そして、興奮を引き起こす刺激をなくす(減らす)こと。なだめようとして話しかけまくったり、叱りつけたり、問い正したりするのは興奮を高めてしまうので逆効果とのこと。お家の外で起きてしまうと周囲の目もかなり気にはなりますが、とにかく刺激しない、興奮が落ち着くのを待つのが正解。余談ですが、私は街でかんしゃくを起こしている小さな子とその親御さんを見かけると、老婆心で何かできないかなとチラチラ見てしまうのですが、今後は危険がない限り(または助けを求められない限り)見て見ぬふりをしようと思いました。

かんしゃくが起きている時、子供は困っている

勉強会では氷山モデルを使って説明していたのですが、これがすごく分かりやすかったです。表面に出ているのはかんしゃく行動で、その下には見えていない本人の困りごとや環境要因、特性など複雑な背景がある。

氷山モデル

かんしゃくを起こされると色々「何で?!」と言いたくなったり、理屈で押し通してヒートアップさせてしまうことが多いのですが、この「何で?」の答えは子供自身も自覚していなかったり、うまく言葉で言えなかったりするんですよね。例えば…

  • 日頃学校で友達とのコミュニケーションがうまく行っていないストレス

  • 急な予定変更による不安、戸惑い

  • 期待通りにならない欲求不満

  • 周りの音が不快、など

子供はかんしゃくを起こしたいわけではなく、そうすることしかできない、そうせざるを得ない理由があるわけなので、親が見えない部分の背景を理解することがまず大切なんだ、と言っていました。背景と言っても、「構ってほしい」「お腹空いた」といった分かりやすい背景のこともあれば、不器用で思ったように体が動かせないとか、感覚過敏から来る音や視覚の不快感など、元々の特性が背景になっていることもあります。また、疲れが出やすい夕方の時間帯だとか、週の後半、特定の習い事のあと、といったかんしゃくを起こしやすいパターンもありそうです。かんしゃくを起こす本人が子供の場合、こういった背景の予想を広い視野でできるのは、子供の日常生活全体を把握している人(我が家の場合は母親である私)しかいないと痛感しました。

そういえば過去に、数か月に一回診てもらうお医者さんや、週一回の療育の先生に「最近かんしゃくがひどくて…家の中で大声で怒っているんですけどどうしたらいいですか?」なんてざっくり相談していたことを思い出しました。当時は、「かんしゃく治したくて相談してるのに、大したアドバイス全然くれないじゃん」と割と本気で思っていたんです。今回の勉強会を受けて反省しました。かんしゃくの背景を色々私が予想して絞り出して、プロにはそれぞれに対する改善策を具体的に相談するべきだったんだと思います。

かんしゃくを一発で治す魔法はありません。背景を少しずつ取り除いたり、改善したりして、和らげてあげること。そして、後々は本人が自身のかんしゃくとの関わり方を覚えていけるようするのが理想ですね。そう、理想です。かんしゃく起こされると、子供より大きい声で制してる私は自分が怒りっぽいのを自覚しているので、果てしなく遠くに感じる理想ではありますが…中長期的なゴールは本人のスキル獲得です。

子供のかんしゃくに親は巻き込まれやすい

感情は伝染するそうです。子供がかんしゃくを起こせば親も興奮するのは自然なことだと勉強会でも講師の方が話されていました。大声で怒鳴る、足を踏み鳴らす。親もかんしゃく状態。いや本当にその通りです。いらいらするんです。何で今?何でそんなに?いやさっきああ言ってたよね?前から話してたよね?ううううーもういや!!!!!!というのがいつもの私です。そういう親御さんに対してのアドバイスはこの通り。

  • 普段から意識して自分が落ち着ける方法を決めておく。

  • 精神的、体力的に疲れを溜めないように心がける

  • 余暇や自分の時間を確保する。

  • 「親のせいではない」と意識する。

こう字面にしてしまうと「現実的にそれが出来たら苦労しないよ」と正直言いたい気持ちはあったけれど、こういう勉強会で大事なのはまずは素直に聞く、という姿勢だと思っています。LITALICOさんほど実績のある会社がやっている勉強会ですから、障害のある子どもに関わることがどれだけ大変で、ストレスがかかって、疲弊しているかということは織り込み済みです。その上で、状況を良くするためになお努めて下さい、頭で分かっていても事あるごとに意識して下さいという話です。よし、子供の感情の爆発に巻き込まれず、少し客観的にその場に対応して、落ち着いたら色々背景を探って、事前に抑制できる方法、背景要因の改善策を試して…….夜は大好きな海外ドラマを堪能して日々気持ちリセット。

反省は尽きない毎日ですが、それでもしっかり食べてゆっくり寝て日々新しく頑張ることにします。